アイドルの初恋って実らないものですか? #2 リメイク版
(21/9/17 公開作品)
菜)私の初恋の人です!
○)…え?
メ)えぇぇぇ!?
○)え…ちょっ菜緒ちゃん…?
菜)私決めてたんです、メンバーに○○さん紹介するなら初めに言おうって…
○)だからって…
メ)…
○)(現役アイドルなんだし、こんな場でこんな告白されたら絶対変な空気に…)
渡)そっかぁ…菜緒もそういう人いたんだねぇ
松)な~、感慨深いな~
○)…え?
宮)菜緒がそんなになるなんて、興味沸いてきちゃったなぁ
菜)えぇ…そうならんために言ったのに~…
金)愛萌には逆効果だったみたいだね~
加)愛萌だけじゃないと思うよ~
菜)え?
齊)こさかなを惚れさせるなんてよっぽどだからねぇ
彩)みんな興味沸くよ~
菜)うぅ…言わんかったらよかったぁ…
○)い、いや、ちょっと待ってください!
久)どうしましたか?
○)アイドルって恋愛禁止なんじゃ…
久)はい、禁止みたいなもんですよ?
○)じゃあなんで…
久)だって、付き合ってるわけじゃないですよ…ね?
○)そ、そりゃまぁこの前に十数年ぶりに会ったばかりですし…今の告白も全く知らなかったですし…
久)ならいいですよ、片想いなので
○)は、はぁ…
久)今後のお仕事の出来にもいい影響が出ることが多いですからね
○)そうなんですか?
久)収録でもそういう方が近くで見てくれていると頑張れますし、恋愛ドラマだとそういうのを経験しないといい演技が出来ないですからね
○)へぇ…
玲)まぁドラマなんて久美には関係のない話だけどねぇ
久)なんだと~!
齊)でも付き合うとなると…ね?
加)うん…私たちもそれなりの対応をしないといけないから…ね?
○)…
ガチャッ…
今)すまんすまん、長引いた!
菜)あ…
久)ヤバい!みんなとぼけて!
○)と、とぼける…?
メ)はい!ぽけ~…
今)…?どうだ?結構打ち解けたか?
○)は…はい…はは…
今)それなら良かった、でだ、○○くんの担当なんだが…
菜)え、私じゃないんですか?
今)もちろんそうなんだが、少ししたら金村にもついてもらおうと思ってる
金)えっ、私ですか?
今)あぁ、前にも言ったんだが人が足りなくてな…小坂とペアになることも多いし、忙しくなっても来るだろうしな
○)は、はぁ、わかりました
今)では、話はここまで、解散で
メ)は~い
今)○○くんはついてきてね、いろいろ紹介するよ
○)はい
今野さんについて行き、施設を紹介してもらい、同時に寮を紹介してもらった
○)さ、さすがソニー…こういうところはしっかりしている…
今)だろ?電化製品は自社ので揃ってるし、今日からでも全然住むことが出来ますね
○)そうですね
今)もちろん、今の居住地の兼ね合いもあるので住み始めるのはいつでもいいからね
○)はい!
その後は今までのアパートに住みつつマネージャーとして、そして社会人としての研修を行った
その間には親からの協力を得、アパートから荷物を少しずつ運び出し、何事もなく退去することが出来た
そして完全に寮に荷物を運びこみ、住み始めることになる日…
白)よし、今日はここまでね
○)ありがとうございました!
この方は白田さん、俺の教育係となった方だ
白)もう色々教え終わったから明日から本格的にマネージャー業務を行ってもらうよ
○)え、もうですか?
白)そう、出来るだけ自分もサポートするから頑張ってね
○)わ、分かりました
白)それと、はい
○)え、これは
白)鍵、今日から本格的に住み始めるんでしょ?
○)はい、そうです
白)だから君が住む部屋の正式な鍵だよ
○)ありがとうございます!
白)小坂のスケジュールは渡してるから、頼んだよ
○)分かりました
白)じゃあ早く帰った方が良いと思うよ
○)…え?はい…
最後に言われた言葉はよく分からなかったが新しい居住地へと向かう
○)…よしっ
ガチャッ…
意気揚々と鍵を開けドアを開けようとする…が
○)…ん?開かない…
白田さん…開けっ放しで出ていったのか?だから早く帰れと?
ガチャッ…
もう一度鍵を開け、ドアを開けると
パァーン!
○)うおっ!
メ)○○さん、おかえりなさい!
そこには菜緒を含めた複数人のメンバーがいた
○)た…ただいま
菜)ささ、座ってください!
○)う、うん…じゃなくて!何でいるの!
渡)○○さんの入居祝いにと思って
金)あと交流会も含めましてね
好)前は全く話せませんでしたからね
菜)ということで今集まれるメンバーを集めてきました!
○)ごめんね、みなさん忙しいのに
渡)大丈夫ですよ!
金)○○さんはお酒飲みます?
○)いや、皆さんと同じでいいですよ
好)分かりました!
菜)では○○さんの入居と研修終了を祝って~…
メ)かんぱ~い!
○)ありがとうございます!
――
金)菜緒の小学生の頃ってどんな感じだったんですか?
○)1年生のころしか知らないけど、人見知りだったよね
渡)今と変わんないね~
○)でも心開いた人にはべったりだったね
好)やっぱり変わらんな~
○)かなり時間はかかるけどね
金)ということは、菜緒もべったりだったんですか?
菜)あぁ!言わなくていいですからね!?
○)お、おう…
金)いい所だったのに~
好)まぁ大体わかったけどなぁ
渡)じゃあ菜緒に聞くけど、○○さんはどんな感じだったの?
菜)○○さんはほんまに優しくて誰にでも平等で生徒会長やっててん!
渡)凄いじゃないですか!
○)まぁ本当は副会長だけどね、トップの補佐をする方が性に合ってたからね
菜)そうでしたっけ?
○)当人の俺が言ってんだから…
菜)まあええか
○)何がだろう…
菜)でな?スポーツ出来て勉強も出来ててん!
金)凄いですね~
○)普通に恥ずかしいんだけど…
菜)それで中高一貫の私立に行ったっていうの知ったから頑張って勉強したんやけどなぁ…
渡)ダメだったんだね…
菜)え、何で分かったん?
渡)文脈からしてそうでしょ…
好)でも小1のころから○○さんと同じ進路に行こうとしたなんてほんまに好きやってんなぁ
菜)うぅ…恥ずかしい…
渡)まぁ受かってたとしても一緒の学校になるのは1年間だけだけどね
金)そういうこと言わないの~
○)あの…ちょっといいですか?
好)はい?
○)…実はスポーツ推薦でこっちの高校に来ていたから、受かっていたとしても会えなかったと…
菜)…
渡)…それこそ今言うべき事じゃないですよね…
○)ごめん…
金)ま、まぁ今こうやって再会できたんだし
好)だよね!これこそ運命だよ!
菜)う、うん!…あ!
○)どうしたの?
菜)もう関西弁ってもう話さないんですか?
○)いや、関西の人とだったら全然話すよ~
菜)じゃあ私と話すとき関西弁で喋ってくれませんか?昔みたいに
○)うん、分かった、その代わり…
菜)?なんですか?
○)菜緒ちゃんも敬語やめてくれない?昔みたいに
菜)いいんですか?
○)もちろん、じゃないと関西弁になり切ることが出来なさそうだから
菜)うん、分かった!
金)いいなぁ
渡)私たちは関西弁じゃないんですかぁ?
○)関西の人じゃないから咄嗟の出来事じゃない限り関西弁出ないだろうね~
好)じゃあ私は可能性ありますね~
○)そうだね~、敬語が取れたらね~
好)…それは厳しい…
菜)やっぱりこれは菜緒の特典やなぁ
○)そうかもな
渡)さっきの誰にでも平等っていう話が違う!
好)まぁこればっかりは仕方ないかもな~
金)でもどっちも使いこなせるの羨ましいなぁ
渡)ということは両生類ですね
○)違うと思う…
好)じゃあウチも両生類やな~
○)うん…絶対違うと思う…
金)私のマネージャーでもあるんですからいつか私にも使ってくださいね?
○)まぁいつかね
菜)今特典って言ったばかりやのに~…
○)大人は変わり身が早いんだよ
菜)恐~…
渡)まぁまぁ笑
その後は五人仲良く会話をし、親睦を深めた…
渡)じゃあそろそろ帰りますか!
好)やな~
○)送って行きましょうか?
渡)大丈夫ですよ~
金)○○さん、改めてこれからよろしくお願いしますね!
○)はい、よろしくお願いします!
菜)ほな、菜緒はまた明日やな
○)そやな、朝迎えに行くわ
菜)りょうか~い
好)ついに明日から初仕事ですね~
渡)緊張して眠れないんじゃないですか~?
○)大丈夫だよ
菜)寝坊せんといてな?
○)大丈夫やって
金)じゃあ頑張ってくださいね
○)ありがとね
金)えへっ
菜)ほなな~
○)はいよ~
ガチャッ…
○)…これから…始まるのか
菜緒ちゃんと再会してからわずか1か月で一気に生活が変わった…これはすべて彼女のおかげだ…
ベッドに入った俺はかつて菜緒ちゃんと遊んだ日々を振り返りながら眠りについた…
to be continue…