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君のために 18話

○○は賀喜の機嫌をとっていた

○○:今日は一段とかわいいね

賀喜:…フン

○○:なぁなんでそんな機嫌悪いの?
なんかやっちゃった?

賀喜:ほんとにわからない?

○○:うん、ごめん

賀喜:昨日バイトが終わってなにしてた?

○○:時間も遅かったから先輩を送ってから帰った

賀喜:先輩って女?男?

○○:女

賀喜:だよね?なんか一言ないの?

○○:一言連絡してれば防げたのに、遥香なら許してくれるだろうと思って連絡しませんでしたごめんなさい

賀喜:○○は私のこと好きなの?

○○:好きです

賀喜:なら最初に私の気持ちを優先してよ

○○:わかった
でもバイトの帰りは毎回送ることになると思う

賀喜:は?話聞いてた?
私の気持ちはどこにあるの?

○○:他の女の子心配しちゃだめなの?
夜遅くてしかも帰り道暗いんだよ、危ないじゃん

賀喜:へ~じゃあ私はその時間に散歩しよ
そしたら○○は私を優先してくれるよね?

○○:ちょっとどうしたの?
そんな時間に外出る必要ないじゃん!

賀喜:私は○○といたいだけなの!

○○:それとこれとじゃ話が違うじゃん
俺だって一緒にいたいよ

賀喜:じゃあ○○のバイト終わりに迎えにいくから

○○:来るのも遅い時間じゃん、大丈夫?

賀喜:大丈夫、行くからね

○○:わかった、気を付けてね


そして○○はバイト先へ向かった

○○:おはようございます!

店主:おはよ~着替えてきな~

○○:はい!

一ノ瀬:あ!○○!おはよ
昨日はありがと、今日もお願いできる?

○○:今日俺の彼女が迎えに来てくれるらしいから
3人で帰ることになるのかな?それでもいい?

一ノ瀬:全然いいよ!
てか彼女が迎えに来るって珍しいね

○○:でも俺は嬉しいよ
ちょっとでも一緒にいたいからね

一ノ瀬:いい彼氏だな~
よし、今日も頑張ろう!

○○:おう!

夕飯時はテーブルがいっぱいになる

客:新人君!

○○:はい!

客:このうまいから揚げもう一個頂戴!

○○:これおいしいですよね!
すぐ持ってきますね?少々お待ちください

○○:美空?から揚げ1つ

一ノ瀬:は~い!
はい!よろしく

○○:は~い、お待たせしました
から揚げです!

客:ありがとうー

こんな感じで時間がすぎて行き
あと少しでバイトも終わる時間に1人来店してきた賀喜

○○:なんか食べる?

賀喜:お味噌汁

○○:はいよ、ちょっと待っててね

○○:美空?お味噌汁ある?

一ノ瀬:あるよ~1つでいい?

○○:うん

一ノ瀬:はいお味噌汁

○○:あざーす
遥香、おまたせお味噌汁

賀喜:ありがとう
てかもう終わる時間だからお客さんいないね

○○:ま~ね
俺も座っていい?

賀喜:うん
あ、おいしい

○○:美空、おいしいって!

一ノ瀬:ありがとうございます!

店主:もう2人とも上がっていいぞ

○○:あ、了解です
すぐ着替えてくるから待ってて

賀喜:うん

○○は着替えにいくが一ノ瀬は行かない

一ノ瀬:○○の彼女さん?

賀喜:はい、そうですが

一ノ瀬:いいな~あんな優しい彼氏がいて
○○は彼女さんと少しでも一緒にいたいから今日迎えに来てくれるの楽しみにしてましたよ

賀喜:○○がそんなこと言ってたんですか?

一ノ瀬:言ってましたよ

○○:なんの話してるの?

一ノ瀬:お、じゃあ私も着替えてきます

○○と賀喜は二人きりになるが話すことはなかった

一ノ瀬:よし、帰ろう!

○○:美空は家まででいいの?

そう言うと賀喜が○○の手をつねった

○○:イタ

一ノ瀬:ん?家までお願い

賀喜はその間もずっとつねったまま

○○:遥香いたいよボソッ

賀喜:フン

一ノ瀬:2人はほんとに付き合ってるの?
なんかそんな風に見えないよ

○○:付き合ってるよ

賀喜:失礼だよ、○○を奪おうとしてるくせに!

一ノ瀬:奪う!?そんなことしないよ!ひどい!

○○:遥香落ち着こ?

賀喜:なんで○○お周りはいつも女がいるの!
もうやだよ!

一ノ瀬はとても驚いた顔をしていた
それはそうだ、さっきまで一ノ瀬は賀喜と仲良くなれると思っていたからだ

○○:ごめん、美空今日は1人で帰ってくれる?

一ノ瀬:うん、わかった
じゃあね

賀喜はしゃがみ込んで泣いていた

○○:遥香、ごめん

賀喜:○○は謝ってるだけでなにもかわってないじゃん!

○○:なにをどうすればいいかわからないんだよ

賀喜:簡単じゃん!私を一番に考えてって前に言わなかったっけ?

○○:考えてたつもりだよ
でもこれでわかった

賀喜:え?

○○:俺たち一緒にいるべきじゃないね

○○はついに言ってしまった
賀喜の顔が見れない、きっと悲しい顔をしてるはず

賀喜:なんでそんなこと言うの?

○○:ごめん、一旦今日は帰って冷静になってからまた話そう

賀喜はどんどん離れていく○○の背中を見えなくなるまで見ていた
街灯がぼやけて見える
○○にぶつけた言葉をなかったことにしたい

でもできない
後悔を繰り返しながら賀喜は眠りについた

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