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逆ナンされた話

逆ナン

───それは全男子の憧れ。


今回はタイトルの通り僕が逆ナンされた話です。

5年以上前の話ですが、逆ナン経験が0のフォロワー各位にマウントを取りたいので傲慢に描き散らかしていこうと思います。



ゼロゼロゼロ〜❤️



・・・未来のフォロワーにマウントを取っていこうと思います。


(たった1回。しかも5年前の逆ナンエピソードでマウント取る男、キモすぎる)
(このDTこんな強気なの…?)
(そんなんだから万年DTなのでは…?)



うるせ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





これは僕が大学生だったときのこと。
うだるような暑さのとある夏の昼。

コンビニで昼ごはんとアイスを買った帰り道。家までの慣れた道のりを好きな歌を口ずさみながら歩いていると、突如声をかけられた。


???「あの〜すみません〜」


こういう場合、実は自分の後ろに人がいてそっちに用があるパターンが1番恥ずかしい。
学生時代、実際にそのパターンで恥をかいたことがあるので、こういう状況では一度後ろに振り返って確認するようにしている。

後ろには誰もいない。
どうやら僕に用があるらしい。


僕「どうしましたか?」


声の主をよく見ると多分還暦を迎えているであろう綺麗な佇まいのマダムだった。


マダム「暑い中ごめんね〜、ちょっと道に迷ってしまって、、急ぎじゃなければ図書館までの道のり教えて欲しいんだけど、お兄さん場所わかる?」


特に急ぎでもないし、当方家まで徒歩数分のド地元民。
図書館までの道もわかるので二つ返事で受け入れた。



…といきたかったが、
いかんせんコミュ力と伝達力が皆無。
簡易的な図を描こうにも画力も非搭載。

図書館まで歩いて10分程度。
目的地まで案内した方が早いと判断し、その旨を伝えた。


マダム「助かるよ。ありがとね。」
僕「いえいえ、お構いなく。」

 

世間話と夏の暑さを愚痴りながら歩くこと5分。図書館まで残り半分くらいだろうか。
 
意外と盛り上がった世間話を切り上げ、改まった口調でマダムが話題を切り替えた。


マダム「・・・お兄さんごめんね。実は私、道になんか迷ってないの。」

僕「えっ?」

マダム「実はね、主人と喧嘩しちゃって家飛び出してきたのよね。」

僕「なる、、、ほど?」

マダム「そしたら素敵なお兄さんがいたもんだから声かけちゃった。」

僕「(逆・・・ナン??)」
僕「(しかも人妻…???????????)」


そこから話題は僕の恋愛遍歴(...は皆無なのでこの話題はすぐ終わる)や僕のバイト事情など個人的な話からマダムの主人の話など多岐に渡った。

後半はほとんどマダムの惚気混じりの愚痴を聞いていた気がする。なんだこれ。正直ちょっと微笑ましい。


マダム「結構話し込んじゃったね。ごめんね。でもお兄さんに話したらスッキリしちゃった。ありがとね。」

僕「それは良かったです(?)」

マダム「お兄さん良い人だね。笑 …でもごめんね、やっぱり私にも悪いところあったし、帰って主人に謝ることにするね。」

僕「主人さんも心配してると思うしそれがいいかもですね。あとなんか僕フラれたみたいになってません?」

マダム「本当にありがとね。聞いたところお兄さん今はパートナーいないんだよね?素敵な人だしきっといい人できるよ。頑張ってね。ふふっ。」

僕「ありがとうございます。あとこれって僕フラれた感じです???」


そう言って元の道とは逆の方向に向かって歩いていくマダム。
最後に見せた笑顔は恋をする女性のそれだった気がする。


・・・・・・独りになる。
さっきまでは気にならなかった蝉の鳴き声がなんだかうるさい。

「アイス溶けたかもなぁ、、」
「あーこれくらいならまた冷やせばいけるか...?」

などと呟きながら家に向かって歩みを進める。
汗で肌に張り付いたシャツも気になってきた。


マダムと出会った場所まで戻ってきた。

「恋をする女性はいくつになっても素敵だな。」

なんてひとりごちてみる。
言葉が風に消えていく。
家が見えてきた。

「まさかおばあさんに励まされるとはなぁ...」
「でもあの笑顔素敵だったなぁ」


・・・・・・この夏頑張ってみるか。
決心する。

今までの夏を取り戻そう。
新しい夏を始めよう。
1人ではなく大切な人と過ごす夏を。
真夏の青春を。

今年の夏は何かが起こりそうな気がする。
いや、何かを起こしてみせる。

マダムへの感謝とひと夏の決意を胸に少年は家のドアを開いた。













P.S.
マダムへ
5年ほど経ちましたが未だにパートナーいません。

助けて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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