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THE RED PILL 観賞記

2021年11月13日(土)
マスキュリズム団体によるTHE RED PILLというドキュメンタリー映画の上映会がありました。
この映画の存在を知ってから是非見てみたいと思っていたため、休みを取って見に行きました。
本記事はその体験談になります。


1.目的

THE RED PILL(以下レッドピルと記す)についてはTwitterでその内容について見かけたことがあり、「これはフェミニストたちが快く思わない内容だな」ということは推測していました。
そのためこの上映会を妨害するために押しかけたり、視聴希望者にケンカを売ったりする輩がでる恐れがあると感じていました。
近年、右派、左派ともに影響力の大きい人の講演会を犯罪予告等で妨害する事例が発生しているほか、海外では講演会を支持する人と支持しない人で衝突が起きています。
本上映会でもこのような事態が起こったときのために、自分が視聴するついでにそういった過激運動への合法的カウンターを実施しようと思って参加しました。
幸い、そのような事態は起こらず、私が準備した知識も道具も使わずに済みました。
これは日本人が他国民より過激でないせいなのか、それともマスキュリズムが未だ注目度の低い運動だからなのかわかりませんが、平和な日本に生まれてよかったと感じさせられました。


2.映画のあらすじ的なもの

映画の内容を詳しく書くことは著作権上の問題があるために控えます。
ざっくりと映画の内容を書くと
 監督が当初フェミニズムに傾倒した経緯
 MRM(男性権利団体)への接触
 MRMが主張する統計的事実や実被害を受けた男性への取材
 MRMの主張をフェミニズム団体にぶつけたインタビュー
 監督がビデオ日記による考え方の葛藤の提示
といった内容です。
MRMの主張については、Twitterのアンチフェミ界隈が主張していることと同じで内容的には「知ってた速報」でしたので目新しいものはありませんでしたが、日本とアメリカの制度の違い(養育費不払いによる刑罰の有無など)や、フェミニズム団体関係者の「目がキマっている」のが印象的でした。


3.観客数

私が見たところ、観客数は6~70名ぐらいだったと思います。
100名入れるように準備された部屋に7割ぐらいの席が埋まっていました。


4.学び

映画の主題については前述のとおりすでにTwitterで言われていることでしたが、この映画では大きな学びがありました。
それは監督がフェミニズムを発症した体験談から得ることができました。
・監督は幼いころに演劇を始める
・その流れでハリウッド女優になる
・死体や殺され役からスタートする
・芽が出ないウチに上級スタッフからベッドに誘われる(断ったかは不明)
・痩せてバストアップするよう言われる
といった経緯でモヤっているところに「男社会が悪いんだ」というフェミニズムが現れて傾倒したと言及されていました。
ここで「男社会が悪い」という結論を提示されたことはとても心地よかったであろうと思います。
ハリウッドの雰囲気や力関係の調査不足、職場選びの選択ミスといった個人の責任を全て否定し「男社会の悪い部分があなたを苦しめた」という甘美なストーリーだけが存在するからです。

もしも男性が仕事で芽が出ず、嫌な思いをしたときに「全て社会のせいだ」なんて大声で言おうものなら周りから人が離れて孤立するだけですが、フェミニズムはポリティカルコレクトに後押しされているため、女性が同じことを言うのは許され、かつ応援される。

Twitterでフェミニズムに傾倒している人たちにも著しい他責性が見られますが、キャシー監督のフェミニズム発症の経過が自己紹介されていたことで、フェミニズムの特徴をもっとも端的に表す言葉が「他責性」だという学びを得ました。


5.懸念

この映画ではMRMや、女性の人権も男性の人権も大事だという女性(フェミニズム団体が男性の権利擁護に反対したために袂を分かった元フェミニズム団体の女性)が冷静にインタビューに答えているのに対して、フェミニズム団体の関係者は
 興奮している
 男性の生きづらさを「男社会」のせいにする
 MRM等の男性に対する人格批判(対人論証)を行う
といった印象を受ける映像になっています。
2でも書いた「目がキマっている」印象を受けるのです。
そのため、一方をジェダイ、もう一方をシスとして描いたスターウォーズのような「最初からフェミニストを悪役として描いて悪い印象を付けようとしている」との非難が起こるのではないかと懸念されました。
TwitterやYouTubeで論破されていくフェミニストは最後には感情的になって論理が怪しくなっていき、ブロックして逃亡することが多くあり、そういうのを目にしていた私には「フェミニストの目がキマっているのは仕様です」と言うことがわかるのですが、それを知らない人が見たら映画の中立性を疑われるかもしれないと思いました。


6.限界

この映画を無料で上映してくれている人たちには感謝しかありません。
しかし、この運営者たちのやり方には思うところもあります。
それは、男性差別の窮状を訴えて差別解消を求めるというムーブは彼ら自身の幸せを遠ざける恐れがあることです。
「俺は被害者だ」と叫んだときにいずれは行政や司法は応じてくれるかもしれません(可能性は少ないものの)。
しかしそのような「男の弱者ムーブ」は女性の性欲や本能を燃え上がらせることはなく、むしろ避けられてしまいます。
私の個人的考えかもしれませんが、男に生まれた以上、女とセックスしたいですし、子孫も残したいはずですから、弱者ムーブがセックスを遠ざけることに気付いて運動から脱落していく男性が出て、団体が縮小していく可能性があるかもしれないと思いました。


また、もともと暴力的・積極的な男性は弱者男性の味方をするよりも、弱者男性に侮蔑的であるほうが女性からのモテを引き出しやすい(イジメっこのほうが女子からの人気が高い現象)ため、すべての男性が運動に賛同してくれるわけではないばかりか、この運動を貶める男性も現れる可能性があります(映画内でもMRMの活動を罵倒する男性が写っていた)。
そのため、この2点が限界となって運動が今後大きなうねりにはなりにくいのではないかと感じました。


7.観賞後記

以上が私が上映会に参加した感想になります。
元々上映会は50人しか入れなかったところ、運営側のご尽力により100名まで入れることになり、多くの人が参加できてよかったと思います。
もしも50人に入れなかった場合は、あぶれた人たちと昼飲みしようと考えていたのですが無事に入れたために昼飲み計画はなくなりました。
また、映画を見た人たちと電車の時間までチョイ飲みしようかとも思っていましたが、現場の雰囲気が真面目だったことや私に積極性が少なかったこともあり観賞後の飲み会みたいなものにも行けませんでした(reiさんという方が上映後に飲み仲間を探していたようですが、飲めたのかな?)。

上映会の最後では「地方都市でも上映会をやりたい」と運営の方々は意欲を見せていました。
お近くで上映会があったときはぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。
少なくとも米国のフェミニズムは女権拡張主義で男性差別的であることを目の当たりにできると思います。
そしてそれが日本に輸入されてきたときの対処法をあらかじめ考えておくために必要な情報であると思います。

ただ、私はこの上映会は大都市でしか成功しないと考えています。
キャンセルカルチャーが吹き荒れる社会ではポリティカルコレクトに反する集会に参加するには匿名性が絶対条件だと思うからです。
日本全国からアクセスの良い東京、大阪あたりであれば匿名性を確保できますが、秋田、新潟、金沢、鳥取(日本海側の都市)あたりでは匿名性確保がかなり厳しいものとなるのではないでしょうか。
札幌、仙台、大阪、広島、福岡あたりなら匿名性がギリギリ確保できるのではと思います。

いずれにしても、このような機会を与えてくれた田中(旧名:マスキュリズム・MRM)さんとその仲間たちに感謝。
今後のご発展、ご活躍を期待しています。