薬理メモ

11月10日 薬理
 副腎から分泌される生理活性物質
  髄質
  →カテコラミン(ノルアド、アド)
節前繊維の興奮でアセチルコリンNN受容体が刺激されて、血中に分泌される。
(血中に放出されるからホルモン)

  皮質
  →球状層/束状層/網状層
  →アルドステロン(アンギオテンシンⅡの刺激で分泌)/コルチゾール(糖質コルチコイド)/アントロジェン(男性ホルモン)
  →コルチゾールとアンドロジェンは、どちらもACTHの刺激で分泌される。

(※女性が閉経後に乳がんが生じるのは、副腎の男性ホルモンに対して作用するため。)

アドレナリン(エピネフリン)
・副腎髄質からホルモンとして最初に分離された。
・交感神経刺激によって生じる反応に類似した反応を生じる。
→α、β受容体刺激
(α1,2受容体刺激)(β1-3受容体刺激)
薬理
①循環器作用
・心機能亢進
→β1受容体を刺激→心筋収縮力UP(陽性変力作用)+心拍数のUP(陽性変時作用)
・血圧上昇作用:内臓の血管(α1(収縮)>β2(拡張))で収縮の作用(大)=収縮
  →末梢血管抵抗UP→血圧UP

血圧=心拍出量*末梢血管抵抗
   (心収縮力*心拍数)

※高血圧=最低血圧が上がるとX
 →最低血圧は末梢血管抵抗を示すから。

アドレナリンの血圧反転
→α1受容体遮断薬を投与した後に、アドレナリンを投与→β2作用のみが出現
→血圧が低下

=アドレナリンの血圧反転

β2受容体を遮断すると・・・
→α1作用のみ=血管収縮→血圧上昇(大)

②血管以外の平滑筋に対する作用
・気管支平滑筋:弛緩(β2)
・消化管平滑筋(β2)も同様に弛緩
・瞳孔散大筋を収縮(α1)→瞳孔は散大
・子宮平滑筋を弛緩(β2)
・膀胱排尿筋(内尿道括約筋)を弛緩(β2):畜尿
・膀胱括約筋(外尿道括約筋)を収縮(α1)
→尿の排泄を抑制

③代謝
・肝臓(β2)のグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇させる。
→インスリン分泌抑制作用(α2)も関与
・脂肪分解促進(β1、3)でリパーゼが活性

cAMPによる心筋収縮力増大作用・平滑筋弛緩作用
<平滑筋>
→細胞外からCa2+を取り込む→カルモジュリンと複合体形成→ミオシン軽鎖キナーゼ活性化→ミオシンとアクチンが滑り込んで収縮
カテコールアミン→cAMP↑ →Aキナーゼ活性化→ミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化→弛緩
<心筋>
Ca2+が細胞内から供給されて、ミオシンについている邪魔なトロポニンCにCa2+がついて、活性がなくなってミオシンとアクチンが収縮される。
カテコールアミン→cAMP↑ →Aキナーゼ活性化→Ca2+の取り込みと小胞への蓄えUP→心臓の収縮刺激による反応(大)

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
・アドレナリン作動性神経節後繊維の神経伝達物質
・α作用+β1,3作用(β2作用は弱い)
→アドレナリンのような血圧反転が生じない(β2作用が弱いため)
薬理
①循環器作用
・血管収縮作用(α1)→血圧UP
・血管に対するβ2作用が弱い→血圧反転×
・心臓へのβ1作用→心拍数UP
・瞳孔散大筋収縮→散瞳

エチレフリン
・α作用とβ作用を示す
・COMTによる代謝を受けにくい=作用が持続的
(カテコール骨格でない)

薬理
・血管収縮作用(α1)→血圧UP
・心筋収縮力増強、心拍出量増加(β1)

適応
・本態性低血圧、起立性低血圧
・急性低血圧又はショック時の補助治療

アドレナリン(α1受容体選択的刺激)
・ナファゾリン
α1作用を示すが、血圧上昇の目的では応用されない。
薬理
・細動脈血管の収縮→血流量を減少
→目の充血、鼻づまり(浮腫の解消目的)の解消(点眼や点鼻)

・フェニレフリン
α1作用(Notカテコールアミン)
薬理
・神経終末への取り込みなし&COMTによる分解なし
→持続的で強力な血管収縮作用
・瞳孔散大筋収縮→散瞳
・細動脈血管の収縮→血流量の減少

適応
・急性低血圧またはショック時の補助治療

・ミドドリン
α1受容体刺激作用→末梢血管を収縮→血圧UP

適応
・本態性低血圧、起立性低血圧

※リトドリンはβ2受容体刺激薬

アドレナリン非選択的β受容体刺激薬
・イソプレナリン
 ・合成カテコールアミン
 ・β1~3受容体刺激作用
薬理
・気管支拡張(β2)
・血管拡張(β2)
・心機能亢進(心収縮力、心拍数、心拍出量UP)(β1作用)
適応
・気管支ぜんそく、急性気管支炎
・内耳障害に基づくめまい
→血流量を正常に戻す

・イソクスプリン
薬理
・子宮平滑筋弛緩作用(β2
・血管拡張作用(β2
→組織選択制あり

適応
・末梢循環障害
・子宮収縮の抑制(早産などの抑止

アドレナリンβ1受容体選択的刺激薬
・ドブタミン(ブタだけど例外
 ・合成カテコールアミン
 ・β1受容体刺激作用
薬理
・心機能亢進作用(β1)
適応
・急性循環不全における心収縮力増強(静注(素早い) 経口X)
→カテコール骨格なので、経口X

・デノパミン
 ・非カテコールアミン
 ・β1受容体刺激
適応
・慢性心不全(経口)

アドレナリンβ2受容体刺激薬(○○テロール)
 気管支喘息に用いる時には、副作用でβ1作用の心臓興奮作用が問題
→β2作用大でβ1作用が弱い薬物が開発

第1:トリメトキノール
第2:サルブタモール、テルブタリン
第3:プロカテロール、クレンブテロール、サルメテロール
※トリ、サル、ブタのどれかが入っている+テロール

薬理
・気管支拡張(β2
適応
・気管支喘息の発作のかんかい
 ・サルメテロールは気管支喘息発作の予防のみ(時間がかかる)
 ・クレンブテロールは、腹圧性尿失禁にも適応あり(膀胱の組織選択性大
副作用
・手指震戦(β2
→骨格筋のβ2受容体への刺激(cAMP増加)
・心悸亢進(β1
・血清K+低下(β2
→ナトリウム・カリウムポンプを活性化
 →細胞内へK+を取り入れる=血中K+低下

・リトドリン(テロールと動物名がない例外
β2受容体選択的刺激作用

薬理
・子宮平滑筋弛緩作用(β2
(組織選択性大)

適応
・子宮収縮の抑制(切迫流・早産の防止)

※α1受容体刺激薬はミトドリン

アドレナリンβ3受容体選択的刺激薬
・ミラベグロン
膀胱排尿筋のβ3受容体刺激作用

薬理
膀胱排尿筋弛緩作用(β3作用)→畜尿

適応
・頻尿
・切迫性尿失禁
・過活動膀胱による尿意切迫

間接型アドレナリン作動薬
・チラミン(医薬品として利用されていない:試薬として利用
 ・アミントランスポーターを介して神経終末へ入って、交感神経節後繊維からノルアドレナリンを遊離させる。
 ・タキフィラキシー(繰り返し投与による薬物による反応が減弱)
 →ノルアドレナリンが枯渇して、薬剤効果が減少していくこと
 ・MAO(脱アミノ反応にかかわる)bで分解される
 ・チーズや赤ワインに多く含有

混合型アドレナリン作動薬
・エフェドリン
 ・麻黄に含まれるアルカロイド
 ・α、β両作用を示す。
 →α作用:交感神経節五線紙から遊離したノルアドに起因(間接作用
 →β2作用:エフェドリンによる直接作用
 ・経口投与が可(脂溶性が大
 ・中枢興奮作用あり(BBBを通過可
 ・持続性の作用(MAOとCOMTで分解されない
適応
・気管支喘息

・ドパミン、ドカルパミン(ドパミンのプロドラッグ
 ・ノルアドレナリンの前駆物質、内因性カテコールアミン
 ・α1、β1、D1、D2受容体刺激作用
→少量では、D1受容体に作用=血管を拡張(Gsタンパク質
 中等量では、心臓のβ1受容体を刺激=強心作用
 大量では、α1>D1作用=血管収縮
 ・交感神経節後繊維からノルアドを遊離(間接作用
適応
・急性循環不全(心原生ショック、出血性ショック)

アミントランスポーター阻害薬
・アメジニウム
 ・交感神経週末へのノルアド再取り込みを阻害
 ・MAO阻害作用

適応
・本態性低血圧
・起立性低血圧

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