ティタニアデプス備忘録

1.はじめに


 こんにちは。まずは記事を御覧頂いている皆様に感謝を。M.M.と申します。
 普段は北関東を中心にマジックをプレイしています。コロナ前はスタンやモダンなども触っていたのですが、地元に晴れる屋ができてからはレガシーの比重が大きくなりました。やはり定期的に大会ができる環境は大きいですね。マジックはメルカディアン・マスクスが発売された頃に始めました。プレイ歴だけはそれなりにありますが、特に大きな実績を残してきたわけではありません。
 今年はTwitterを中心に、レガシープレイヤーの方々との交流が増えたこと、レガチャレにおいて運良くSEまで残れたことなどから、個人的な記念として、また他のプレイヤーとの交流のネタになればと思い、記事を書いてみました。
 何分noteで記事を書くのは初めての試みなので、突っ込みどころは多々あると思いますが、どうぞよしなに。

2.デッキについて

11/27のレガチャレで使用したリストは以下のものです。

汚いリストだ

 この記事を御覧になるような方々に今更説明の必要もないかと思いますが、このデッキは所謂GWデプス、ナヤデプスなどと呼ばれるアーキタイプです。一昔前はデプスデッキといえば黒緑で、ヘックスメイジデプスやステージデプスコンボを素早く揃えてマリット・レイジでワンパンKOする、どちらかといえばオールインコンボに分類されるデッキでした。
 ですがこちらのタイプでは、ソープロや虹色の終焉で盤面をコントロールしつつ、緑ゼニスや輪作によるツールボックス、聖遺の騎士を始めとする緑のクリーチャーで殴るといった、ミッドレンジ的な動きを備えています。絶賛トップメタのファッキンデッキURデルバーに対して比較的優位に立ちやすいことから、少しずつシェアを伸ばしてきました。
 
 上記のリストは一般的な構成から大きく外れたものではありませんが、新エキスパンション兄弟戦争から2枚のカードが加わっています。



3.兄弟戦争の新カード、実力は如何に


 この2枚が発表されたとき、私は合体前の【ガイアの声、ティタニア】に注目していました。忍耐と同じ3/4到達というボディに、墓地に土地が置かれるたびにライフゲインという能力は、URデルバーに対して刺さるのではないか。ゼニスがあればピン挿しでも機能するし、森を守る者や輪作、開墾者、聖遺などとのシナジー形成については言うまでもありません。
 とはいえ、所詮除去耐性のない伝説のクリーチャーをどこまで信頼できるものか、疑わしかったのも事実。幸い初動は安かったので、紙とMOでそれぞれワンセット購入して試してみることにしました。 

 すると……

相手の不毛を割ってからアルゴスサーチでドバーッと

 【ガイアの声、ティタニア】は想定通りの活躍をしてくれました。予想外だったのは「できたらいいな」くらいに考えていた合体が結構狙えるということ。除去からは森を護る者やセジーリで守れますし、不毛とカラカスさえどうにかすればすんなり合体できてしまいます。しかも墓地の土地を戻してくれるので、除去されても(今のところ合体されてから除去されたことはありませんが)リソースを大きく失わないという点ではステージデプスと比べて優れています。なお、【自然の聖域、アルゴス】はさすがに起動マナが重く、起動することはほとんどなかったです。せいぜいマナフラ受けになるかなといったところ。

4.レガチャレへの挑戦

 数回リーグや晴れる屋のイベントでデッキを回し、それなりの感触を得られたためしばらく使っていこうと決めた後、レガチャレに出場。

 当たり運がよかったこと、R6のお相手がトスしてくれたことなどラッキーが重なり、望外のTOP4に入ることができました。TOP8のリストは下記のリンクから御覧ください。私以外にもナヤデプス1名、マーベリック1名がTOP4に残っており、緑ゼニスが好きな方には希望を感じられる結果になっています。(優勝はURデルバーでしたが・・・・・・)

https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/result?eventName=Legacy+Challenge+32+-+2022/11/26

5.そしてエタパへ

 この結果に勢いづいて、先日のエタパ関東に参加しました。
リストは以下。

静寂をもたらすもの3枚はやり過ぎた

レガチャレからの変更点

①爆発域のメイン採用
 URデルバーに対する負けパターンの一つに、序盤に大量展開されたデルバーやチャネラーを処理しきれないというものがあります。こちらも丁寧に除去したり、忍耐やティタニアを着地させらればよいのですが、そううまくはいきません。そのため爆発域を投入してみたところ、上手くハマる場面が割とあったため採用。

②静寂をもたらすもののサイド採用
 レガチャレ前から感じていたことですが、このデッキは白系イニシアチブデッキに対しては苦しいゲームを強いられます。初動をカウンターで止めることができず、そのまま圧倒的なクロックの早さに為す術なくやられてしまうことが殆ど。レガチャレのSEで勝てたのは運よくイニシアチブを奪う展開にもっていくことができたからでした。会場でリストを書く間も迷っていたのですが、ドゥームズデイやアルーレン、デスタクなどにも刺さることから腐ることはないだろうと判断して投入を決意。
 倦怠の宝珠でない理由としては、
・セジーリのステップや森を護る者で除去をかわすことができる
・先にイニシアチブを出されても奪いにいける飛行クリーチャー
という点が挙げられます。
調整段階では2枚だったのですが、直前でサイドの忍耐を1枚メインに移して61枚構築にした上で、3枚目をとることに。

結果は・・・・・・

R1 ヨーリオンデスタク○○
R2 URデルバー○○
R3 URデルバー○××
R4 白単イニシアチブ○××
R5 ヨーリオンデスタク○○
R6 ラクドスシャドウ○○
R7 URドラゴン××
R8 URデルバー××

悲しみの4-4。 
 
初めの2連勝、しかもどちらのマッチもティタニアでフィニッシュを決めるという展開に、「やはり本物か・・・!?」と調子に乗ったのも束の間、R3、R4とサイド後のゲームを連続で落とすという展開で心が折れかけます。しかし前回(2019年)の時はオムニスニークを握って7-2だったため、せめてそれに並ぼうと継続。R5、R6を勝ちここからだ、と思ったのですが、最終的にはUR系のデッキに連続で負けてしまいました。

6.エタパを振り返って


 現在のレガシー環境においてイニシアチブストンピイの影響は大きく、他のデッキ、特に仮想的であるURデルバーでは真の名の宿敵を採用、ガラクタと邪悪な熱気を増量するといった変化が見られます。
 ミシュラのみならずウルザのガラクタまで投入し、第3の道の偶像破壊者や帳簿裂きをフル活用するURというデッキにも当たりました。横に展開することで無理矢理イニシアチブを奪うことができる上、リソースも途切れにくくてよいデッキだと思います。
 話が逸れましたが、要は環境がクリーチャー戦にシフトしているため、除去の性能やそれへの耐性、回避能力が重要視されていると私は結論づけています。

 対するデプス側ですが、デルバーやストンピイ系のデッキに対しては基本的に序盤は相手の攻勢を裁くことに注力することになります。除去、あるいはブロッカーを立てることで相手のクロックを止め、相手のリソース切れや盤面が固定されたタイミングを見計らってデプスコンボを決める。デルバー側がミラーを意識した構築だった頃はそれでよかったのです。そして、そのプランの中にティタニアは居場所を見つけていました。相手のアタッカーを止める、あるいは攻撃を通してもライフゲインで時間を稼ぎ、準備が整えば合体してフィニッシャーになってくれる。場合によってはマリット・レイジを出しにいくより安全であるとさえ感じました。
 ただ、それはゲームをスローダウンさせることができればの話です。ブロックできないネメシス、着地させても邪熱が増えている分こちらの生物は生き残りにくくなっている。URデルバーがイニシアチブを倒すためにとったプランが、こちらにも刺さってしまった。負けたゲームは引きが芳しくなかったという側面もあった(特に最終Rの地主っぷりはMOだったらキレ散らかしていたと思います)のですが、もう少しプレイングや構築を練ることは可能だったでしょう。例えば、URデルバーとイニシアチブ主体のメタゲームであれば、メインのミンスクとブーは不要だと思います。実際、エタパ関東で入賞したGWデプスはタッチ黒でした(また、メイン忍耐3枚の構築はメタを読み切った素晴らしいものだったと思います)。
 しかし、こちらもティタニアに対して更なる可能性を感じることができました。エタパでゲームを決めた回数は4回。デプスによるフィニッシュ回数と遜色ありません。適切なデッキで使えば、ただのロマン砲として片付けられない力はあると思います。

7.GWデプスにおけるティタニアの運用について

 私がデプスデッキでティタニアを運用して感じたことを挙げます。といってもシークレットテクみたいなものはありませんし、状況にも左右されるため、ここに書かれたことが絶対的に正しいということもないです。

・ゼニスで引っ張ってくる場合や他の3マナ生物と手札で重なった場合の優先順位
 基本的には他のクリーチャーや輪作の援護がある状態で出します。言うまでもないことですが、ただの3マナ3/4到達として出すのは極力避けるべきです。更地に1体だけ出すのであれば、聖遺などより優先することはほとんどないでしょう。また、とにかくライフを守らなければ負けてしまうという状況でない限り、なるべく早めに合体する道筋を考えて出したいですね。

・ステージデプスとの択になった場合、どちらを優先すべきか
 
盤面や相手のデッキに採用されている妨害次第です。基本的にはステージデプスでよいと思いますが、飛行のブロッカーがいてマリット・レイジの攻撃を通せなかったり、ステージデプスを妨害されるとリソースが足りなくなってしまったりする状況であれば、ティタニアの方が優れる場面もあるでしょう。ちなみにティタニアは合体後でも紛争プッシュが効きますし、激しい叱責を置かれると死んでしまいます。見た目以上に脆い生物なので過信は禁物。

8.おわりに

 いかがだったでしょうか。結局自分語りの他は当たり前のことを垂れ流しただけのような気もするのですが、もし読んでくださった方の参考になったのであれば嬉しく思います。
 兄弟戦争が出てからの1ヶ月はティタニアと共に過ごしてきたと言っても過言ではありませんでしたが、デプスコンボに変わるだけのフィニッシュ性能を秘めていることが分かっただけでも意義はありました。Goldfishを見ていると、私以外にもティタニア採用のデプスを使用したプレイヤーが結果を残していますし、まだまだ研究のしがいがありそうです。いっそステージデプスをオミットし、ウルザの物語を搭載した4Cロームのようなデッキに採用するのも面白そうだと考えています。
 最近のレガシーはイニシアチブの流行に端を発するメタの歪みがやや顕著な印象を受けますが、それらに対する戦い方も少しずつ分かってきたので、自分なりのアプローチを考えていきたいと思います。
 最後に、ここまで読んでくださった皆様に改めて感謝を。いずれまた。



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