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就活生は人事部と恋愛してはダメです!...よね? #7 リメイク版

(21/10/5 公開作品)

面接から一週間弱…彼女に合否の連絡は未だ来ていなかった

加)はぁ…

あれから大学と元々入れていたバイト以外には外に出ることがなくなっていた

もちろん〇〇とは一切会わなくなっていた

加)就活…どうしようか…

前回の面接以前に受けていた会社で一つ内々定をもらっており志望度も高い方の会社なため、このまま就活を続けようか終えようか悩んでいた

もちろん○○の会社は落ちたものと諦めていた

加)…なんかもうやる気起きないな…もういいや…精神に堪えるし…もう就活はいっか…

加)…何のために頑張ってたんだっけ…グスッ…

涙を拭き、内々定をもらっていた会社に電話を入れようとしたとき…

Prrr…

加)うおっ!…誰だろ…?

初めて見る番号に戸惑うも、一呼吸を置き電話に出た

加)もしもし、加藤です

?)お忙しいところおそれいります。○○株式会社の採用担当上司です。採用面接の件で連絡いたしました。今、電話していて大丈夫でしょうか?

加)うえっ!?は、はい、大丈夫です!

上司)先日は当社の一次面接を受けていただきありがとうございました。社内で検討した結果、是非加藤様に次の選考に進んでいただきたいと思います

加)え…え?本当ですか?

上司)はい

加)あ、ありがとうございます!

上司)連絡が遅くなり申し訳ございません。つきましては、次の面接日時を調整したいのですが、来週以降で都合がいい日時はございますか。

加)あ、はい!来週以降であれば

上司)ありがとうございます、それでは来週の金曜日の13時からははいかがでしょうか?

加)大丈夫です!

上司)では、その時間に以前と同じ場所までお越しください。

加)承知しました!

上司)詳細は追ってメールで連絡いたします。それでは失礼します。

加)はい!ありがとうございます!

ピッ

加)…え、噓噓噓…通過しちゃった…

まさかの連絡に驚き、先ほどとは意味の異なる涙を流してしまう

加)グスッ…なんでだろ…トテトテ…

頭の整理が出来ていないままふらふらとさまよい、いつの間にか○○の部屋のドア前に立っていた

無論、○○に会いたい…そして謝りたいという想いに突き動かされたものであろう

ピンポーン

加)…

しばらく待っていたが○○は出てこない…

加)…あ、○○さん仕事か

今日は平日、かつ現在正午過ぎなので普通はいない

加)…また出直すか…

その時はそんな軽い考えだった…

その日バイトだった彼女はまかないを持って○○の部屋を訪れようとしたが

加)…電気がついていない…?帰ってきていないのかな?

一度自身の部屋に戻り、結構な時間がたった後訪れたが

加)…いないの?

○○の部屋から人の気配が全くなかった…

その日は諦め、また訪れようとしたが…それから○○は帰ってこなかった…

その間に彼女は二次選考、三次選考をあれよあれよと通過し、最終選考までこぎつけた

加)ここは一次選考で決まるってあったけど、本当だったのかな…

そしてその言葉通り、1週間後…

上司)社内で検討した結果、是非加藤様に御社で働いていただきたいと思います

加)ほ、本当ですか!ありがとうございます!

彼女は無事第一志望の採用を受け取ることが出来た

そしてその後雑談があり、その中で…

上司)いやぁ、加藤さんがこんなに良い方だったとは、本当に採用して良かったよ、一次面接のときの○○に感謝だな

加)え…?○○さん?

上司)そうそう、最後に加藤さんに質問した子、もう言っちゃいますけど正直あの時では当落線上ギリギリだったんですけどね、○○の質問に必死に答えようとする加藤さんを見てこの子は通そうって思えたんですよ

加)そ、そうだったんですか?

上司)えぇ、○○の質問の前までは動機も立派でしっかり受け答えを出来てはいるが機械っぽく感じて本当に入社したいのかが分からなかったんです

加)…

上司)だから○○の質問があったから、加藤さんが人間味があって本気で入社したいというのが伝わってきたんですよ

加)そうだったんですか

上司)ええ、もし入社後に○○に会えたらお礼言ってもいいかもね笑

加)は、はい

上司)まぁ冗談は良いとして、近々内定承諾書をお送りいたしますので、入社意志がございましたら弊社に今一度お送り願います

加)はい、かしこまりました

上司)それでは内定式にお会いできるのを楽しみにしております。

加)はい!

上司)それでは失礼します。

加)失礼いたします!

ピッ

電話を切った後、加藤さんが思ったものは合格したという嬉しさより、○○に会いたいというものだった

でも今隣にはしばらく誰もいない、そんな虚無感と悲しみ、そして合格したという喜びから緊張の糸が切れるかのように睡魔に襲われ眠ってしまう…

――

加)…ん?もうこんな時間…?

気付けば夜になっていた

加)あ…ごみ出さなきゃ…

今日は可燃ごみの日なのでゴミ捨て場にごみを持って向かう

加)よいしょっと…

1㎏もないごみを運び、戻ろうと後ろを振り向こうとしたとき

カツコツ…

後ろから人影が近づいてきたので、振り返るとそこに立っていたのは…

加)○…○○さん…

○)あ、ど、どうも…

加)うっ…うっ…

○)え、え?だ、大丈夫ですか?

加)うわぁ~!ギュッ!

○)うおっふ!ど、どうしたんですか

加)会いたかったですよ~○○さ~ん!

○)ちょ、ここ外だから…

加)ごめんなさい、あの時ひどいこと言ってごめんなさい!

○)…

加)私、何も知らなくて…ついあんなことを…

○)全然いいよ、普通は俺のせいで落とされたって思いますよ

加)うぅ…

○)…

とりあえず泣きじゃくる加藤さんを家に上げ、治まるまで抱きしめていた…

加)…っふぅ

○)…大丈夫?

加)はい…なんとか…あ、シャツが…

○)いいよそれくらい

加)ごめんなさい…でもそれくらい会えてうれしくて安心して…

○)そっか…

加)どうして最近家にいなかったんですか?

○)いやぁ、大阪支社の一次面接に呼ばれちゃって…なのでずっと大阪のホテルにいたんですよ

加)そ、そうだったんですか

○)あ、そういえば、面接どうでした?

加)え?結果知らないんですか?

○)はい…一次は通すっていうのは知ってるんですけどそれ以降は知らなくて、まぁでもこうして会いに来てくれるって時点で大体わかりますけどね

加)はい!無事合格しました!

○)よかったね!

加)はい!ほんと○○さんのおかげです!ありがとうございます!

○)俺は別に何も

加)いやいやこれは本当に○○さんのおかげですよ

○)う~ん…

加)…大好きです

○)え?

加)前にひどいこと言っちゃって許してもらえないと思いますけど…それでもやっぱり私、○○さんの事大好きです…

○)…嬉しいよ、ありがとう

加)○○さんは…?

○)…正直初めはおかしな子だと思ってた、急に一目惚れって言ってくるし、夜中に押しかけてくるし、朝早くから待ち伏せしてるし…

加)…

○)でも少しだけだけど一緒にいたときはものすごく楽しかったし、一生懸命頑張ってる加藤さん見てしっかりしてる子だなと思った

加)…

○)そしていつの間にか俺も加藤さんのことが好きになってた、だから俺と付き合ってください

加)グスッ…もちろんお願いします、ギュッ

○)はは、結局初めの約束通りになっちゃいましたね

加)ですね

○)たださ、内定式とか入社後すぐには言わないでくださいね?白い目で見られそうなので

加)どうしよっかなぁ~!

○)ちょっと!

加)えへへ

紆余曲折あり、加藤さんは無事合格し、ついに二人は付き合うことに

愛する○○に抱きしめられ頑張ってよかったと思う加藤さん…そして満面の笑みを見せてくれる加藤さんをまた見れただけで本当に良かったと思う○○だった…

to be continue…