アイドルの初恋って実らないものですか? #10 リメイク版
(21/10/12 公開作品)
ピピピッ
○)…ん?
左東を追い返した翌朝、数時間の睡眠だったが目覚ましに叩き起こされる、そして腕の中には…
菜)スースー…
○)…菜緒ちゃん?朝やで?
菜)ん…?○○さんがいる…
○)そりゃいるよ、菜緒ちゃんのお願いなんだし
菜)○○さ~ん…ぎゅ~
○)分かったから、早く起き?
菜)ん~…もうちょっとだけぇ…
○)…十秒だけな
菜)…短すぎひん?
○)これでも大サービスや
菜)むぅ…ギュッ
○)はい、終わり、起き?
菜)ぶぅ…でも幸せやわぁ…○○さんに起こしてもらえるやなんて
○)そんな大袈裟な…
菜)大袈裟ちゃうよ~、10数年来の夢やってんで?
○)…うん、やっぱり大袈裟やわ
菜)ちゃうって~
○)朝飯つくるけど食べるよな?
菜)当たり前や~ん
○)はいよ
菜緒ちゃんを起こして、朝ごはんを作り一緒に食べる
○)おいしい?
菜)うん!めっちゃ美味い!
○)よかったわ
菜)今日は昼からの仕事だけ?
○)そうやで
菜)何時ごろ家出る?
○)もう俺の準備が出来次第出たいかな、菜緒ちゃんを一旦家に送ってから金村さん迎えに行かなあかんから
菜)はよ行き過ぎても美玖に迷惑かかるんちゃうん?
○)時間まで車におるし
菜)良かったら菜緒ん家で待つ?
○)ええん?
菜)もちろん!
○)じゃあお言葉に甘えようかな
そして食べ終え、着替えた後まずは菜緒ちゃんの身支度をするために一旦菜緒ちゃんの家に向かう
○)お邪魔します
菜)はいよ~、着替えるから覗かんといてな~?
○)はいよ、ていうかそんな心配するんやったら家に上げんなよ笑
菜)てへっ
○)なんやそれ…
菜緒ちゃんが身支度をしている間、少しゆっくりさせてもらい…
○)菜緒ちゃん?
菜)ん~?覗いてへんか~?
○)覗かんわ、そろそろ時間やから先金村さん迎えに行くわ
菜)はいよ~、いってらっしゃ~い
菜緒ちゃんに送り出してもらい、金村さんを迎えに行く
ピンポーン
○)…
ガチャッ…
金)おはようございます!○○さん!
○)うん、おはよ、じゃあ行きましょうか
金)はい!
金村さんを車に乗せ、もう一度菜緒ちゃんの家に戻る…のだが
金)スンスン…
○)…あなた匂い嗅ぐの好きね
金)いや…なんか…菜緒の匂いが強い…
○)…気のせいじゃないですか?
金)いや!絶対気のせいじゃないです!菜緒に何したんですか~!
○)...何もしてないですって
金)むぅ…こうなったら菜緒に尋問だなぁ…
○)またか…
金)○○さんが教えてくれないからですよ~?反省してください!
○)何をだろ…
そんなこんなで菜緒ちゃんの家に向かうと、家の前で準備満タンの菜緒ちゃんが待ってくれていた
ガラララ
菜)おはよ~、美玖~
金)お?おはよ~!
○)ごめんな、待たせてもうたな
菜)全然ええよ~、菜緒が往復時間読み違えただけやから
金)往復時間を読み違えた?
○)…菜緒ちゃん?
菜)…今日も元気にやってこ~!
金)いやいや、ごまかせれないからねっ!?
菜)あちゃ~
○)…確信犯やろ…
結局問いただされ、ストーカーのことは言わなかったが昨夜に大変な事があり、夜が遅かったので泊まったことを言ったら納得してくれた
そしてこの日の仕事も無事終え、まずは金村さんを送る
○)荷物ここでいいですか?
金)はい、ありがとうございます!
○)うん、今日もお疲れ様でした
金)ありがとうございます!じゃあ…
○)…ご褒美?
金)そうで~す!よく分かりましたね!
○)いつもの事じゃないですか…今日は何ですか?
金)今日は普通にハグで大丈夫です!菜緒を待たせちゃうので
○)ハグが普通なのもおかしいんですけどね…じゃあはい
金)えへへ、テッテッテ…ギュッ…
普段なら抱きしめてる間は黙っているのだが、今日は…
金)…ありがとうございます
○)…どうしたんですか、急に
金)昨日の件、何かは分からないですけど、結構大変だったんでしょ?
○)…何でですか?
金)何となくですけど今日の菜緒の表情を見て分かりました
○)…
金)本当に菜緒は○○さんのこと信用してるし好きだと思うんです
○)…うん
金)だから…これからも菜緒の事守ってあげてくださいね?
○)分かってますよ
金)でも私の事も見ててくださいね?私の専属マネージャーでもあるんですからね?
○)分かってますよ
金)よしっ、じゃあまた明日ですね
○)ですね、それでは
金)はい!
ガチャッ…
金)…私も菜緒と同じくらい○○さんのこと好きなのにな…
金村さんの言葉を背に、車に戻った俺は菜緒ちゃんを送ることに
○)よいしょっと
菜)いつもありがとうな
○)全然ええよ
菜)…あのさ?
○)ん?
菜)…昨日菜緒言ってたこと覚えてる?
○)...どれ?
菜)○○さんの事大好きって…
○)あぁ…うん、覚えてる
菜)その…○○さんの事大好きってのは事実やけど…アイドルもあるから今は恋愛は抑えていきたい…
○)うん…
菜)でも菜緒が卒業したときに、もし○○さんが何もなかったらその後も一緒にいてくれませんか…?
○)え…?
菜)もちろん待っててとかそんな厚かましいことは言えへんけど…それでも卒業したときに何もなければ連絡してほしい…
○)…うん、分かった
菜)え…?ええん?
○)うん、連絡するだけやろ?ってか菜緒ちゃんが卒業するまで待ってるし
菜)いつになるか分からへんけど…ええ?
○)うん、全然ええよ、10年後でも待ってる
菜)え~、10年後って言ったら菜緒20代やん!
○)おたくあと一年で20代やんか
菜)言わんといてぇなぁ
○)そんなんツッコんでまうわ、何を如何にも遠い話にしようとしてんねん
菜)でも間違ってはないやろ?
○)そうやけどその頃にはもうすぐ30代やん
菜)だぁ~、もう言わんでええわ~
○)でも…いつまでも待つよ、逆に菜緒ちゃんがいい人見つけるかもしれんけど
菜)今朝言ったやろ?○○さんと色んなことをするのが10数年来の夢やって、やからこれからも○○さん一途やから心配せんといて?
○)どうやろか、芸能界なんて俺よりカッコイイ人いっぱいおるし
菜)むぅ…ほな証明したる
○)…どうやっん!?
セリフを言いきる前に口をふさがれた…
菜)…っぷはっ…どうや?
○)どうって言われても…
菜)まぁええわ、今一途ってだけでも伝えれたら十分や
○)うん、それはめっちゃ伝わってきた
菜)えへへ、これからよろしくな?
○)うん、こちらこそ
そう言ってまた唇を合わせる…
彼らの物語はまだ始まったばかり…輝かしい未来に向かって二人はまた歩み進める…
Fin.