NHKマイルC2024 本質注目馬考察 ディスペランツァ編

~進路さえ確保できれば俺の勝ち~
ディスペランツァ

【展望】
相手関係の評価だと、京都2歳では力のある馬と戦ってきたが、あれはあくまで中距離戦。マイル戦ではまだ強いところとは当っていない。特にマイルのG1で結果を残してきた馬らにどれだけ通用するかがポイントだろう。今回の舞台は東京1600。脚質は差し・追込であるが、この馬の特徴として直線の長いコースのL1Fでグイッと伸びてくる。これは他の馬が多少なりとも最後に減速するようなところを、速度を落とさずにゴール板前まで来れるということ。『長くいい脚を使える』というものだと思う。また元々2000を走っていた馬ということもあって、あまり速い流れを経験したことがない。アーリントンCも前哨戦にありがちな超スローペースであった。ただ東京マイルは上り坂且つ長い直線が待ち構えていることもあって、道中はそれほどペースが上がらない。よって東京コースへの条件替わりは非常に良いと思う。理想の枠順は、中枠~稍外枠。アーリントンCでも馬群の中を捌くのに少し手間取ったところがあった。元々「ポジションを取って勝負する」タイプではないので、それならばいっその事スムーズに行けそうな外枠が良さそう。ただ、立ち上がりが遅くもあるので、フルゲートのピンク枠などは置いてかれてしまう可能性も。よって5~7枠くらいがちょうどいい気がする。この馬は今回出走する中でも随一の上りが使える馬だと思っている。それだけにこの馬の勝負する相手は恐らく前の馬。厳しいペースを刻んでいっても渋太く脚を残してきそうな馬も居る。ポイントはどれだけスムーズに直線を迎えられるか?そしてペースが速くなった時に、どれだけの脚を使えるか?だろうか。あとは鞍上が誰になるのか?前走はモレイラJだったので、ここで乗り替わりとなれば誰になってもそこまでプラス材料にはならなそう。

【近走評価】
前走 アーリントンC 1着(-0.0差)
 前走アーリントンCは超スローペースの中を鮮やかに差し切って1着。2着アレンジャーはこの時まだ1勝クラスの超大穴馬。その馬が内前の2、3番手で運んで残したことからも、内前が有利だったと判断して良さそう。対してこの馬は、道中は内ラチ沿いから直線は外へ進路を探したがそこから中々前が開かず。結局進路が開いたのはL1Fの地点で外から差す内容に。ただ進路が開いてからは、前との差を徐々に詰めて、ゴール板前まで突き抜けた。全体ラップのL3Fが11.1-10.7-11.4(33.2)なので、前で押切ろうとした2着馬らもL1Fまでそれほど止まっていない。それを差し切る瞬発力は文句なしで評価すべきだろう。着差自体はタイム差なしではあるが、着差以上に評価できる内容。

2走前 1勝クラス(阪神1600m) 1着(-0.1差)
 明け3歳初戦は距離短縮してマイル戦の1勝クラス。これまでのレースで道中一番速い追走速度が求められたのは恐らく京都2歳S。この時上がり3F地点までの1F平均はだいたい12.11くらい。ただ今回は1F平均12.06秒。つまりディスペランツァにとって道中のペースが過去一で速いレースであったと言える。勿論単純に2F距離を縮めているので、その分道中のペースが速いというのは当然ではあるが…。ただ過去一の追走をしてもレース全体の中の位置取りは最後方になった。如何に距離によって道中のスピード感が違うかが分かる。加えて全体のペースはそこまで速い訳ではない(恐らく稍スローペースくらい)。レース全体のL3Fは11.2-11.2-11.8(34.2)で、流石にL1Fは前の馬にはキツそうであったが、それでも2、3着馬は好位から抜け出して上がり33.8秒。これをさらに0.7秒速い上がり(33.1)でまとめて差し切り。ゴール板前も少し余裕があるように見えて、このクラスでは1枚や2枚くらい能力が違っていたような印象。

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