厨二能力検定三級筆記試験(2018)

問:施錠された鍵を、破壊を伴わずに開けられる能力を分類を踏まえつつ4つ挙げよ。ただし、効果範囲が局所型のものとする。

模範解答例:物質透過能力により内側から開錠する。物質操作能力によりシリンダーを回転させる。物質変形能力により合鍵を生成する。時間遡及能力により開錠していた状態まで戻す。

解説:一般的なシリンダー型の鍵を開ける能力は無数に考えられるが、今回は局所型に限定されている。そのため概念干渉型はおおむね除外される。

準一級以降になると必要条件も求められるため今回は教育もかねて詳しく説明する。

まず物質透過能力であるが、透過できる物質、透過できる面積によって開錠の可否が決まる。透過面積が十分であれば開錠するまでもなく侵入できるため開錠の痕跡を残す必要はないが、今回は「開錠」自体が目的(おそらく同行者も通行できるように)のため片腕が通る程度の面積で十分であろう。最近では透過面積ではなく"透過質量"ではないかという研究もある為最新の知見もチェックしておくこと。

物質操作能力は操作できる物質の種類が問題となる。最も多い金属操作は問題ないが、二番目に多い生体操作では開錠できないことに注意。ただし、鍵自体が動かせなくとも隔壁の向こうに操作できる物質があれば開錠できる可能性は残る。操作可能な物質が特異的な場合は透視や感知能力者とバディを組むことが推奨される。

物質変形能力は操作能力と同じく変形できる物質の種類が問題だが、操作能力よりも広汎な物質を変形できることが多い。最近では物質を変形させるというよりは物質に状態変化を付与するといった言い方をされることが多い。ドア自体を変形させて通行できるようにすることももちろん可能であるがあからさまな痕跡を残しやすい。変形能力者は変形しやすい物質を携帯していることが常だが、もしもの時のために様々な物質の変形感度を熟知し練度を高めておく必要がある。

時間遡及能力の効果範囲は様々であるが、国家の指定する範囲以上の能力行使は厳しく監視されている。今回の設問においては鍵の部分だけ時間を戻せば十分であり、みだりに範囲を広めると予期せぬ事象(敵個体の時空影※出現など)を引き起こす可能性があるので範囲の設定は必要最低限がよいだろう。

※時空影……時間遡及能力によって過去時間軸に存在した物体が現在時間軸に投影されたもの。ドッペルゲンガーの発現やタイムパラドクスなど様々な問題が起こる。

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