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海を越えて、それでも君は。

今日はVRChatの話題ではありません。
ご了承下さい!


2019年8月5日の夜。
私はその時にハマっていたFF14のPvP「フィースト」のしゃきまちをしていた。
近くには一人のハイランダー男性が。
最初はぴょんぴょん二人でジャンプし、エモートをし合うようになった。
そして、私は勇気を出してtellで話しかけることにした。

「こんにちは!フィーストのしゃき待ち中ですか?」

しばらく時間が経って、一言定型文が届いた。

「sorry!🔄日本語が話せません🔄」と一言返ってきた。

私はそれに対して
「Sorry for speaking in Japanese. I asked, now you are waiting for a "feast" match? I asked!」と翻訳サイトの英語を送りつけた。
そうすると彼は「haha!yesyes!」と返事をしてくれた。

どうやら、彼は今フィーストのシルバーランクからゴールドランクへの上がる昇級戦をやっているようだった。
私は「You will win! Good luck!」と応援のメッセージを送った。

それから彼とは「ウルヴズジェイル」でよく会うようになった。
そのたびに色々お話をした。

そこでわかったのは
彼はオーストラリア人。私より少し年下の男性。
フィーストのランクはゴールド(あのあとプラチナまで上がった)
FCは日本人と外国人の混合のFCに在籍している。
ゲーム上手。

私は機械翻訳、たまに雑な英語やFF14の機能で備わっている定型文を駆使しコミュニケーションを取り続けた。

言葉が通じないこと、文化が違うこと
色々困難はあったけど、遊べるコンテンツでゆっくり遊んでいった。

母国語で話せないのはお互い大変だと思う。
その上、大変なのは文化の違いである。

海の向こうの人たちは積極的にスキンシップを取るが、
日本人のコミュニティ(少なくとも私の周り)では適度な距離感を取って過ごす。

リムサ・ロミンサのエーテライト付近で膝の上に乗っけようとするのは、お願いだから勘弁してほしかった。ただ、これを伝えてもなかなか通じない。

「なんでだい?僕たちは仲良しだからいいよね?」(英語)と返ってくるのみ。多くの日本人のコミュニティでは、人前でそういうことをする人は少ないんだよ。と伝えても、向こうはピンと来ないようで大変だった。

最終的には「私はシャイな人間なので、人前ではダメです!」と言ってやめてもらうことになった。大変だった。

彼とはツイッターでも繋がった。
ついでにDiscordも繋がった。

たまに、DMのやり取りをするようになった。

「今日の東京はすごく暑いです!」と送った。
すると
「暑いのか!じゃあプールパーティをしよう!」と返事がきた。

…日本人はプールパーティーしない(できない)んだよな!?

その説明も大変だった。

「日本の家は大きくないのでプールがありません。」と言ったら
「まさかー!haha」みたいな反応がきてなかなか信じてもらえなかった。

オーストラリア人は陽キャな人が多いのかな?と思うようになった。

そんなやり取りをしつつ、
私はある日DC移動をすることになった。

ただ、英語でどう説明していいのかわからず
何も言わずに移動してしまった。

しばらく経って、彼からDMが来た。

日本語だった。
「もし、私が貴方に対して悪いことをしてしまったのなら言ってください。どうしてデータセンターを移動してしまったのですか?」と。

ああ、拙い英語でも日本語でもきちんと説明をすればよかった。
すごく後悔をした。

私は日本語で説明をした。

日本人のコミュニティが少し窮屈になってしまったこと。
友人がいるサーバーへ行って、気分転換をすること。
私の選んだことだから、貴方の責任はないこと。

すると、彼は納得してくれて一言。

「君に会いに行こう!」

そうして、私と同じサーバーにキャラクターを作り
ジャンポも使わず一気にストーリーを進めてみせたのだった。

私は思った。
この人は本当に私のことを大事に思ってくれる友人なんだな。と。

私がつかれたときはいつも横に居てくれた。

「さあ、今日は何をするかい?レベリングをするかい?」

といって、バルダムへ行った。
お願いだから、全身イディル装備でバルダムをまとめないでくれ。
レベリング中のヒーラーなんだ…

なんとかヒールして切り抜けると
彼は「strong cat!」と恐怖の眼差しをわたしに向けた。

貴方がそうさせたんでしょうにw
と思いながらチャットで「haha lol」と打っておいた。

そんなこんなで2年以上経過した。
そんなある日
いつにも神妙な雰囲気なDMが来た。

「君に話したいことがあるんだ。時間をもらえないかい?」
その時は、特に何も考えることもなく
「Okay!」と返事をした。

夜のラベンダーベッド、湖の近くのベンチに呼び出され

「私と付き合ってくれませんか?」日本語で一言。

すごく驚いた。
まさか、そこまでの気持ちを持っていてくれているなんて。

でも付き合うってどういうことだろう?と思って

「つまり、エターナルバンドをしたいということでしょうか。」と聞いたら
そうだと言ってくれた。

その言葉は率直に嬉しかった。ただ、その時はとてもエターナルバンドをする気になれない状況だった。

真剣だったので、日本語で返した。
(その頃には彼も同じ翻訳サイトを使っていたので、ちょっとの日本語だったら使えるようになった。)

とても嬉しいです。
貴方の事は大事に思っています。
しかし、今のわたしはエターナルバンドをする気持ちにはなれません。

彼はそれに対して
「待てる限り待ちます。」
と一言。

私は、ありがとう。と返事をした。

ラベンダーベッドには、花火の音が響いていた。

あれからも、私はタイミングを合わせて彼と遊んでいる。
雑談をしている。

たまにコアラの写真や猫の写真が送りつけられる。
めっちゃかわいくておめめが飛び出る。

私も日本ならではの写真を送りつける。

海を越えて、DCを越えて
こんなに大事にされている私は
きっと幸せものなんだと思う。

いつか、
離ればなれになるかもしれないけど
それまでいい関係でいたいな。

そんな一人のヒカセンの話。




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