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怪異人形開発部活動報告書

こんにちは
部長の永見です。

我らが怪異人形開発部も今年で創立2000年を超える歴史あるサークルとなり、今回開発した怪異人形「めりいちゃん5号」はこれまでにない革新的な機能を備えてバージョンアップすることができました。

当初、家庭の悩みの原因である怪異人形を技術的な観点から再利用できないかという動機から発足したサークル活動は、興味・関心が共通している人同士が、サークルを通して呪術や神道をより深めながら活動し、会員はその活動をバックアップする役割がありました。この役割には、サークル全体の目標として次の3つを挙げています。

◆サークルの目標

 ①関心のある分野で先輩や仲間と共に自ら積極的に学ぶ機会を作りましょう。

 ②会員同士の交流の場を作り、学園からのサポートを得ながらサークル活動に貢献しましょう。

 ③活動状況を『会員活動報告書』や年次大会などの発表につなげて、自他ともに研鑽・向上を目指しましょう。

以前の「めりいちゃん初号機」の痛ましい事件から早5年。2号は自爆、3号は金庫に入れて寺に奉納、4号は溶岩に突き落とし破壊させるなどの困難を乗り越えて生まれた今回のめりいちゃん5号は、従来の自衛能力はもちろん。モバイルバッテリーとして使える機能や、Airdropで簡単に相手の生殖能力を喪失させる機能などより便利な怪異人形として完成できたと感じています。

さて、年次大会を間近に控えた今、様々な話題が学園をにぎわせていますね。生物部の人工モスマン殺人事件。廃村散策会の食人族村落放火事件。予言予知研究会による2222年新世界創成の予測結果などをはじめとした学園全体の盛り上がりに埋もれないように、我々怪異人形開発部も今回開発しためりいちゃん5号を使って、学園全体で参加し、盛り上がれるようなイベントを計画しています。

それが「怪異人形バトルロワイヤル」です。

そもそも従来では人工の怪異人形は天然物に比べて「怨」の質が悪く、外装の強度も脆いという欠点がありました。そうした過去のイメージを払拭しつつ、学園の皆様がこれを機に怪異人形に触れて、少しでも楽しんでいただければなと思います。

ただ、こうしたイベントの開催にあたって、今日はこれを読んでいるみなさんに、「怪異人形」とはなんなのかを知ってもらえたらなと思い、我々の活動内容から怪異人形の生態を書いていこうと思います。

まず、「怪異人形」とは「人間」です。

これは比喩的表現などではなく、実際に人の思念を媒体にして動いているということです。人間の死ぬ瞬間に失われるはずの7グラム、それが半永久的な活動を促す怪異人形の夢のエネルギーという訳です。

去年、モンゴリアンデスワーム捕獲部に協力を促された時に貸し出した「めりいちゃん4号」は実際にヌバ族の戦士、シコッテ・ネテイロの魂を移植して作られました。

アカシアの枝を用いて、モンゴリアンデスワームの肢体を裂き、灰で覆われたトウモロコシで星に祈りを捧げるあの動作。やはり生前の風習が色濃く反映されている証でもあると考えています。

こうした人の遺志そのものである怪異人形は、扱いを間違えることで危険を及ぼす代わりに、適切な管理と指導の元でならよりよい未来のための架け橋になると確信しております。

どうか、これを見ているみなさんも、偏見や差別だけで物事を見るのではなく、変わりゆく時代の流れを柔らかい視点で俯瞰し、寛大な心で接していこうではありませんか。

最後に、これまでの活動によって命を落とした会員582名に哀悼の意を表します。

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