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リーグ再開後の展望(前編)

日本時間の今朝、無観客のラモン・サンチェス・ピスファンでアンダルシアダービーが行われた。3ヶ月ぶりのラ・リーガ再開の皮切りとなったこの試合を観戦した方も多いだろう。試合は、ベティスよりも全体的にコンディションが良かったセビージャがセットプレー2発で勝利。
マドリディスタの僕は、ラ・リーガが戻ってきた喜びとともに、コンディション調整の重要さを感じた90分だった。

さて、マドリーも日本時間で15日の早朝、3ヶ月ぶりの公式戦となる、リーガ第28節エイバル戦を戦う。ホームでの試合ではあるものの、3ヶ月ぶりの公式戦、普段は使用しないアルフレッド・ディ・ステファノでの無観客試合ということもあり、試合の様相は予測しづらい。デュポンの存在もあってコンディション面には期待しているが、始まってみないと分からない部分は多いだろう。

ただ、試合の様相は予測しづらくとも、選手起用に関するおおよその予測は立てられるはずだ。
そこで今回は「リーグ再開後の展望」と題して、各ポジションの状況を整理していきたいと思う。

中断期間前までの振り返り

その前に、中断期間前までの今季のマドリーについて軽く振り返ってみる。

ソリッドな守備と豊富な運動量を拠り所に、ある程度の結果を出してきた今季のマドリー。引き分けの多さは気になるものの、序盤は若干不調気味だったバルセロナに差をつけ、2月頭まではリーガの優勝争いで完全に優位に立っていた。

しかしその後、セルタ戦、レバンテ戦と2戦連続で勝利を逃し、国王杯の準々決勝ソシエダ戦とCLラウンドオブ16第1戦マンチェスター・シティ戦でも敗戦。積み上げた自信を一気に失ってしまった。続くバルセロナ戦では維持の勝利を見せて一息つけたかと思ったものの、翌週のベティス戦で再び敗北。
マドリディスタの不安の増幅を煽るかの如く"おなじみの"監督解任論がメディアで飛び交いはじめたところで、シーズンが一時中断となったのだった。

この時点(すなわち現在)で、リーガでは首位バルセロナと勝ち点差2の2位。序盤戦の貯金のおかげで、ほぼ差をつけられていない。CLではシティに逆転負けを喫したものの点差は僅かに1。ラモスが次戦出場停止なのは痛いが、こちらもまだまだ逆転が可能な範囲にいると言えるだろう。

再開後の展望

ここからは本編。今季のメインシステムである4-3-3をベースに、各ポジションごとにこれからを展望していこうと思う。

GK

①アルフォンス・アレオラ
⑬ティボー・クルトワ
㉖ディエゴ・アルトゥーベ

GKはよほどのことがない限り、クルトワの継続起用が極めて濃厚だ。彼の今季の活躍ぶりはほとんど非の打ち所がなく、頭が上がらない。1月にはリーガ月間MVPを獲得していて、このままの調子を保てればサモラ賞の獲得も現実味を帯びてくるだろう。

有事に備えるアレオラは、国王杯のソシエダ戦でのミスが印象を悪くさせてしまっている節があるが、第2GKとしては十分すぎる実力と経験を持っていて心強い。第3GKには、カスティージャ所属のアルトゥーベが控えている。

DF

②ダニエル・カルバハル
③エデル・ミリトン
④セルヒオ・ラモス
⑤ラファエル・ヴァラン
⑥ナチョ
⑫マルセロ
㉓フェルラン・メンディ
㉙ハビ・エルナンデス
㉝ミゲル・グティエレス
※エルナンデスとグティエレスの背番号は、今季のPSMでのもの

右サイドバックは、カルバハルの1強になりそうだ。規律を守りながらの安定した守備に加え、攻撃にも手厚く関与する彼のパフォーマンスは正真正銘のワールドクラス。

直近のベティス戦で散々だったミリトン、プレーの質は高いが現在離脱中のナチョ、サイドバックのノウハウはあるものの対人守備に難のあるFWのルーカスと、控えの選手は心許なく、これからもカルバハルへの依存は続くことになりそうだ。怪我には十分気をつけてもらいたい。

センターバックの2枚も、ラモスヴァランが盤石だろう。ここまで失点がリーグ最小なのは、補完性抜群のこの2人のタイトな守備に因るところも大きい。

控えのミリトンは、細かなミスはあるものの1年目の22歳にしては上出来で、怪我がちのナチョよりも信頼度は引き続き高そうだ(ナチョは今季、センターバックでの先発はわずか1試合)。

以前からメンディマルセロの激しい定位置争いが繰り広げられているのが左サイドバック。守備を拠り所にするスタイルのチームなだけあって、対人守備とスピードが持ち味の前者の方がプライオリティは高そうだが、クラシコでサプライズと完封勝利を果たした後者も最近はプレータイムが伸びてきていた。両者は全くタイプが異なるため、これからも定位置争いは続きそうだ。

また、メンディはヴィニシウスと、マルセロはアザールと連携がいい印象があり、左ウイングの人選も定位置争いのカギになるのではないか。

また、カスティージャからエルナンデスグティエレスがトップチームの練習に参加していて、ベンチ入りの機会もあるかもしれない。特にグティエレスは、現チームにいないセンターバックを務めることが可能なレフティーで、その希少性もあって注視されている存在だ。



長くなってしまうので、今回は「前編」とし、MFとFWは次回の「後編」に回すことにする。

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