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【「いまを生きる」ということ】〜『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム』~

『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム』

現地で彼女たちのパフォーマンスを受け止めてから、その感情を整理するのにかなり長い時間がかかりました。

前回の東京ドーム(2nd TOUR 2022 “As you know?”東京公演)でのライブ。私は両日現地にいましたが、あのときライブを観たあとに湧き上がってきたのは、「悔しい」という思いでした。本編が終わりメンバーの姿が消えたあと、会場は緑色の光に包まれました。あの2日間は菅井友香さんにとって最後のライブで、欅坂の楽曲もパフォーマンスするだろうと薄々気づいてはいたものの、あの光景は「桜色に染まった東京ドームの景色をメンバーに見せてあげたい。そうやって感謝を伝えたい」と思っていた私にとって受け入れがたいものがありました。

あれから1年半。「櫻坂!46!」の大歓声とともに揺れていたペンライトは、桜色でした。会場にいる人みんなが櫻坂の楽曲、パフォーマンスを求めていたあの光景。一面に広がるこの桜色の海に、一生溺れていたいと思いました。あの気持ちをうまく言葉にすることはできませんが、間違いなく「幸せ」でした。櫻坂、ありがとう。

ここからは、とくに印象に残った2つの楽曲への想いを書きます(随時書き足したいです)。

~『何歳の頃に戻りたいのか?』~

1年半ぶりとなる東京ドーム公演は、過去ではなく「いま」を生きることの大切さに目を向けさせてくれるこの楽曲で幕を開けました。特異な過去をもつ彼女たちが、その過去に甘えることも怯えることもない、という意思表示のようにも感じました。

歓喜と熱狂に包まれた会場で、彼女たちはある意味「いつも通り」のパフォーマンスを見せてくれました。彼女たちが何よりもパフォーマンスを大事にしていて、自分自身の「いま」にベクトルを向けて努力してきたからこそ、あの大舞台でもそれができたのだと思います。

全員が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたが、とくに印象に残ったのが、谷口愛季ちゃんです。

『自分は特技がある訳でもなく、全て平均点の人間だなって思うことばかり(谷口 愛季公式ブログ | 櫻坂46公式サイト (sakurazaka46.com))』と、人一倍向上心をもつがゆえの苦悩も抱える彼女でしたが、9枚目シングルに向けた活動に取り組むなかで何かきっかけがあったのか、堂々としたパフォーマンスを見せてくれました。夢や希望、祈りを載せた小さくて頼もしい背中に目を奪われたあの感覚を、忘れられません。



~『静寂の暴力』~

音と光が消えた世界。そこにたしかに存在していた三期生11人は、冷え切った異様な世界をあたためようとする炎のようでした。限りある尊いエネルギーを削りながら、暗く冷たい場所で埋もれている私たちに希望を与えてくれるそのパフォーマンスは、私たちファンとメンバーとの関係性にも通ずるように感じました。一方通行でなくお互いが気持ちを伝え合うことのできる世界は、当たり前のようで当たり前ではないと感じた瞬間でもありました。

「喋りたい願望を捨てて 沈黙を愛せるか?」の前に訪れた長い沈黙。一人ひとりの表情がモニターに映し出されていました。愛、怒り、哀れみ、決意、諦め、そのいずれにも当てはまらないような表情の彼女たちを、私はひたすら見守ることしかできず、「思考を停止」させられた感覚でした。11人それぞれの解釈が邪魔しあうことなく、「楽曲を伝える」というひとつの目的に向かって表現するあの時間。かけがえのないものでした。


最後にひとつ、私の推しメンである小田倉麗奈ちゃんについても書きたいと思います。

人の生き方を無理に肯定することも否定することもせず、ただ一緒に生きようと思わせてくれる彼女が、ほんの少しだけ私の人生に光を与えてくれています。

ミーグリで私の話を優しく頷きながら聞いてくれる彼女。それに対して優しいことばを返してくれる彼女。トークアプリやブログを通して、ていねいに切り取った素敵な日々を共有してくれる彼女。時折変なダジャレを言う彼女。ステージから客席にいる私たちと感情を共有してくれる彼女。すべてが同一人物で、同じ温度をもっているんです。

だから私は、ライブのことを彼女の生き方が楽曲を介して可視化される機会だと捉えています。何よりも正直な彼女のパフォーマンスに、あの日も目を奪われました。




「自分もまだ生きていていいんだ」と思わせてくれる彼女に、時間をかけて恩返しできたらいいな。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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