Je t'aime


Xavierは耳が聞こえない

しかし彼は口の動きで何を言っているか分かるし

喋ることだってできる

そんな彼と異国の地で出会い友達になった

はじめはお互い英語が不自由だったので

なんとか伝えよう 理解しようと

身振り手振りを交え

必死でコミュニケーションをとっていた


彼は全く物怖じしない人で

初対面の人にもどんどん話しかけにいって

片言で堂々とコミュニケーションをとる

耳が聞こえないのに…
英語だって私より話せなかったのに…

すごいなぁ~勇気あるなぁ~といつも思っていた

そんな彼を見て

きっと人一倍努力しているんだろうな

私も負けずに頑張ろう!と勇気をもらっていた


さりげなくレディーファーストもできれば

ジェントルマンで些細なことにも気付いて褒めてくれる

たとえお世辞やマナーであっても

素直にうれしかった


ふざけて大きなカエルをもって追いかけてきたときは

本気で怒ってしまったけれど

怒られたことにびっくりして素直に謝ってくれたのが

可笑しくて可愛くて

一人っ子の私にとって

はじめてできた弟の様な存在となった


料理が苦手な彼のために食事を作るようになり

一緒に料理したりご飯を食べたり皿洗いをしたり

買い物をしたり映画を見たり庭でぼーっとしたり

本当の家族みたいに過ごした




しかしそれぞれ母国に帰る

それぞれの国でそれぞれの生活が始まる


そして彼が一足先に帰ることが決まった


もうすぐ終わりなんだってこと

もう会えないかもしれないってことを

お互い感じていたと思う


恋人とは違う

愛おしい存在


お別れの日は涙をこらえて

ほっぺに3回キスをして

優しいハグをして

笑顔でさよならした


いい思い出ばかりで今も忘れられない

好きだったんだろうなぁ

でも言えなかった


あれから7年


いつかまた逢えたらいいな

って時々思い出したりして頑張ってるよ

逢えたらあの時好きだったこと

嫌いだったトマトがお陰で好きになったことを伝えたい


#あなたに出会えてよかった

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