この恋は勘違いですか...? 前編 リメイク版
(21/10/27 公開作品)
?)じっ…
○)…
…最近視線を感じる…教室に入ってから帰るまでの授業中を除いた時間ほとんど視線を感じる…
あ、自己紹介まだでしたね、名前は○○、普通の高校2年生
この普通は本当に普通で、少し勉強ができるかなというくらいで総合的に見て中の中、あまり目立たない存在として平凡な人生を生きている…はずだった
高2に上がって3か月がたち、1年前と同じように平穏な日々を過ごしていたのだが…
?)じっ…
冒頭の通り視線を感じるのだ…相手というのも
女子)ねぇ?どうしたの?美玖
金)えっ?う、ううん!何でもないよ!
女子)そう?ボーっとしてたからさ
金)ごめんごめんっ、で、何だっけ?
…学年一の美女と噂の金村さんなのだ
正直何でなのかは身に覚えがない…勘違いだと良いのだがこの状態が半月以上続くとさすがに勘違いではないだろう…
そしてこの不確かな事態が確信となる日がついにやって来てしまう…
とある日の昼休み、弁当を食べ終えた僕はトイレに行き、教室に入りなおそうとしたとき
金)あ、あの…!
○)えっ?は、はい
廊下で後ろから金村さんに話しかけられる…
金)えっと…今日放課後って何かありますか?
○)いや…普通に帰ろうと思うけど…
金)じゃ、じゃあ!屋上への階段の踊り場に来てくれませんか?
○)う、うん、いいですけど…教室じゃだめですか?
金)えっと…なるべく人がいないところがいいので…
○)わ、分かりました
金)ありがとうございます!で、では!
というと一人教室に入っていく金村さん…
その結果、午後からの授業は期待で手につかなかった…ということはなかった
確かに金村さんは可愛いとは思うが接点もない人を好きになるとは僕には考えられなかったのだ
そして放課後になり、誰もいない階段の踊り場で一人突っ立っていた
○)…まだかな
金)タッタッタ…お待たせしました!
○)いえ、全然大丈夫ですよ
金)はぁはぁ…それで○○くんに話があって…はぁ
○)息整えてからで大丈夫ですから、深呼吸してください
金)やっぱり…ありがとうございます…ふぅ
○)やっぱり…?
金)…よしっ、ごめんなさい、時間取らせちゃって
○)いいですって、それで…話って…?
金)はい!実は…
○)…
金)私、○○くんの事が好きです!私と付き合ってください!
○)…え?えっと…
金)あ…ごめんなさい…迷惑ですよね…急にこんなこと言われても…
○)い、いや…とても嬉しいんですけど…確かに急ですしお聞きしたいことが…
金)な、何でしょう…
○)返事の前に質問するのもおかしな話ですけど…なんで僕のことを好きに…?
金)…え?
○)だって…あまりしゃべったこともないですし、接点もなかったので…
金)そうですよね、でも私は○○くんの優しい所を見て好きになったんです!
○)…優しい所?僕何も金村さんにしてあげた覚えないんですけど…それにそんな僕優しくないですし…
金)いやいや!優しいですよ!2年に上がりたての頃に○○さんの前で転んじゃった時、全然笑わず心配して手を差し伸べて起こしてくれたじゃないですか!
○)当たり前ですよ…誰も踏んでいく人なんていないでしょ…
金)先月なんて物落としちゃったときさっと拾ってくれたじゃないですか!
○)当たり前ですよ…誰も蹴り上げる人なんていないでしょ…
金)それにさっきも待たせちゃったのに息整える時間もくれたじゃないですか!
○)あの…さっきから当たり前のこと言われても…
金)ほら!こういうことを当たり前って言えるのは本当に優しいんですよ!
○)違うと思いますし…それにはじめの2つの覚えてないんですけど…
金)あ、やっぱり!
○)な、何がですか?
金)優しい人は普段から優しいからそういうことをしてもいちいち覚えてないのが普通なんですって!
○)へぇ…
金)だから○○くんは優しいんです!だから好きになったんです!
○)う~ん…
金)だ、だめかな…?
○)…だめというか…今日初めてちゃんと喋ったので…友達からとしてなら…
金)…うん…それでもいいけど私本当に○○くんのこと好きだからね?
○)それは本当に嬉しいんだけど…やっぱり僕は当たり前のことやってるだけで自分が優しいとは思えないです
金)そんなそんな…
○)それにそういう周りから見て当たり前のことをされて優しいと感じるような勘違いから始まる恋愛なんて続くとは思えないので…
金)勘違い…?
○)(あ…きついこと言っちゃった…)ご、ごめ
金)…させる(ボソッ)
○)え…?
金)絶対勘違いじゃないって認めさせてやるんだから~!タッタッタ…
○)…やばいことになったかな
…これから平凡な日々おかしな方向にいく気がします…いい方向か悪い方向かは分かりませんが…
to be continue…