おおよそモレなくダブりなく

MECEという概念(?)

Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの頭文字であり、検討するときに漏れなくダブりなく検討すると良いという考え方。

検討モレがあると、最善の打ち手を思いつけなかったり、クリティカルな原因の見落としになってしまう。また、ダブりがあるとその分だけ思考リソースの無駄になってしまう。つまりモレなくダブりなくというのはおおよそ望ましい心構えであろう。

ダブりなく、という部分は見ればわかる。要素を並べてみてダブっている内容があればそれを除いてしまえばよい。一方で、モレなく、という部分がかなり曲者である。モレが”ない”ことをどうやって証明すればよいのか。”ある”ことの証明は簡単である。一つでも例を挙げればよいのだから。しかし”ない”ことの証明はかなり難しい。
全体が限られている場合は可能であろう。清廉潔白で優秀な現役議員がいないことの証明を例に考えてみたい(あくまで例として考えた机上の空論であり、具体的な誰かを誹謗中傷する意図はない)。なにをCriteriaとするか、どこで区切るかについてはかなりの議論の余地があるが、ひとまず「献金を受け取っていない」「議場で居眠りしたことがない」「過去に一切の犯罪を犯したことがない」で考えてみよう。現役議員の総数は地方議会含めて多くてもせいぜい数千人以下であり、一人ひとりについてCriteriaを満たすか検討していけば”モレなく”は容易に達成できる。
しかし、ビジネスや研究などの場合は、全体が限られていない。言い換えれば、アイディア次第で無限に近い可能性がそこに存在する。それを文字通りすべて検討することは不可能であり、またすべて検討したという証明もまた不可能である。

そうなると、我々が目指す”モレなく(ダブりなく)”はどうやって達成すればよいのだろうか。

モレなくダブりなくを目指す理由について立ち返ってみたい。

我々はなぜモレなくダブりなくを目指すのか。意思決定の際に致命的な失敗を避け、最大の利益を得るためである。つまり、致命的ではない失敗につながるリスク、またはわずかな利益にしかならないような要素は切っても構わないと私は考える。そうすると、我々はクリティカルな要素、インパクトが大きい要素だけを考えればよいことになる。どこまでをクリティカル/非クリティカルとするかは各人の判断や置かれた状況によって異なるが、例えば、インパクトが大きい要素Top3のように思い切って切ってしまうことが可能ではないだろうか。

また、以下の方法も良いとGPTさんが言っていた。

  1. チームでブレインストーミング: 複数の視点から問題を考えることで、一人だけでは見落とすかもしれない要素を見つけ出すことができます。

  2. 既存のフレームワークやモデルを使用する: 既存のフレームワークやモデル(例えば、SWOT分析やポーターの5力分析など)を使用することで、全ての重要な要素をカバーしていることを確認することができます。

  3. 反証を探す: あなたが全ての要素を考慮に入れていると思う場合、それを否定する証拠を探すことで、見落としている要素がないか確認することができます。

  4. 反復的なプロセスを行う: MECEのフレームワークを作成した後も、新たな情報や視点が得られたときにはそれを反映させ、フレームワークを更新することが重要です。

  5. 専門家の意見を求める: あなたが分析している領域の専門家に相談することで、見落としている要素がないか確認することができます。

つまるところ、手が止まったまま締め切りを迎えるよりは、とりあえずおおよそモレなくダブりなくの状態で検討を進めつつ、平行してモレがないか探してモレがあればその都度検討事項に追加するのが良いということであろう。


最後にMetaのザッカーバーグ氏の名言(とされるもの)で締めたい。

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