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「『I am』で、私の心がまた、動き出した。」美神依華さん②

(前回からの続き)

⑩一番好きなライブを教えてください(行ったことが無い方はライブ映像でも可)。

美神:
その翌年は、「EXPO」にひとりですね。大宮のソニックシティでやったのが「EXPO」だと思っているんですけど。実質、一番前だったんですよ。
それで、一番好きなライブがその「EXPO」なの。(ステージから)前3列が近過ぎるから空席だったの。4列目が1列目だったっていう。4列目ぐらいだと、ちょうどよく見えるんですよ。行ってびっくり。4列目だと思っていたら、1列目だったっていうね。

金谷:生ウツはどうでした?

美神:ダメ。言葉にならない。綺麗過ぎて、美し過ぎる。もう、どこのライブに行ってもそうなんですけど、同じ空間じゃないですか、一つの箱物で。同じ空気を吸っているっていうだけで、もう涙が溢れ出てくるみたいな。感極まるってこういうことを言うんですかね。毎回そんな感じで、ツアーは。会場で始まる前に涙ぐんでいる、1人で。もう、始まる前からひと泣きしていましたね、大体。

1人で行った方が逆に自分を出せるって思ったのね。
私はその時まで、なんて言うんだろう、自分の気持ちを素直に表現できないタイプだったので。すっごい嬉しいのにクールな顔をして「フン。」みたいな感じで。友達と一緒にいると。
感激している姿とかを見られたくないみたいなのがあって、変にクールに装っていたんだけれども、1人で行くと自分を出せる。素直に顔も笑顔になるし、泣ける時に泣ける。誰も周りは知らない人だから。

でも、声援はできないんですけどね。「ウツ~!」みたいなことは言えないんだけれども。恐れ多くて言えないの。好き過ぎちゃって。もう、好き過ぎるから、恐れ多くてこれ以上近づけない、みたいな。
だから、叫んだりはできないんだけれども、1人で行くことによってすごいライブを楽しめる自分が発見できて、それからもう、「ライブは1人で行くもんだ。」って決めて、終了まで1人で行っていましたね。

「ラスグル」はもう、2日とも行って。「ラスグル」が20歳か21くらい。ちょうど専門学校に行っている時に終わって。もうその後は、行っていないのかな。
「ラスグル」は泣いたね。未だに何回(映像で)見ているか、もう分からないぐらいだけど、いい!2日とも2階席なんだけど、一番前だったり、もしくは前に何列かあって、ちょっと廊下みたいな階段みたいなスペースがあっての一番前だったりとか。前に人がいない状態で見られたので、すごいよく見えたんですよ。どっちも正面で。

2日間とも、ラストの曲は別のステージがあるじゃないですか。あそこの退場して行くところを真下に見る感じ。本当に手が届くんじゃないかっていうくらい(の距離)。あれはもう、感動ものでした。溶けちゃいそうだった。

金谷:その後は30周年モードで復活するんですか?

美神:それが、ちょうどブラックな時期で。

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⑪FANKSになったことでの人生の変化を教えてください。

美神:
(20 年半一緒に暮らしていたパートナーから)DV、モラハラを受けている時期があって、TMが聴けなかったんですよね。聴いていると焼きもちを焼かれて。
「BLACK」、「RED」、「BLUE」のCDがあったじゃないですか。たまたま「BLUE」があったのかな、木根さんの。それを見つけて、踏みつけられて壊されたんです。
CDは無事だったんだけれども、ケースだけで助かったんだけど、その時に「こいつの前ではTMは聴いちゃいけないんだ。」って、封印していたんです。(加害者が)絶対に帰ってこない日とかに1人部屋を暗くしてCDを聴いたり、ビデオを見たりして「わぁっ!」って毎日、苦しい日々の感情が一気にこみ上げて来て、号泣したりして。
その時がね、一番TMに助けられたかな、って思います。特に、「Nights of The Knife」。

ブラックな時に逆にいっぱい聴いていなかったから、(その後に)シェルターに入って出てきて、「さぁ、社会に出ますよ。」ってなった時に、いっぱいTMを聴いてTMで復活できた。
ブラックな時期にたまにしか見られないTM。たまにしか会えないTM。過去の映像だけれども、それを見てすごい勇気をもらったし、すごい支えられていた時期ですね。
で、いつの間にやら復活していたりとか、そういう情報とかも一切途切れた、もう本当に孤立した時期だったので。

仕事もできなくなっていました。毎日の暴力と暴言でうつ状態になってしまって。会社に行く支度はちゃんとできるのね。でも、玄関に行くと、もう足がすくんで外に出られないっていう状態。ドアを開けられない。
「このままだと遅刻になっちゃう。」とか、一生懸命自分と格闘して、結局「具合悪いんで休みます。」って電話して。
「私は何やってんだろう。」ってもう、自分の中で何が起こってるか分からない状態で。で、会社も行けなくなってきて、辞めますっていう形になって。結局そのままうつに陥ってしまい。寝たきりの廃人状態。病院に行くなんてことすら考えられない状態で。うつ病って分かったのは、もっと後になってからなんですけどね。

(次回へ続く)

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