就活生は人事部と恋愛してはダメです!...よね? #4 リメイク版
(21/9/25 公開作品)
あれから俺は様々な大学や会場に出向き、上司と共に説明会を行った
さらに3月下旬からは年始からエントリーしてくれた人のES審査や面接を開始した
…経団連?…就活ルール?…何それ?
…とにかく、その結果忙しくなり平日は家でゆっくりする暇がなくなってしまった
そして加藤さんもその雰囲気を察してか、単に忙しいだけか家に訪問してくることがなくなった
そして社会人2年目になる4月――
○)ふぃ~
今日は休日、羽を伸ばしてゆっくり出来
ピンポーン…
○)ん?誰だろ…スタスタ…
覗き穴を覗くと…
加)ソワソワ…
加藤さんが挙動不審に立っていた
ガチャッ…
○)加藤さん、どうしたんですか?
加)ちょ、ちょっとお話ししたいなぁ…なんて
○)お。おぅ…急ですね…いいですよ、どうぞ
加)いいんですか?ありがとうございます!
以前のように加藤さんを家に上げ、お茶を出す
○)どうぞ、コトッ
加)あ、ありがとうございます
○)どうしたんですか、急にかしこまっちゃって
加)えっと、久しぶりだから緊張しちゃって…
○)普通に家来てくれてもよかったのに…
加)○○さん忙しそうでしたし…私も忙しくなっちゃって…
○)そうなんですか…就活でですか?
加)はい、色んな会社さん見たり、○○さんに言われた通り対策色々考えたりと…後、研究の構想発表があってその準備とか…
○)そっか…
加)でも発表も終わってある程度落ち着いたので○○さんの顔見たいなぁ…と
○)あ、ありがとうございます…
加)○○さん…少し疲れてませんか?
○)まぁ色んな所に行ったり、たくさんES見たりして選考しないといけないのでね
加)そうですよね…
○)でも加藤さん来てくれて嬉しいですよ
加)え!本当ですか!
○)急にテンション以前に戻りましたね…
加)だって○○さんからそんなこと言ってくれるとは思わなかったので…
○)どんな人に見えてるんですか…
加)…あ!
○)うおっ!びっくりした…どうしたんですか?
加)友達に聞いたんですけど、○○さんの会社の選考って1次選考が一番難しいって!
○)あぁ…そういうのはあまり言えないんですけど…
加)就活評判サイトにも…ほら!
○)お、懐かしいですねそれ、見せてもらっていいですか?
加)あ、はい、どうぞ
○)懐かしいなぁ、俺もこれ使ってたなぁ…
加)へぇ…じゃなくて!
○)ん?
加)○○さん言ってたじゃないですか?一次面接は見るかもしれないって…
○)そうですね…日程によって見るときがあるっていう感じですね…
加)なるほど…一次ではどこを見てるんですか?
○)それはさすがに言えませんよ、そのサイトの通過状況は結構合ってますけど
加)やっぱりそうなんですか…
○)そんな思いつめなくても、リラックスしてください
加)い、いえ!やっぱり勝負所が早い位置にあると思うと緊張しますよ…
○)勝負所って…そんなに志望してくれてるんですね
加)当たり前じゃないですか!第一志望なので!
○)そういや言ってましたね
加)…信じてませんね?
○)そりゃ人事の人の前では第一志望って言うでしょ、俺もそうだったし
加)これは本音ですよ~!
○)ESと面接のとき楽しみにしてる笑
加)むぅ…というか○○さんも嘘ついてたんですね
○)建前って言ってくれません?
加)意味一緒じゃないですか?
○)全然違いますから笑
加)○○さんのときは就活大変でした?
○)俺のときは――
それから俺の就活時の話をする事に…
加)…やっぱり○○さんでも苦労するんですね…
○)でも周りもそんな感じだったから気にせずやってましたよ
加)そういうもんなんですね…
○)それにそういう経験もあったから第一志望に受かること出来たし
加)なるほど、やっぱり経験は大事なんですね
○)うん、あ、お茶おかわりいる?
加)すみません、お願いします
○)そんなにかしこまらなくても笑、よいしょ…ふらっ…おっと
加)あ!大丈夫ですか!?
○)ごめんごめん、ちょっと立ち眩みが…
加)お茶は大丈夫ですので、ゆっくり座っていてください!
○)ごめん、ありがとうね…
加)…やっぱり疲れて…
○)フフッ、そんな心配そうな顔しないでくださいよ、これくらいなら少し安静にしてれば普通に治りますよ
加)…スッ、ギュッ…
○)え?加藤さん?
加)…私のことも少しは頼ってください…ただの学生で社会の事なんかほとんど分からないですけど、そばにいて話を聞くことぐらいはできますから…
○)…うん、ありがとうね
加)いえ…
○)なんか…情けないな…
加)どうしてですか…人間誰しも弱い部分あるんですからこれくらい普通ですよ
○)ただの立ち眩みなのでそんなでかい話でもないと思いますけど…ありがとね…
加)へへ…
それから長い時間加藤さんに寄り添い続けることになり、いつの間にか二人して寝てしまっていた…
加)…さん、○○さん
○)…え?加藤さん?
加)もう、日が暮れましたよ?
○)…もうそんな時間か…
加)○○さん、今日の夕食決まってますか?
○)食材はあるけど、何つくるかはまだ決まってない
加)そうなんですか、じゃあ私作ってもいいですか?
○)え、別にいいのに…
加)だめです、今日はゆっくりしていてください!
○)何から何までありがとうございます、加藤さんも忙しいって言ってたのに…
加)いいですよ~、私はひと段落しているので
○)そっか…
加)冷蔵庫の中とか見てもいいですか?
○)もちろんいいですよ
加)♪~
キッチンに向かった加藤さんは自分の家かの様に手際よく料理をしてくれた
○・加)いただきます!
○)あ…む、ん!美味しいです!
加)ほんとですか!?嬉しぃぃ!
○)結構料理してるんですね
加)してますよ~、一人暮らしなので!
○)ちょっとイメージと違ったからびっくりした笑
加)何でですか~!
○)はははっ
――
○)今日はありがとうございました
加)いえ、こちらこそお役に立てて良かったです、一緒にお食事できたのも嬉しかったですし
○)約束してましたもんね
加)はい!
○)就活ここからも大変だと思いますけど、頑張ってくださいね
加)ありがとうございます!○○さんも頑張ってください!
○)はい、何かあれば頼ってくださいね
加)こっちのセリフです!
○)ふふ、じゃあまたね
加)はい!またです!
ガチャッ…
○)また月曜から頑張るか!
to be continue…