大宮脱毛日記2

メールの文面通りに進むと私は城本クリニック大宮店の入るビルの前に辿り着いていた。グーグルマップ先生を一切頼らず日本語の文字案内だけで間違うことなく最短距離で到着することが出来た、素晴らしい。
懸案事項の固くて重いと噂の最初の扉だったが、ふんと力を入れる間もなく開いた。もしかして私はゴリラなのだろうか少々心配である。

ビルは少々アンティークな感じでエレベーターはボタンを押して一階に箱が付くと中々に激しくポーンと音を立てる。いいですね昭和レトロ流行りに乗っている感じがする。
三階に城本クリニックこちらの矢印看板がありその矢印通り左を向くとガラス扉があった、ふむ。
予約時間よりも15分も早くついてしまったせいか誰もいないような気がする。玄関先はどうみてもここで靴を脱いでねみたいな作りになっているが履き替えるスリッパがない。
いかんともしがたくつくねんと立っていると、センサーがあるのだろうぺろろんぺろろんとエンドレスでチャイムが鳴っている、休憩中だったら大変申し訳ない。やはりオンタイムで来るべきであった。
少し経つとピンクだったか白だったかの施術します!みたいな服を着た女性が現れエレクトリックな機械でスリッパをマシーンから抽出すると私を契約書書かせちゃうぞ!みたいな商談スペースへと案内してくれた。
ブースがしっかり区切られているので車のディーラーよりもプライバシーは保たれていると感じられたが個室ではないため、自分が大声で内容を話せば一発アウトである。意味もなく通る声を持っている自分としては自戒を込めて開いている空間を見つめたが、結局いつもの調子で喋ったため私が今日何しに来たのかは丸わかりであっただろう。まあ気にしないが。

酒はどのくらい飲むのかとかいう事を聞いてくる問診表を埋めつつこのブースの隙間から部屋をじろじろと見る。ふむ、質実剛健主義と見た。ギリシャ神殿みたいな柱もないし薔薇の造花も見えない、見えるのは壁のニッチに置かれた消臭剤くらいである。
素晴らしい、私はここに毛を抜きに来たのであって謎ギリシャ空間でまったりすることではないのだ。大きなけがや病気をしたことが無いか等を埋めていくと男性のお客さんが入って来て私と同じように上空が開いているブースに通され問診表を書いているようだった。今は男性も普通に美容医療を受ける時代なのだなと自分の肌感覚のアップデートを楽しむ。彼は大変小声ボーイだったのか何にも聞こえずいつの間にか私よりも先に医師の問診を受けていた。こういう空間ではかくあるべきか。

問診表を書きあげ医師(男性)が脱毛とは、そして起こるかもしれないリスク、起こった際にケアをしますという内容を語られた。フランクな先生だった、私の今までの経験では通っている歯医者のマダム先生位フランクだった(麻酔の注射をプスプス打ちながら今米騒動なんだって、知ってた?とか聞いてくるナイスマダム)聞きたい事ある?とか聞かれたが聞きたいことはすでに聞きまくった後だったので何もなかった。じゃ、あとはお金の話って事でと言われて医師の先生の問診は終わった。
そしてその後は看護師のネームプレートも眩しい元気なレディにコースの説明等を受けた、五回コースと十回コースの方が安いですよという話だったが、私はそもそも今回の熱破壊型の機械で繊細なVIOをやられたことが無いので丁重にお断りをして都度払い9900円で契約をした。
あ、炎症止めの薬代として2200円別途かかった。まあこれは必要経費だろう、ここは麻酔もないしこの薬は一回買えば使い切るまでは次回分を買わなくていいと理解したので購入した。デリケートゾーンが炎症とか嫌だし、そんなことで皮膚科へ?とんでもなく長い時間待った挙句先生に患部を見せる事を考えれば2200円は実質無料な気さえしてきた。
さてではカードで代金も支払ったことですし、ドキドキの照射タイムスタート!

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