Mt富士ヒルクライム2023 選抜61分3秒(ネット60分59秒) 18位 レースレポ 

✳︎はじめに
どうも、ミニマムナオキ です。
昨年に続き今年も選抜クラスに参加させてもらった。結果は見出しの通り今年最大の目標であった60分切りには至らなかった。ただ昨年の62分24秒よりも約1分30秒近くタイムを短縮出来た。タイムを短縮出来たのは来年向けての希望だ。
また、強豪クライマーらと30分間だが一緒に走れた事。
それは自分が成長した証とも言える。
そして、その中で選抜入賞組の圧倒的な力の差も見せつけられた事も実に素晴らしい体験だった。

これらの結果を踏まえ、今年どんな練習をし、どんなレース運びを想定し、実際はどうだったのか、何が良くて悪かったのか、そして、来年選抜で戦い抜くために何が必要なのかを考察し、まとめて行こうと思う。
注)以下の文は筆者が個人的に思う考察であり万人に該当するものではない。

①筆者のスペック
36歳→2023.6月で37歳となる3歳と1歳の二児の父
看護師として夜勤当直有りの仕事をしている。
不定休

身長156cm
当日体重約46.7kg

得意なコース 乗鞍長野側 もしくは平均勾配6〜7%が45分から60分続くコース

苦手なコース
軽量級の為緩斜面、平坦寄りのコースは不得意。
よって富士ヒルクライムのコースは相性は最悪だ。
その他、白石峠みたいに20分全開走をするコースなど短時間高強度は苦手である。

当日機材
バイク YONEX HR
ホイール CORIMA MCC+47 TU
タイヤ VELOFLEXPROTOUR RACE TU
フロントシングル 
F38±2  R11-27
バイク重量 5.2kg

緩斜面である富士ヒルのコースレイアウトに合わせ空力+軽さを合わせたセッティングとした。

筆者のパワーについて
当日の体重(衣類、シューズ等は入れていない)に合わせてPWRの一欄↓
当日体重46.7kg
220w  4.7倍
230w 4.92倍
240w 5.1倍
250w 5.35倍
260w 5.56倍
270w 5.78倍
280w 5.99倍
290w 6.2倍
300w 6.42倍
350w7.49倍
400w8.56倍

である。

②取り組んで来た練習内容
まずはじめに去年62分で走ったと記述したが
去年のレースは始まって10分ほどで終わった。
計測地点超えたと同時に速度が爆上げであっという間にオールアウトになってしまいレースどころではなかった。
まずは序盤の一合目下駐車場までついて行く対策をしなければならない。
選抜に出た選手はもちろん、YouTubeのレース動画やブログ、Twitterなどで知っている方はいると思うが選抜のレースの『序盤から中盤に入るまで』の展開は簡単にまとめるとこうだ。

①スタート直後〜1合目下駐車場 PWR6倍〜7倍以上の上げ下げ
②1合目から緩斜面に入るまで PWR5倍〜
 ※去年は1合目手前で私は千切れた。
③入賞メンバーがローテ、もしくは逃げを追いかけつつ5倍から6倍近くで先頭グループを形成する為、グループに付いていけない選手が落ちて所々で中切れが発生し、ブリッジする事になる。
よって
ブリッジの際に6倍以上のPWR必要とされ、その力を持っていないと自分も落ちる。→中盤に入るまでの入賞メンバーグループ形成までの間、無限クリスクロス状態
しかも緩む際の最低のパワーでも5倍ほどで巡行し、上げる時はPWR6倍7倍が必要のクリスクロス状態である。

これらがレース序盤から中盤10キロぐらいに入るまでの展開である。(筆者の考え)

去年の反省を踏まえ、まずは①②③を想定した練習を今年は取り組んだ。まずはこれらのセレクションに耐えなければレースは終わるかだ。
さらに軽量級の私は富士ヒルの緩斜面コースだと平坦の加速時に余計なパワーを要する為、自分より体重がありパワーがある選手より一際PWRを要する事となる。

☆まず目指したものは40分5.5倍を維持できる体☆

プラチナを目指すに当たり必要なのはこのPWR値と判断。昨年プラチナを取った天照のNさんの動画を脳裏に焼き付くほど見たが30分〜40分間、なんとか先頭グループに着いていけば60分切りの可能性は高くなる。もちろんレース展開にもよるが、、、
個人的に考察した先頭グループについていき、千切れるまでの時間別プラチナ取得パーセンテージは
30分...60%
40分...70%
45分...80%
50分...90%
55分...95〜100%
※あくまで60分ギリギリ切る事を想定したパーセンテージ

よって約40分耐え抜くにはベースとしてPWR5.5倍必要と考えた。
5.5倍の出力が維持出来ればドラフティングで力を抜く時は4倍後半くらいに収まり心肺、足を休めることができるからだ。

練習内容
FTPを上げるのに手っ取り早いのは
リアル峠の全開TTをする事。
今年もやる事は変わらず週3回に10分から40分の峠TTを限界まで追い込む。
その他、ヒルクライムのセオリーとは反する『序盤6倍で突っ込んで5倍で走る』練習をした。富士対策だ。
あとは流しでロングをする事を徹底。もちろん時間の都合上、ZWIFTでもアルプTTしたりしていた。
去年より育児の都合上で練習時間は減った為
ロングによる低強度は減り、中〜高強度を徹底的に叩き込んだ。

今年の週の練習時間は平均15時間 400キロ
獲得標高は5000mを目安に取り組んだ。
(育児の関係で昨年と比べ練習時間は減っている。昨年はほぼ毎月、月間2000キロ 獲得標高30000をこなしていた。)

練習の成果として今年は
①ハルヒルコース単独40分台を連発ソロだと約240w約PWR5.3倍
(本番も富士ヒルを想定して序盤6倍強で突っ込んでへたり40分14台と単独タイムと変わらず、まさかのタイムで落ち込んだが切り替え。)

②赤城畜産〜新坂平 5月25日に体重46.9kgで単独45分 250w PWR5.3倍
その他46分台を連発


その他、赤城山にある激坂コースの利平茶屋コースも下記の写真の通りで、

このセグメントではキナンのトマルバと互角

と練習時間は減ったがその分疲労回復を促し、高強度の時間を増やした為、ベースの底上げに成功し、過去最強は間違いなしだった。

しかし、上記に記述した『40分5.5倍』はほど遠く、当日までに達成出来なかった。

5.5倍40分維持出来れば
おそらくだがハルヒルコース単独38〜39分、赤城畜産〜新坂平は単独43〜44分は行けたはず。

そして問題はこの単独で出したタイムはあくまで『自分で走ったペース』であり、いざレースになると不定リズムのクリスクロス状態で自分のペース走は出来ない。
走り方のリズムが変わってしまい本来の100%の走りは出来なくなる。その対策がクリスクロスもしくは自分より強い選手に引きづり回される練習だがクリスクロスの練習はベース作り強化に重点を置いていた為、手付かず状態。
仕事、育児でチーム練習もろくに参加できずソロでの練習が9.5割をしめており6月を迎えた。
正直、この段階で今年のプラチナ取得は黄色信号だった。

☆減量について☆
ハルヒル時は前日47.8kgだったが
富士がメインターゲットレースだった為
富士に合わせ減量のピークを合わせた。
前日起床体重は46.5kg


前日の夕方も夕食後で46.7キロと完璧に調整出来た。
減量の仕方は糖質オフ+高タンパク。

メモとして
前日の食事は朝はプロテインバー 昼はパン3つ
夕食はおにぎり3つ、あんパン、野菜ジュース
脱水予防でダカラやポカリをガシガシ補給した。
当日は大福にミニあんぱん2つ、プロテインバー、アミノバイタル各一本

☆レースの作戦☆
今年の目標であった40分5.5倍の基準は満たされず当日を迎えた為、40分脚を温存しながらでもおそらくはそこまでは先頭グループにはついていけないと判断。その為、30分はなんとかくらいついて行き、あとは自分のペース走に持ち込み60分ギリ切るか、もしくは60分台ぐらいを目標に定める。今年プラチナ取れたらラッキーぐらいな気持ちで行った。

あとはなるべく前方位置を確保して出来る限りブリッジの回数を減らし足のダメージを極力抑えたいというのが作戦。

③本編へ。

☆前日☆
前橋を7時に出て9時半にホテル駐車場に着。
チームメイトと合流し、お土産を買ったり受付をしたりして過ごす。
向かう途中は、土砂降りだったが、
午後には晴れ、河口湖を一周して筋肉を刺激。

最高のサイクリングとなった


夕食は記述した通りコンビニでおにぎりを買いホテルへ。

男3人でプチ修学旅行で久しぶりに家族無しでの談話。ヒルクライムの練習法など語り合い気晴らしして明日に備えた。


☆当日☆
朝2時起床。
入浴し軽く汗を流して血流を流し身体を覚醒させた。
OS1を飲みつつ食事をし決戦の地へ。

朝5時の富士


今年は晴れた。いつ以来だろう?初めて参加した2016?以来かな。
しかも風もなく、プラチナの狙うにはまたと無いほどの快晴。寒さに弱い筆者も暖かいと感じるほど最高のコンディションだった。
球場周辺でアップを済ませて6時になり、選抜の待機場へ。
相変わらずすごいメンツである。コロナも落ち着き知名度の高い選手らも戻ってきた。
知り合いの選手らに挨拶を済ませ、いざスタートへ。

☆レースレポ

去年は10分で終了した選抜クラス。今年は30分、可能なら40分は先頭グループについて行きたい。作戦通り無理しないパワーで番手を上げることに専念する。

パレードランから位置通りが始まっている。中盤あたりに位置する。パレードランから計測地点手前の交差点を左折すると同時に一気にみんな加速。
そしてスタート開始。
いきなりk君とMさんが飛び出した様子。
一気に活性化。
同時に乗鞍で最後の対決をするであろうライバルのOさんに『頑張りましょう!』と声をかけて自分も無理しないパワーで加速。
ブリッジを避けたい為、前方に位置したいが中々前方に出れない。
とりあえず中盤を維持しつつ対応。
周囲から『7倍出てる!』と声も聞こえている。
チラチラパワーを見るがやはり5〜7倍を行ったり来たりしている。
とは言え去年よりペースは遅くきつくはない。

料金所までのパワー

スタートから料金所まで272w5.8倍

252w約5.4倍

248w約5.3倍
この区間までは淡々と回し対応。去年より余裕がある。

265w約5.6倍
この辺りでパラパラと選手が落ち始めるが力のある選手らはまだまだ余裕そうだった。
まだ集団も大きく脚を使わず対応出来た。
そして、一合目駐車場の去年ちぎれた区間へ。
やはりこの辺りで一度目の篩がかかり付いていけない選手らが落ち始めブリッジをせざるを得ない状況となる。しかも一合目駐車場前で大幅な中切れもあり、一気にペースを上げ番手をあげる。この際ストラバでは全体の2位にランクインするほどのペースアップ。↓↓

リーダーボードが2位に入るほどペースアップ

ストラバ上区間で全体2位なるほどペースで先頭付近まで駆け上がっている。データの数字以上に消費した可能性があった。
そして、6.5キロ付近で先頭グループに追いつき
そのままキープ。

ビン牛乳さんより拝借。

ピンクジャージが筆者である。
この時点ではまだまだ余裕があり今年はついて行けてるぞ!と心の中で叫んでいた。

隣の選手は今大会のチャンプのk君

7.7キロ地点で優勝したチャンプに『ついていけてるよ!』と声をかけているシーン。
一応チームメイト?なので。
チャンプは苦笑いしていたなw
この時点でもまだまだ元気で『プラチナの『プ』が頭に浮かび始めていた、、

ただこの後だ。1番やってはいけない事。
それはこれだ↓↓

選抜の先頭を走るやってしまった図

この先頭グループで1番弱い私が何を勘違いしたか先頭に出てしまうやらかした図である。
場違いだし、なぜ自分よりも遥かに強い選手らの先頭に出てしまったのか。
もちろん、すぐに交代を促し変わってもらったが緩斜面でもある場所で余計なパワーを使い無駄足を使ってしまった。
ただすごい気分は良かった。

あとはアドレナリンで誤魔化されていたが、やはり安定しない加減速で本来のリズムで走れず、脚を使い無駄なパワーを出していた為、ダメージが蓄積され疲労があらわに。
なるべく前に出ない様、先頭グループの後方で脚を休めそのまま10キロ地点まで経過。
この辺りで呼吸も苦しくなり始めたが、まだまだついて行けそうな為、食らいついた。

10キロ区間までは今年の5位に入っている。

10キロまではついていているが徐々に限界値に近づいてきていた。
だがプラチナ圏内の為、このままついて行かなければ終わると思い、必死でしがみついた。
しかし11キロを超えたあたりでこのままだとオールアウトすると判断。
30分で今年は千切れた。
あっという間に先頭グループから離れてしまい、この時点でプラチナは五分五分。単独だと赤信号。

12キロ地点くらいでチーム光の選手が落ちてきた為、ローテ開始。『あの先頭グループのペースはマジでやばい』と会話しつつ走る。
しかし中盤以降は緩斜面が続く場面が多く、かなりキツくほぼ引いてもらってしまい、なんとも情けなかった。

大沢駐車場までギリギリプラチナ行けるか行けないかくらいのペースで通過。
しかし、2人ともすでにヘロヘロでペースも上がらず。酸素も薄く寒い為か呼吸がとんでもなく辛い。後ろを振り返ると3人きている。
平坦区間までに追いついてくれればローテでペースアップ出来るか?と考えつつ走る。

山岳スプリント区間を超えて
ラスト3キロ?ぐらいで後ろの3人の選手、Oさんらに追いつかれ残りの距離をローテしながら進む。しかし、みんなで回すが疲労でスピードが上がらずこの時点でプラチナは完璧に無理だと悟っていた。ラスト1キロくらいで落ちた選手1人を吸収し、ラストスプリントしてフィニッシュ。

ゴール前ラストスプリント
グロスタイム
ネットタイム 一歳刻みでは1位

いやー、予想通りのタイムでびっくりだが
プラチナ獲るにはラッキーもクソもなく実力が無いと取れないというのをまざまざと見せつけられた結果となった。

④レースを終えてのまとめ
今回は紛れもなく過去最高の自分と最高の天気、環境だった。
しかし、60分切りはならなかった。
間違いなく単なる実力不足を露呈。
入賞した選手らはあのあとさらにペースアップをしての57分台。別格だ。
ただ去年10分しかついて行けなかったところを
今回は30分と大幅についていけるまでに成長出来たのは今後の大きな糧だ。
ただあと5分付いていける力があれば60分切りが出来ていたかもしれない。まぁそこでオールアウトしてヘロヘロなら取れないが、、、
やはり目標に掲げていた40分5.5倍という数値は来年プラチナを取るための絶対的なPWRと筆者は考える。
そして、プラチナを獲るじゃなく『入賞する』という強い気持ちが無いといけない。入賞出来なかった選手の勲章がプラチナ、、と天照の突撃王が言っていたらしいがその通りだと思う。

その他やるべき事は
やはり30分耐えられるクリスクロスなどのインターバルはやはりすべき。乳酸閾値を刺激し心拍をいじめ抜く事は必要不可欠だった。

あとは試走はしとくべき。
時間や金銭の都合上、困難であったが富士ヒルの様な長いコースは自分なりに予習しておくべきでペース配分、高地の酸素濃度による身体的症状など把握しておくべきだった。

⑤来年プラチナを獲るためにやるべき事。
※『プラチナを獲る』でなく、『選抜で入賞する』という気持ちを持つ事。
※40分PWR5.5にする
※クリスクロスを週1〜2回取り組む
※試走はする

最後に
継続は力なり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?