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「KAEru coffee」 with FASTNER. (後編)

KAEru coffee は、京都の市営地下鉄烏丸線の五条駅から徒歩10 分、六条院公園の目の前にあるカフェ。
名前の通りカエルで溢れた可愛らしい店内で、FASTNER.メンバーが常連の方から外国人の観光客まで、たくさんの人々に愛されている秘密や、コーヒーに対するこだわりを聞いてみた。

>>前編はこちら

なぜ京都の公園の前で ?...


ーマスターの方が小中学校の同級生だそうですが、地元が京都なんですか?

現在は彼は滋賀で、私は大阪なんですけれども、名古屋の時の小学校中学校の時の同級生なんです。京都で育ったわけではないんです。

ーどうして京都の地や、公園の目の前という場所を選んだのですか?

京都は単に「静かな街だろう」というのと、大阪もガヤガヤしていますし、元々東京にもいたので、静かな街でゆっくりコーヒーを淹れたいっていう気持ちがあって、尚且つマスターが滋賀だったので、こちらにも来やすいというのもあって京都にしたんです。あとはいろんな物件を見て、公園の前だと見ているだけでもゆったりとしていて気持ちが良いのでここに選んだんです。

 

つながり

ーインスタを拝見させていただいたのですが、イベントに積極的に参加されているように見えたんですけれども、なにか意識して参加されているものなんですか?

いや、あのオープンしてすぐの時にエンジョイコーヒータイムっていうイベントにお声がけいただいて、そこからなんですよね。イベントにお声がけいただいた方がいらっしゃるんですけれども、お声がけしていただける間は参加したいなと思っていますね。自分たちからエントリーして、みたいなことはしたことがないんですよ。

ーカエルさんが招いてくれたご縁みたいなのがきっとあるのかもしれないですよね。お客様とのフレンドリーなやり取りも印象的でしたが、お客様との関わり方にこだわりはありますか?

こだわり方ってあんまり意識していないですけどね、お客様との距離感っていうのは大事にしないといけないなとは思っているんですけれど、私はこんな性格なんで、お友達みたいな感覚になっちゃうんですけれど、やっぱりそこはちょっと気をつけなきゃいけないなとは意識していますね。それが嬉しい人とそうじゃない人の見極めみたいなのに関しては、話しかけてくださる方とは普通に喋りますけれど、それでも「これ以上踏み込んだらいけないな」とかあるじゃないですか。そこがちょっと難しいですね。

 ーそこが多分「お母さんみたい」って言われる部分なんですかね。なんか、多くを聞いては来ないけれど、きっと全部お見通しなんだろうなみたいな雰囲気が。

「あの子今どうしてる?エミさんだったら知ってるでしょ」って訊かれても、「いや、知らなーい」って。(笑)

 ーカフェラテの茶色いカップがころんとしていてとってもかわいいなと思ったのですが、後ろに並んでいるドリップ用のカップ一話が全部違うのはなぜですか?

カプチーノとかラテとかは全部分量が決まっているんですよ。こちらが全部240㏄入るもので揃えているんですけれども、自分の好きなカップで色々やるのも楽しいなって思って。あとは周年やイベントの時にお客様がお祝いに持って来てくださったりもするんですよね。5月で5年目になるんですけれども、これまでにいくつか増えていますね。

 ー器のこだわりもありつつ、お客様の持って来てくださったものも大切にされているんですね。

お客さんからもらったものでも、やっぱり使っていたら欠けちゃったりもするじゃないですか、で、どうしようと思って金継ぎを習いに行ってるんです。今ね、5つくらいやっていて、今度出来上がるんですよ。
やっぱりお客さんのものはね大事にしたいので、自分で直せたらなと。今度出来上がったものを取りに行く予定です。インスタとかにもアップしますね。でもね、結構日本食屋さんとか、漆絵の器とか欠けちゃったりで習いに来ている人もいらっしゃるみたいです。

ーそれも京都でお店を開いているからこそできることですよね。触れたことのない文化に触れられるっていうのは京都のいいところですよね。私たちもこの活動の繋がりで能面を作っている彫り師さんと関わったことがあって。(笑)

なんか、楽しいですよね。いい文化よね。

「できたらいいなあ。」

 ーお客様を大切にされていたり、あるものを大切にされていることが多いと思いました。

だから京都のお店っていうのは長く続いているんでしょうね。

ーもうすぐで5周年を迎えられるそうですが、これからはどうしていきたいとかはありますか?

3年目の時はもう少し頑張って5年、5年経ったらまた頑張って10年って
いつまで続けられるかって、体調や年齢のこともあるし、いつか誰か若い子と一緒にここに入ってもらえたらいいなって。そしたらもう少しゆったりお客さんとも接することができるし。アルバイトの募集はこれからしようかと思っているんですけれど、とりあえず今ね、オープンした時から来てくれている近所の女の子に土日だけとか、時間があるときだけ来てもらっているんですよ。でも、この日ちゃんと来て、とかじゃなくって、「来れるよ」って時に「じゃあ来て」って感じに、気軽な関係でね。それもお客様との繋がりです。すごいですよね。

 ーご自身がどれくらい続けられるかとかもあると思うんですけれど、お店に関して今後変化させていきたいとか維持していきたいっていうのはありますか?

焙煎機が今はいちばん小さい1キロ機なのね。やっぱり、休みの時に延々と焼いてもらっているから、もう一つ大きいタイプのに変えたいってのはありますね。
ただ、やっぱり、焙煎所みたいのを京都で作りたいですね。マスターがそっちで焙煎してもらって、こっちでは少しスペースができるので、壁際にカウンターでも作ったりしたりしたいですね。そうゆうのはやってみたいですね。2号店を構えるにはまだまだそれだけの力はないですね。

ーKAEru coffeeさんの魅力ってスタッフさんの魅力って部分が大きいと思うので、また雰囲気も変わってしまいますもんね。

なんかね、私よりももっと年上のオープン当初からのお客様がね、「アルバイトを雇いたいと思うだろうけれど、しっかり考えないとお店の雰囲気がガラッと変わっちゃうよ」って言ってくださって、今の雰囲気が好きなお客様が去っていくこともあるから、それは気を付けた方がいいなあと。
人と繋がっているからこその部分もありますね。だから色んなアドバイスを幅の広いお客様からいただけて。若い子からは若い情報が得られたりもね。

ーお店の拡大と地域の密着って距離感を考えないといけないんですね。

「焙煎所、できたらいいなあ。」

カエルとエスプレッソで繋ぐ人と人。
その力は京都にとどまらす、世界に広がっていた。


Interviewees/KAEru coffee @kaeru.coffee
Photographer/Natsuki Sugiyama@0371li
Write/Rena Okamoto@01re__na30
Edit/Honoka Kubo


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