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これは王国のかぎ NEWS NEVERLAND


アルバムに入っていたかぎはNEVERLANDという王国へのかぎだった……。
ミスターインポッシブルの語りに導かれて、扉が開く。ようこそNEVERLANDの世界へ。

この世界へは、Jr.が運転する999で誘われる。車掌姿で現れた彼らが中央のステージを取り囲んで、そこから4人が登場する。

表題曲の彼らは世界を背負って立っていた。まるで戦いを終えた戦士のように。小山さんは警棒のようなもの?シゲアキさんは旗、手越さんは炎の出るトーチのようなもの、増田さんは刀2本。圧倒的な強さで迫ってくる世界に感動しかない。”sound with the love magic ray fire water dance” に合わせて、光と水と炎が4人の頭上に降り注ぐ。まさに魔法の力。

NEWSのイメージって儚いとかエモいとか青春とかファンシーとかふわふわしたものが多かったのに、今回始まって早々に圧倒的な力強さを見せつけられておののきました。。

1st element 「Ray」by  Shigeaki Kato.

シゲアキさんの「あやめ」CDで聴いた時も、シゲアキさんの歴代ソロの中で1位2位を争うレベルの好きさだったので期待していたら……。綺麗な青年が革命を起こして空に虹が架かったというどこかの神話かというレベルの完成された世界観。白くてゆったりとした衣装に身をつつみ、光の演出にキラキラと光る汗と濡れた瞳。虹を歩くという歌詞をセットで体現するというセンスに脱帽すると同時に、旗をはためかせながらステージ上を駆け上がる姿にため息しか出なかった。そして、喉を痛めていた名古屋の歌は魂の叫びのように鬼気迫るものがあり、なんとも言えない気持ちがこみ上げてくる。歌ってすごいなぁってシゲアキさんの声で実感したよ。ありがとう。救いの手をさしのべてくれるそんな歌でした。

そこからたたみかけるような光の演出の数々。Brightestのレーザーがゴリゴリなのに、曲がとてもシャレオツで優しいからNEWS色に染まっていました。m-floさんありがとう。そこからのシリウス。素敵な並びだった。

2nd element 「Water」by Keiichiro Koyama.

「ニャン太」というシンプルなタイトル。そしてこの曲のタイトルがアルバムに収録されると分かってから程なくして、小山さんから伝えられた「ニャン太」のこと。19年間の日々を振り返りながら目を瞑ってマイクを握りしめて歌う小山さんのバックに映るニャン太の姿。まっすぐな気持ちがダイレクトに伝わってくる歌詞でした。

このステージのテーマは水であり涙。そこからたたみかけるように、恋愛での涙、挫折から這い上がる涙、と続きます。

個人的にはORIHIMEのJr.のダンスがとても好きだった。和風の衣装を身に纏って、二人一組で織り姫と彦星を演じる。中央で踊っている冨岡君と新藤君が美しくてね。最後彼らを引き裂くようにセンターステージがせり上がって壁になるところが切なくて切なくて。物語をみているようだった。

3rd element 「Sound」by Takahisa Masuda.

「FOREVER MINE」昔から何度となく聴いたことのある山下達郎さんの名曲。初めて踊らないソロ曲をカバー曲で披露することに覚悟が見えた。CDで聴くのと生で聴くのとは全然違う。福岡では恐らくほとんどイヤモニが機能していなかったのか、情感込めて歌いながらも、手はずっとイヤモニを指差していてプロ怖かった。もともとこの曲は許されない愛を描いているにもかかわらず、増田さんの声は純粋無垢で。ある意味知らないで罪を犯している一番駄目なパターンを想像させるものだったのだけれども。あるフォロワーさんが「不毛な恋愛は辞めて俺の方がいいよという救済の歌のように聞こえました」と言われてから、改めてステージ上で聴くと私には「もう苦しまなくていいんだよ。俺もいるから。という許しの歌」のように聞こえた。圧巻の一言でした。

このゆったりとした大人の歌から、Silent Loveって素敵すぎた。ダンスも独特で、緩急つける振り付けの増田さんに釘付け。私は「朝靄に煙る街角 それぞれの明日を迎えた」というシゲアキさんの歌声にピアノの音がポロンと鳴るのが美しくて好きで、それが聴けたのが嬉しかったのと同時に、増田さんの低音ラップが痺れた。モニターのモノクロの演出も素敵で。こんな歌をもっと歌って欲しい。

そして、さくらガール。ここ数年で一番真摯なさくらガールだった。指先に儚さが灯る増田さんのダンスがとても好きです。花びらが散っていく様子が手に取るように分かる。ここら辺で涙が出そうになった。あの時にはもう戻れないけれども、あの時と変わらない儚さがここにはあるんだって感じられたから。

4th element 「Fire」by Yuya Tegoshi.

手越さんが今までで一番楽しそうに歌っていて嬉しさを感じた。と同時にこの人の怪物感を改めて実感できた「I'm coming」あのベッドに仰向けで寝っ転がりながら歌えるのって化け物だよね。そして雄感ではなく女豹みを感じました。照明の使い方も上手かったな~。あれだけシャウトしてからかっこよく次のBLACK FIREの歌い出しを歌うの聴いてあっぱれとしかいいようがない。

そのBLACK FIREはテゴシゲのためにある曲と言っても過言ではないぐらい声質がロック向きの二人。それに対して、恐らくピッチ的にぎりぎりなコヤマス。しかし、良く歌えてたな~。今までアイドルロックだったのが、今回はデスメタルチックで痺れました。特効も派手で素晴らしい。

エンドロールである流れ星、NEVERLANDの世界観から少しずつ現実に戻る時。涙、光、夢、未来。これからの道しるべとなる星に願いを込めて。彼ら自身が乗ったクレーンのリフトがキラキラ光って、その上に立つ4人が星なのではないかというような錯覚に陥る。嗚呼、きっと私は星を観に来ているのだなぁと感慨深くなったものです。そうして彼らは999に乗って銀河へと帰って行く。


そして、アンコール。彼らが俯きながら出てきたステージの上で、決意のメロディーが流れ始める。「U R not alone」私はこの曲の冒頭の増田さんがとても好き。「拝啓あの日の僕へ 今はココで立っています 誰かに笑われた夢を 今もココで見続けてます」この歌詞を聴くと、私は5年かけてやっと夢のスタートラインに立てたことと重ねてしまう。

あなたは一人じゃない。

ありふれた言葉だけれども、この歌詞はあなたには僕がついているという意味ではない。今の自分になるまでに、昨日までの僕がいるんだ。その自分がついているから、茨の道でも少しずつ前へ進め。という歌詞。

そして私たちファンがNEWSに向かって歌うフレーズ「例えばこの声が届くならば誰でもいい聞こえますか 胸張ってさあ叫ぶんだ 全部詰め込んだこの宣誓を……」

この後の手越さんの魂の叫びと、転調してからの力強い4人の歌声に涙が止まらなかった。


王国のかぎによって、4つの星に出会えたキセキ。ファンタジーの世界に酔いしれながらも、最後しっかりと現実に送り届けてくれた星々はずっと道しるべとして輝き続けてくれる。これから彼らがどんな世界を魅せてくれるか、とても楽しみになった今回のコンサートだった。

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