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CS優勝+GCSベスト8(他人が)の他人の褌でお届けしてしまうアマツ人形解説

自身もcsで優勝、リストを渡した荒川陽太選手がベスト8までこのリストを連れて行ってくれたということで、
詳しいリストの解説…というよりは、アマツ採用に至るまでの思考の経緯を簡単に記していきたい。

(全文無料+お布施形式でおまけが見られるようにしてあります。)
(ある程度集まったら荒川陽太選手を労おうと思います)

何よりお疲れ様でした



はじめに

今期はこれまでcsには人形エルフで4回参加しているが、全てのデッキで細部が異なる構築を持ち込んでおり、その全てでベスト8以上には引っかかっている。
その副産物か、csポイント関東ランキング瞬間1位も達成できた。

巷ではシーモン(cs monster)という悲しき名で呼ばれている



これはやはり人形エルフの基盤の強さに由来するものであり、「どうチューンしても問題なく基盤で戦える」ことの裏返しとなる。
これが大変面白く、実際に多くの人形エルフのリストが結果を残しており、様々な形を触っていたからか人のリストを見る楽しみも増えた。
この「人形エルフのリストを作ることの楽しさ」は今期人形エルフを愛用していた人にはかなり納得してもらえる部分だと思うし、カードゲームの「デッキを組む楽しさ」を思い出させるには充分だった。


人形エルフとは

人形エルフの目指すはただひとつ。

「オーキスとノアの両面構えによる暴力的な王手」

アナスタシアで盤面を作るのも結局はこれの延長戦上(そのままアナスタシアだけで勝ってしまうことも結構ある)でしかなく、上記の絶対的なフィニッシャーがいるからこそジャンクでの1点チクチクですら最終的にゲームに貢献するし、
エボルヴは縦置きこそが至高——みたいな言説をびっしり勉強した机をちゃぶ台返しするかのように場のフォロワーはひたすら相手の顔を殴る。
過程はどうであれおそらくは最終的にはここに行き着くほど、上記2種のフィニッシャーの強さが際立つデッキであり、デッキの1番の主張点と言えるだろう。

人形エルフを語るにあたって、根幹を成す人形カードについては最早語り尽くされた内容であろうため、今回は筆者が本当に思考を楽しんだ自由枠を中心に、話題を展開していきたいと思う。

採用自由枠カード解説

●小さな勇士・スクナ


確定枠
スクナを持っている時は、(特に後攻時)常にスクナを投げる可能性があることをそのターンの頭の選択肢に入れておきたい
スクナを投げるターン=スイングターンとなるので、攻めの主導権を先に確保したいこのデッキでは非常に重要な考え方

●エフェメラ


フィーナを採用する場合の最有力候補
1コストなので基本展開を邪魔せずにスイングターンを作る際の露払いとなる便利カード
出力は他のカードに任せれば良いので、軽い除去はそれだけで評価を高くしている
もちろんフィーナなしでの採用もあり

●ミツェル


動きの再現性を高めるカードではあるが、序盤ではコストの重さが、中盤以降は投げどころの少なさが目立つ
サーチ対象の狭さ(及びそれを補おうとする際に発生する構築の歪み)、戦闘への貢献度の低さから、咄嗟の場面には全く対応できないため、できれば入れたくはないと感じたカード
採用するのであれば、朝焼け3投で何がなんでもアナスタシアを通すぞくらいの意気込みを見せたい

●自然の導き


人形エルフは盤面を使って打点を出すオーキス、ノアがメインのフィニッシュプランとなるため盤面から打点を出すことを重要視する
以上の考えから派生し、横に並べることで盤面から打点を出すのが得意なこのデッキにおいては広げすぎた盤面を狭めるために必要なカード
強烈なデメリットとして、アナスタシア展開中など、盤面にいくらか打点を残しておきたい際に自然の導きを使わないとならない時は盤面の強度を相当落とすことになるため、多少のリスクはつきまとう
おそらく、上位に行けば行くほど相手もリスクを取ったプレイをすることが想定されるため、ならばこちらも、といったイメージで採用すべきカード

●女神は朝焼けの海に


生成したロイド、ヴィクトリアを早期に吐き出さなくてはならないorそのプレイが強力な時に、アナスタシアの起動のサポートとなるカード
自然の導きの、「コンボを達成したい、でも盤面は弱くしたくない」のちょうど中間くらいに位置する
アナスタシアに限り0コスト換算できるため、ミツェル入り構築では多めの採用が望ましいか
3枚積んでアナスタシア朝焼け朝焼けみたいなハンドになると、選択肢が極端に狭まるリスクがあり3は非推奨だが、デッキを37枚にできるのは良い

●2コストフォロワー


2tのプレイアブルカードが人形プールに2種類しかおらず、2tパスを引き起こしやすい
2パスを起こした場合、先に相手にスイングターンを作る機会を与えてしまったり、打点が足りずオーキスでの詰みまで持っていけなかったりと、ゲーム上こちらが不利を先に負う展開になりやすい
基本はこちらがリードを作り、相手が追う展開を心がけたいこのデッキではテンポロスはなるべく避けたい
そのため9以上は枠として欲しい、明確な理由づけができかつ充分なパワーを発揮できるカードであれば増やせれば増やせるほどよい印象の枠

-ネルシャ
確定枠半身浴くらいはあるカード
動きの幅が広い上に、攻めに転じる際には攻めターンの大きな起点となってくれるほどゲーム進行寄与度が高く、おまけに2/2/3フォロワーのため最低限の交戦能力を有する
アナスタシアとのくっつきは勿論、アナスタシアターン前の攻防における重要カードの1つで、4tに重要な役割を果たす
後攻時、相手のアナスタシアの前4ターン目にこちらがネルシャを絡めた盤面展開、またはスクナ疾走によりイニシアチブを奪取し相手にアナスタシアではなく処理を要求させるプレイは、人形エルフミラー必修項目ではあるが、これは先攻4ターン目でも言える…など、2コストコンボで出力を出すカードは攻防の核となる
いつどのタイミングで使っても非常に強い、困ったら入れて全く損はないカード

-フィーナ
序盤の頭3が非常に人形エルフと噛み合わせが良く、その交戦能力が白オーキスのプレイの際に貢献したり、体力を削る性能が高かったりと、フォロワー交戦の多い現環境では細かな活躍も少なくない
そんな2/3/2でも採用最有力がフィーナで、序盤の強さはもちろんのこと、後半以降もスクナをサーチすることでの特大リターンが見込める良いカード
…とは言ったものの、後半戦で2PPで不確定の動きに手を出すのはやはりリスキーと言わざるを得ないため、後半のプレイに耐えているか、と言われると総合的には微妙
カードの格としてはネルシャにはやはり数段階劣るが、2コストのかさ増し要因としては悪くない
まあそもそも人形以外の2コストに手を進める性能に期待するのがそもそも欲張りだし、
・ジャンクを確保することでノア、オーキスの補助
・スクナ確保でド直球に相手の体力をリーサルラインまで落とす
といったゲーム展開への関与ができる可能性があるだけ偉いカードだと思うし、確実性にはこの際目を瞑るか(フラグ)

-フラワードール
…個人的にはここが選択肢になることはないと思っていたが、抜けているデッキが多く見られたため自分の見解を述べる
フラワードールの大きな利点は主に2つあり、
ひとつはバリュー運用、または派生してオーキス回収によるゲーム決定能力となる、広い視野を持てるカードとして
もうひとつは単純にツヴァイに最速でつながるカードとして

後者における最速ツヴァイは人形エルフが誇る理不尽な択の押し付けの序の口と言ったところで、
ツヴァイ進化で4点を受けることを防ぐために除去をするか、仕方なくヴィクトリアを吐かせるために最小限のリスクで釣らせるプレイをするか…となるが、
人形エルフ側はツヴァイをプレイできた時点で相手の択に対しての裏択を「ほぼ確実に」取れる強みがある
・ツヴァイを処理しなければヴィクトリア+進化でボードとダメージで優位に
・処理されれば温存
・処理+展開を無理やりされてもツヴァイで処理+そのままコンボで展開
と言ったように相手の択に対してクリティカルな一手を指すのはカードゲームでは勝ちに一歩近づく行為であるが、これをツヴァイ1枚でこなしてしまうため、
イージーウィンを狙いに行く観点から見てもフラワードールが外せない強い理由になっている

●3+1進化除去サイクル


生成したヴィクトリアを使わずに相手の場を触れることから、5t以降のコンボへ出力を回しやすい
ミラー4t時にボード展開の駆け引きがあるとは言ったものの、その駆け引きからフォールドできる上に及第点のプレイを出せる選択肢を生み出せるこの枠は、個人的には3枚採用する枠だと考えている
後半になると、ミストリナの縦置きや機械神など、相手の高リターンのプレイに対し無力である点から、有利展開を維持するために広い視野から幇助してくれる枠で、猛攻前のしゃがみのターンのカードの一選択肢として用意したい

-相葉
採用はおすすめしない
やはり除去対象の狭さがどうしてもネックになってきてしまう、4点すら取れないのは少し厳しいか
中〜後半の大型を処理できる方がデッキの弱点を埋められる

-キーパー、エイシン
説明不要のスーパーテンポカード
3+1の項冒頭で説明した仕事を全てこなせるのがこのカード
キーパーエイシンはどちらでも良いと思うが、個人的にはキーパーをおすすめする
コンボは無理して狙うほどのものでもないので、余裕があればで良い
エイシンの1番大きな利点は、2ナイトメアに魔弾ではなくささやきを使わせられる点だろう
スクナが通りやすくなる

●カシオペア


機械ナイトメア相手に「のみ」大きく刺さるカード
機械ナイトメアはこちらが攻めるよりも前に、モノ+ファーストワンによってこちらの喉元にナイフを突き立ててくるため、人形特有の押し付けムーブをすると当然負けてしまう、といった場面が頻発する
そこでカシオペアを投げれば完全に優位性が逆転するので、あとはやりたい放題

それ以外の対面は素直に今後のために準備したり更に攻めたりした方が勝ちやすい
2ナイトメアも環境にいる中、現状の機械ナイトメアマッチング回数を考えると採用非推奨
環境にボードデッキが増えてくれば採用もまた検討される

●キングエレファント
…正直触ったことはないのであまり深くは語れないが、言わんとすることはかなり理解できるカード
相手の体力を詰めることの重要さは、ここまで読めばもうわかるはず

構築論まとめ+天啓

以上、自由枠から見る筆者の構築論をまとめると
・2コストを厚めに取りテンポロスをなくしたい
『テンポロスをなくせば無くすほどゲームを通して相手の体力を削る機会が増える』
・柔軟に盤面を作れる器用さが欲しい
『受け身なターンを少なめにする努力は構築段階で済ませておきたい』
・3+1除去は入れたい
『4ターン目時点での0コストをいつ投げるかの判断を先送りにでき、優位状況を利用して択ミスの減少、また攻撃的な受け身の姿勢を取れる』

特に筆者は2コストの枚数には目を光らせていて、ここをクリアできればデッキが1段階上のレベルに達すると考えていたが、フィーナに漠然とした役不足感を感じていて、デッキリストとにらめっこしていたら…

目が合ってしまった

天啓たち

●アマツ
1コストを加えるという意味ではフィーナのような横展開+プレイ枚数稼ぎ、即座の疾走打点と、どこでプレイしてもそれなりの役割を持てる。
アナスタシアの展開要因としても優秀で、スクナがなくともアナスタシアターンに打点を確保できる点は、単なる枠埋め要因の2コストには真似できない芸当。

このカードの採用が何故?と言われることも多いが
明確な理由は語った通り「どこでプレイしてもそれなりの役割を持てる」の一言に尽き、個人的にはこのカードには妖精エルフでのような軸となる活躍は一切求めていない。
フィーナが自身+エフェメラをセットで採用するためデッキ枠を使ってしまう点、前述したように後半のフィーナのプレイはスクナが絡まない限り、一旦次の展開に向けてしゃがむターンになりがちである。
その1ターンで、こちら側が王手をかけられてしまったり相手がリーサル圏内から逃げてきたりすることも多く、フィーナは悪くないカードではあるが選択肢が細い時何もできないという欠陥がある。
こればっかりは序盤の安定とトレードオフだろう、と諦めつつももう少し良いカードはないか、と試行錯誤してみつけたのがアマツである。
カードプレイ時の最低保証1/2/2はもちろん、2点アタックがオーキスノアによる詰みの最後のダメ押しになることも多い上、アマツ重ね引き、ブルーム、妖精の調べ、自然の導きと言った人形エルフに採用が検討されるカード同士でのシナジーによる上振れまで存在する。
その性質上、通常の人形エルフでは絶対に出せない打点を叩き出すことも可能で、意表を突いたリーサルも狙いに行ける。
また1人で2コンボ分を達成できることからネルシャスクナなどとも相性がよく、結果的に手札に持っているだけでかなりの安心感があるカードとなってくれた
また、2tアマツポン起きもあとで思わぬ活躍を見せたりする。
人形エルフはその実コンボエルフの側面もあるため、コンボ達成のために人形が出て行くことも多いが、EXエリアから人形がなくなってしまうとノア、オーキスの打点に関わる。
1/2/2のフェアリーは優秀なスタッツとコンボ稼ぎの役割で足りないカード1枚を絶妙に埋めてくれることも多いのである。

重要なのは
「展開とリーサルライン落としに最低限貢献しながら」
「人形エルフの最大値のムーブに我が者顔で関与することができ」
「人形エルフができないムーブすらできる」
高い最低値と非常に高い最大値を併せ持つまさかのカードとなっており、構築論における上段はクリア。
そしてアマツの採用により中段、下段についても満足いく採用が可能となる。

●妖精の調べ
実はアマツ採用前からちょくちょく採用していたカードでありお気に入りの強カードではあったが、盤面を作るに留まる以上スクナのようなコンボムーブのフィニッシュ手段の傘増しくらいで考えていた。

ネルシャと比較されがちな枠だが、性質の細部は異なる。

①ネルシャには上記で触れたように、テンポロスを埋める役割もあり、スクナなどの特殊な事例でない限りはテンポロスをしてまで溜め込んでおけるほどの出力は出せない。
溜め込んだ結果マイナス能力を使用せざるを得ないようであれば本末転倒である。
そのため、3枚を採用したとしても数十試合のゲームを重ねていくと「カード出力に期待しての採用の割にはあまり出力運用ができない」こととなってしまうと思われる。
3枚で充分と考えるなら問題ないが、デッキ出力を上げたいなら調べとは考え方を変えるべきだろう。
②妖精の調べは、あまりのリターンの高さから相手の展開をある程度無視して使用できるという、ネルシャ以上の出力がそもそもある。
アナスタシア調べは、アナスタシアスクナには及ばずとも凄まじいリターンを得られるためやはり同一視すべきではないと考える。

また、ネルシャの項で触れたように、アナスタシアより早期の盤面形成にも一役買っており
ネルシャの代わりはもちろんのこと、ネルシャ以上の出力を出したりネルシャとの重ねての運用でとんでもない盤面になったりする。
エルフミラーでの後攻は基本これを目指したいため、ミラーでも重要なカードとなる。

ここまで言っておいてアレだが、別に必須枠とは全く考えてなく、単体で何もしないことから運用に難がある場合も少なくない。
しかし、ネルシャは出せる出力の観点から調べとの比較時にプレイがあまり耐えていないこともあり、「安定感」だけを重視してカードを比較すべきではないことは考慮しておきたい。
個人的にはアマツの採用で様々な課題をクリアし、アマツ入りなら必須と考える。

●ブルームスピリット
最低限縦置きの4点を触れるのは評価が高い。
相葉ほどではないが、後述のキーパーエイシンにはやはり劣る…が、アマツ採用の場合は少し話が変わってくる。
理想ムーブの一例として、
3tヴィクトリア生成、4tブルーム、5tアナスタシア、ヴィクトリア、アマツフェアリーフェアリー
のようなアマツプランを強化してくれるカードとして活躍してくれる。
アマツがなくとも、生成したフェアリーが人形の代わりのコンボ展開の助けとなるのも良い。
EXが埋まりやすい可能性はあるが、余程事故ってないと起きないことなのであまり考えすぎなくてもいいだろう。

アマツの採用により、筆者自身が必要としていたカードはもちろん、それらが徒党を組んで思わぬシナジーと最大値を人形カード以外で叩き出す構図は、まさに思っていた構築となりデッキが強い以上に自分で自分の好みのデッキに仕上げられたことに感動を覚えた。
しかもこれ優勝したcs開催の1時間前にふと思いついた構築

実際のGCSでは思いつきもしなかったバイヴカハの採用や、ミツェルフィーナ軸も結局結果を残し続けていることから、もちろんアマツ人形が絶対の正解なんてことはなく、
さまざまな人々の手によって改良される人形エルフは、プレイヤーの毛色も色濃く出ているようで本当にいいデッキだなと思う。
今からでも遅くないので、人形エルフをまだ触っていない人、やろう!めちゃくちゃ面白いの保証する!!

有料は来期人形についてちょっと語ります

来期人形エルフ


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