ファミレスを享受せよ 感想

■概要

短編アドベンチャーゲーム。
プレイタイム1時間半程度
無料でプレイできるブラウザ版もあるけれど、ブラウザ版にはピアノ音源(切替可能)や、クリア後のイラストギャラリー(という名のキャラ設定やクリア後の余談)が無いので、結果としてプレイ体験にはかなりの差が生まれると思う。
1500円は短編にしてはかなり気合の入った価格設定だけど、クリア後の余韻がとにかく心地よく、「まあファミレスに支払う金額としては適正な価格だったな。ドリンクバーだけで多分1劫ぐらいは滞在できたしな」という感想になった。

満月の夜に、時間が永劫に引き延ばされたファミレスに迷い込んでしまった主人公。開かない入り口、永久に運ばれてこないソフトクリーム、周りには脱出をとうに諦めて穏やかに過ごしている先住民たちと、微妙なラインナップの無限補充ドリンクバー……コーヒーメーカーは故障中、ミルクはなぜか補充機能が働かずに数千年?数万年?数億年?前から品切れ。

………なんか全体に漂うチルい雰囲気に惑わされてなるものか!!!!!!!せめてコーヒーと固形の食い物を置いといてくれ!!!!!!!!

■以下ネタバレ

閉じこめられるところからスタートするゲームなので、自然とプレイヤーは「よし、脱出ゲームだな」という構えを取ってしまうし、それだとムーンパレスの住人からは浮いた存在になってしまうわけだけど、16桁のパスワード総当りに"本当に"プレイヤーをつきあわせることで、「途方もない間、ムーンパレスにいたんだ」という強烈な体験ができる。

総当りのシーンは本当に長く長く感じるので、箱を開ける前と後では明らかにムーンパレスの景色が違って見える。何もかもがなつかしい・・・

箱が開いた後は急速に話が進んでそのままエンディングまで一直線なんだけど、これだけの時間滞在していたのだから住人たちとの別れも惜しくなるし、最後のいくつかの選択肢も強く逡巡するようになる。本当によくできている。1時間半しかプレイしていないのに。

Steam版を買った人しか入れないサウンドモード
ピアノアレンジもすごく良いけどまずは原曲でプレイしたいゲームかな
Steamではサウンドトラックも売ってます

エンディングは最後の選択肢で分岐するので、そこでセーブデータを確保してあれこれやりましょう ただ、エンディングの余韻を正しく味わえるのは一度切り、ONE SHOTなので慎重に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?