夏競馬の3歳上1勝クラス・2勝クラスの3歳馬の活躍について考える

3歳と古馬が合流して6月が終わりました。
この時期は3歳馬が強いと言われますが、改めて数字で確認し、過去傾向から7月を考えます。

集計対象は3歳上の1勝クラスと2勝クラス。
5月までの3歳限定の番組編成の都合上、3勝クラスは3歳馬の出走がほぼないため除いています。
また、3歳馬の出走がないレースも集計には入れていますので、その点は少しだけ3歳に不公平なデータになっている点をご承知おきください。

まず、今年の3歳馬と古馬の比較です。

2024年6月
年齢 1着-2着-3着-着外/全体 勝率 連対率 複勝率
3歳 88-64-48-375/575 15.3% 26.4% 34.8%
古馬 40-65-79-856/1040 3.8% 10.1% 17.7%

勝率が約4倍、連対率が約2.5倍、複勝率が約2倍で3歳が優勢であり、結果的には軸に迷った場合は3歳を優先する戦略が有効でした。
さて、ここからは過去の傾向はどうだったかを確認していきますが、ここでポイントになるのはクラス編成ルールの変更です。
2019年の夏競馬(6月)から、500万下が1勝クラス、1000万下が2勝クラス、1600万下(準オープンとも)が3勝クラスとなり、『降級制度が廃止』されました。
新しい競馬ファンの方はご存じないかもしれませんが、過去には一定の基準で競走馬の所属するクラスが下がる仕組みがありました。例えば、1600万下に所属した馬が、1000万下に降級するといったものです。2018年以前はクラスを降級した馬が過去に勝ち抜けしたクラスに戻ったことで好走する例が多々あり、むしろ狙いとして使えたくらいです。
上記からわかるように、2019年以後と2018年以前は分けて考える必要があります。

2019年~2023年の6月
3歳 303-220-214-1511/2248 13.5% 23.3% 32.8%
古馬 223-305-310-3736/4564   4.9% 11.6% 18.4%

2009年~2018年の6月
3歳 267-254-239-2270/3030 8.8% 17.2% 25.1%
古馬 657-663-684-7600/9604 6.8% 13.7% 20.9%

降級制度のなくなった2019年以降は明らかに3歳が優勢で、1年間勝ち抜けできなかった古馬たちを、勝ち抜けの順番待ちをしていた3歳馬が圧倒している構図が見えます。
反対に2018年以前は、降級馬が好勝負しており、4歳馬だけで見ると3歳と互角以上の戦いをしていました。
周知の事実で、人気にも反映されていますが、この時期の3歳をすべて軽視するのはかなり危険な馬券と言えます。


上記の傾向を把握したうえで、今月の馬券攻略のヒントとして、過去の7月を見ていきましょう。

2019年~2023年の7月
3歳 337-267-237-1685/2526 13.3% 23.9% 33.3%
古馬 227-269-325-3936/4784  4.7% 10.9% 17.7%

2009年~2018年の7月
3歳 425-373-357-3534/4689  9.1% 17.0% 24.6%
古馬 808-859-876-9394/11937 6.8% 14.0% 21.3%

過去傾向からは6月と大差なく、相変わらず3歳が優勢です。
懸念としては、今年の3歳は例年より6月の勝率が高いので世代間の平準化が進んでいるかも…というくらいですが、単純に世代レベルが高い可能性もあり、この辺りは誤差の範囲内かなと思っています。


なお、2019年~2023年の8月と9月、同じ世代で更に時を進めて2020年~2024年の1月と5月における4歳と5歳以上の比較は以下の通りです。

2019年~2023年の8月
3歳 326-245-233-1941/2745 11.9% 20.8% 29.3%
古馬 190-269-285-3482/4226 4.5% 10.9% 17.6%

2019年~2023年の9月
3歳 343-285-268-2157/3053 11.2% 20.6% 29.3%
古馬 183-238-252-3377/4050 4.5% 10.4% 16.6%

2020年~2024年の1月
4歳 347-327-289-2579/3542 9.8% 19.0% 27.2%
5歳~ 167-185-224-2987/3563 4.7%  9.9% 16.2%

2020年~2024年の5月
4歳 338-317-304-2511/3470 9.7% 18.9% 27.6%
5歳~160-179-193-2334/2866 5.6% 11.8% 18.6%

時間が進むごとに、段々と3歳馬(年明けの4歳馬)が「本来所属するべきクラス」に落ち着いて、勝率が下がっていくのが見て取れます。
ただ、それでも3歳世代と古馬、年明けての4歳世代と5歳以上が同じになることはなく、勝率2倍弱あたりで落ち着くようです。

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