何かを伝えるのは難しいねって話

ふぁんだむです。


僕は今、ゲームキャスターという仕事をしています。正直言うと、これだけでは飯が食えない状況なので、何かしらの仕事と兼業しなくてはという感じです。

それはともかく、ゲームキャスター(実況)をやっている上で、どうしても【伝える】という大きな壁にぶち当たってしまいます。実況というのは、起こった事を正確に伝えなくてはいけません。僕らが嘘を言ってしまえば、見ている人達は混乱します。一見、起こった事を伝えるだけというのは簡単そうに聞こえますが、やってみると案外難しいんです。

画像1

例えば上の画像ですが、左のログを見ると相手がブリンク・フォックス→ヴァルドリス・フェルゴージで4枚ドローという動きをしたことが分かるかと思います。

喋り言葉に置き換えるなら「まずは、ブリンク・フォックスを出しました。持ってきたのはヴァルドリス・フェルゴージ!残った7マナで展開し、カードを4枚引きました!!」こんな感じになるかと思います。語尾とか言い方とかは各々で差違があるでしょうけど。

文字にすれば喋れそうと思えるものも、実際に喋ろうとするだけで一苦労です。ただのカード1枚やデッキにも、歴史やドラマがあります。何を言ってるんだと思った方も、とりあえず読んで下さい。例えば、クエストドルイドというデッキが配信台で初めて出てきたのは、HearthStone 2017 Summer PlayOffです。当時、Monsanto選手だけが使用していたクエストドルイドは、『攻撃力5以上のミニオンを5回召喚する』というクエストを達成し、報酬でもらえる圧踏のバーナバスを出し、デッキのミニオンを全て0コストにして戦う。というものでした。これが、当時Tier1の最上位にいた翡翠ドルイドに対して有利だったので、採用されたという歴史があります。

こういった内容をサラッと言えるだけでも、知らない人からすれば、少しはワクワクするんじゃないでしょうか。ですが、こういうのは調べないと言えませんし、言えるタイミングも限られているので、全てを伝えようとするのは難しいです。

他にも、日常の会話でハースストーンを知らない人へ説明する時に、どういう風に伝えたらいいのか困ることが多々あります。他のデジタルカードゲームを触っている人ならば、ハースストーンというだけで、「ああ、あれね。」となるはずです。でも、ゲームをほとんどやったことのない人に伝えるには、どうしたらいいんでしょうか。

「ハースストーンというのは、デジタルカードゲームの一つでもあって、世界的に人気のあるゲームだよ。ウォークラフトっていうパソコンのゲームを基に作られてるから、世界観も面白いよ。」みたいなことを言ったとしましょうか。そうすると、

デジタルカードゲームって何?ウォークラフト?パソコンでできるの?スマホでもできるの?日本でも流行っているの?どこが面白いの?みたいな質問攻めに遭うのは必至でしょう。

一個一個答えてもいいんですが、最終的に相手の中に残っている感情としては「よく分からんからいいや」です。全部を話そうとすると、固有名詞が沢山出てくるのもそうですし、結局は相手が面白そうだとか、やってみたいと思わない限り触ってはくれません。

なので取捨選択を適切に行い、分かりやすく物事を伝え、視聴者達を熱狂の渦に巻き込む事ができれば、実況者として一人前になれているのかなと思います。めちゃくちゃ難しいですが。

こうやって偉そうに書いてはいるけど、僕は他人に分かりやすく伝えるのが特に苦手なので、キャスターの方々、プレゼンや話が上手い人を尊敬しています。

最後に宣伝にはなりますが、ドラゴンクエストライバルズ勇者杯2019冬の決勝大会を実況することになったので、ニコ生やYouTubeLive、または現地(新宿CIRQ)で見て下さい。


さようなら。


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