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好きになっても…いいですか?⑦

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5人用(男2 女2 不問1)

登場人物

中山美緒 みお 22歳 女 IT企業の社会人1年目、頑張り屋過ぎて空回り、恋も仕事にも不器用

中島瑠衣 るい 27歳 男 美緒の先輩 面倒見がよく、頼まれたら断れない性格

立花由香  ゆか 26歳 女(実は28歳)帰国子女 容姿端麗 高飛車で素直になれない性格

相田咲夜 さくや 22歳 男
元ホスト 女の子に目がない、瑠衣をライバル視している

一ノ瀬 樹  いつき 12歳 小学生 生意気 寂しがり屋

作品紹介

前回までのあらすじ
新年を迎え、島田部長の娘 菜々子が新入社員として入社 初恋の相手 瑠衣に再会、美緒との仲を邪魔する、瑠衣の実家にて、美緒と菜々子が料理対決!?波乱の恋模様の中、無事に初詣も終え、決意を新たにした矢先に…今度は瑠衣に恋のライバル出現か!?…第⑦話スタートです!

本編

美緒:すみませんっ!アンケートに御協力くださいっ!御協力くださった方には景品を差し上げてますっ…え?…はいっ!ありがとうございますっ!…瑠衣先輩っ!こちらのお客様がアンケートに答えてくれるそうですっ!ご案内お願いしますっ!

瑠衣:OK!美緒ちゃんっ!ありがとうございます!では、どうぞっこちらにおかけ下さいっ!

由香:お?真面目にやってるじゃない!お疲れ様っ!美緒ちゃんっ!

美緒:…あっ由香さんっ!見に来てくれたんですか!?

由香:ちょっと近くまで寄ったついでにね…それにしても…休みの日にまで、こんなデパートの広間で仕事させられるなんて…島田部長の指示とはいえ…ご苦労様ねっ!はいっ差し入れのドリンクっ!

美緒:わっ!ありがとうございます!まあ…仕事だけど、休日も瑠衣と一緒にいられるんで….えへへ

由香:はぁ〜そうっ…それは良かったわね…ところで…もう1人のスタッフは?

美緒:…ああ…相田さんなら…あそこでウサギの着ぐるみを着て風船🎈配ってくれてますよっ!ふふっ

咲夜:やぁ!そこの可愛いお嬢さんっ!僕からのあつ〜い気持ちを込めた風船♡…もらってくれるかい?…あっちょっと…また君も受け取ってくれないんだね…つれないけど…そんな君も素敵だよ…ああっ一体どこにいるんだ!オレのマイスィートハニー!

由香:はあ…誰があんな気持ち悪いもの詰め込んだウサギから風船🎈受け取るのよっ!美緒ちゃ〜ん…やめさせた方がいいんじゃない?

美緒:あ、でも…子供達からは人気なんですよっ!家族連れさん達も来てくれてますしっ…あっほらっ!

咲夜:ちょっ、ダメだってっ!ウサギの耳を引っ張らないでっ!いや殴っちゃダメでしょっ!あっ顔はやめてっ!そうそうそうっボディーならワンチャンOKっ!いやいやっダメだってっ💦マジ痛いからっ!ホンットやめて〜!

由香:…あ、本当だ…大人気じゃないっ!あはははっ!

瑠衣:お?なんだっ…由香っ…来てくれてたのかっ?

由香:瑠衣っ!お疲れ様っ!思ったよりお客さん来てくれてるじゃないっ!まあ〜私が手伝えばもっと行列が出来るだろうけどねっ!

瑠衣:そう言うなら手伝ってくれよ〜こっちは猫の手も借りたいってのに…

由香:嫌よっ!せっかくの休日なのに…私だって色々と忙しいのよ…今日はこれから、エステに〜ネイルサロンに〜…あっそ〜だわっ!美容院にもいかないと行けないしっあ〜忙しい忙しいっ!

瑠衣:はあ〜それは大変そうだな…

由香:まあ…瑠衣も美緒ちゃんもほどぼどに頑張りなさいよ…私、相田君をからかってから行くわねっ!じゃあまたねっ!

美緒:はいっ由香さんっ!差し入れありがとうございます!

瑠衣:由香のやつ…忙しいとか、なんだかんだ言ってたけど…結構暇そうだよね?…

美緒:ふふふっ…あ、瑠衣っそろそろ休憩の時間だし、先に一緒にお昼にしない?

瑠衣:そうだねっ!お客さんもちょうど空いてきたし…後は他のスタッフに任せても大丈夫かなっ…よしっ行こうか!

美緒:うんっ!

(フードコート ランチ中)

瑠衣:そう言えばさ…最近、由香と相田君…仲良いよねっ

美緒:あっ!私もそれ思ったっ!…よく2人で飲みに行ったり話してるところ見るし…由香さんと相田君って相性良さそうだもんねっ!

瑠衣:うんうんっ…でも由香がからかってるだけのような気もしないでもないけど…相田君は由香の事どう思ってるのかな?

美緒:う〜ん…どうなんだろう?でも嫌いではないと思うんだけどな〜

瑠衣:…………

美緒:?…瑠衣?どうしたの?急に黙り込んで…

瑠衣:…美緒ちゃん…あの子…迷子かな?

美緒:?…あの男の子?…小学生くらいかな…

瑠衣:うん…さっきから1人で、まわりをキョロキョロしたり…うつむいたり…ちょっと気になって…てっ…え…美緒ちゃん?…

(美緒が男の子の前に屈む)

美緒:…君…1人?お母さんかお父さん…誰か大人の人は一緒じゃないの?

樹:…………

美緒:ねえ?聞いてる?お名前は?

樹:うるさい…

美緒:え?

樹:うるさいっ!…どうでもいいだろっ…ふんっ…

美緒:どうでもよくないよ…君…迷子でしょ?

樹:ち…ちげぇし…人を待ってるだけだよ…

美緒:ふ〜ん…そうなんだ…じゃあお姉さんと一緒に待ってよっか?

樹:は?…あんた…誰?

美緒:私は中山美緒…君の名前は?

樹:……いつき…一ノ瀬…樹…

美緒:樹君ねっ!…ねえ?お腹すいてない?お昼だし…良かったら一緒に食べない?

樹:…別に腹なんか…減って…(腹の音)…あ…

美緒:んふふっ…おいでっ!(樹の手を取る)

樹:あっ!ちょっと…オレは…腹なんかっ…手っ…離せよっ!…おいってばっ!

美緒:いいからっ!いいからっ!

瑠衣:…あ、美緒ちゃんっ…その子…

美緒:瑠衣っ…この子…一ノ瀬 樹君ていうんだけど…やっぱり迷子みたい

瑠衣:そっか〜…そりゃ〜心細かったよな

樹:だからっ迷子じゃないってっ!…なんなんだよっもう…オレは1人でもなんともないよっ…(腹の音)…あ、ああっ…

美緒:ふふっ樹君、お腹空いてるみたいなのっ!

瑠衣:そっかっ!じゃあ…適当に何か買ってくるよ!

美緒:うんっ!瑠衣っ!ありがとうっ!

瑠衣:ちょっと待っててね!樹君っ!

樹:あっ!ちょっとっ…はあ…

美緒:待ってる間、お姉さんとお話でもしてよっかっ樹君は今日は家族で買い物に来たのかな?

樹:……どうもでもいいだろ…そんなこと…それより…さっきのオッサン…誰?

美緒:オ、オッサンっ!?…もしかして…瑠衣の事?

樹:あのオッサン….瑠衣っていうんだ…アンタの何なの?

美緒:瑠衣は私の…

瑠衣:はいっお待たせっ!ほらっ樹君っ!好きなもの好きなだけ食べていいからねっ!

樹:こ、こんなに食べられるかよっ!ってかどれだけ買って来てんだよっ!

瑠衣:そう?育ち盛りだから、このくらいは食べるかなっと思って…

美緒:もうっ瑠衣ったら…さすがにこれは買いすぎだよっ!ふふふっ

瑠衣:そうかな?やりすぎたかな?あはははっ

樹:……なあ?あんた達…暇?

美緒:え?私達は…この後も仕事だけど…どうしたの?

樹:暇ならゲーセンに付き合って欲しかったんだけど…

瑠衣:…ゲーセンか…いいよっ!行こうっ!

美緒:瑠衣っ!?…午後からのお仕事はどうするの?

瑠衣:まあ、午前中はオレ達、結構頑張ったんだから…少しくらいなら…ねっ?美緒ちゃんっ

美緒:う〜ん…じゃあ少しなら…大丈夫だよっ樹君っ

樹:いいの?なら、これ食べたら行こうぜっ!

(ゲームセンター)

瑠衣:懐かしい…ゲームセンターなんて学生以来だな〜

美緒:へぇ〜瑠衣ってゲーム上手いの?

瑠衣:一応ひととおりのゲームはやった事はあるかな〜美緒ちゃんは?

美緒:私は…リズムゲームなら…得意かな?

瑠衣:へぇ〜そうなんだ〜

樹:う〜んどれにしようかな〜…あっ!最初はこれがいいなっ!ガンシューティングゲームっ!…あ、そうだっ!せっかくやるならさ〜オッサンっ!勝負しようぜっ!

瑠衣:オッ…オッサン!?…え…美緒ちゃん…オッサン…て…オレの事なの?

美緒:こらっ!またっ…樹君っ!オッサンじゃなくてっ瑠衣って呼ばないと…

樹:いいじゃんっ!オレからしたらオジサンだも〜んっ!へへっ

瑠衣:初めて言われたよ…美緒ちゃん…オレ…もうオジサンなんだね…

美緒::瑠衣…元気出してっ!子供の言う事なんだから…あまり気にしないでっ!

樹:でも…ただ勝負しても面白くないし…そうだな〜?勝ったほう方が〜…(美緒をみる)

美緒:ん?樹君?…私の顔みて…どうかしたの?

樹:よしっ!決めたっ!勝った方が美緒からキスしてもらう!

瑠衣:ええ!?…美緒ちゃんから…キス!?

美緒:ちょっとっ樹君っ!勝手にそんな事決めないでよっ!

樹:どうする?やるの?やらないの?オレに負けるのが怖いならやめてもいいんだよ〜オジサンっ!ふふふっ

瑠衣:…っ…やるさっ!美緒ちゃん…見てて…絶対に勝つからっ!

美緒:瑠衣まで…そんな…

樹:よーしっ!決まりだねっじゃあルールは3つのゲームで先に2勝した方が勝ちね!

瑠衣:…わかった…最初はガンシューティングゲームだっけ?

樹:そうっ!ゲームオーバーした時点でスコアが高い方の勝ちっ!同時プレイだから先行後攻も無いしいいでしょ?

美緒:瑠衣…ホントに大丈夫なの?もし瑠衣が負けたら私…樹君に…その…キス…しないとなんだよ?

瑠衣:うん…それだけは絶対に阻止しないとっ…だから絶対に負けられないっ!美緒ちゃん…これは男同士の勝負なんだっ

樹:それじゃあっ準備はいい?

瑠衣:ああっ!いつでもこいっ!

美緒:…瑠衣…頑張ってねっ

樹:READY?GO!!

瑠衣:よしっ!

あ、ゾンビが向かって来た…捕まらないように撃って戦えばいいんだね?

樹:そうそうっ!捕まったら噛まれてライフが減っちゃうからね〜!無くなったらゲームオーバーだから気をつけてっ!それっ!よしっと!

美緒:あっ!瑠衣っ!前から来たよっ!注意してっ!

瑠衣:OK!美緒ちゃんっ!それっ

!やったっ!

樹:あはははっ!一体倒したくらいでそんなに喜んでたら、この後大変だよ!よっ!はっ!たあっ!

美緒:…凄いっ…樹君もう…10体も倒してる…瑠衣も頑張って!

瑠衣:まだまだっ!勝負はこれからだよっ!はっ!やっ!てやっ!

樹:へぇ〜!オジサンなかなかやるじゃんっ!見た目に限らず運動神経いいんだね〜!もっとトロそうに見えたけど…

美緒:瑠衣はこう見えてもっ仕事も運動も得意なんだからっ!

瑠衣:こう見えてもって…美緒ちゃん…それ、褒めてないからね…あっ!ゾンビが大量に襲ってきたっ!

ど、どうしよう…弾(たま)が足りないっ

樹:ゾンビを倒して、補給弾(ほきゅうだん)のアイテムを拾わないとグズグズしてたらやられちゃうよ〜!

瑠衣:ああっ…っ…クッソ…

美緒:瑠衣っ!早く早くっ!あっほらっ!目の前までゾンビが来てるよ!逃げてっぶつかるっ!キャー!!!

瑠衣:ちょっとっ!美緒ちゃんっ!?正面から抱きつかないでっ!画面が見えないからっ!…ああっ!噛まれた…

樹:あっはははっ!何やってんの?あ〜あ〜!やられちゃったね〜!まずはっオレの一勝だね!やりぃ〜!(๑•̀ㅂ•́)و✧

瑠衣:はあ〜負けたか〜…美緒ちゃん…もう終わったから…離れても大丈夫だよ

美緒:え?…あ、ごめんなさいっ!…ソンビがリアル過ぎて…瑠衣が噛まれちゃうんじゃないかと思って…

瑠衣:あはは…心配してくれてありがとうっ美緒ちゃん

樹:次はオジサンが何のゲームにするか?選んでいいよっ!負けた方が次のゲームを選択した方が公平でしょ?

瑠衣:え?樹君…オレが選んでいいの?

樹:いいよ〜!まあ何を選んでもオレが勝つけどね〜

瑠衣:う〜ん…どれにしようかな?…あっ!…ふふっ…これにしようかっ!

美緒:なになに?…働くクルマシリーズ?「フォークリフト検定」…何…このマイナーなゲームは…瑠衣?

樹:初めてみるゲームだな…でもクルマを動かして荷物を運べばいいだけだろ?

瑠衣:ふふっ…まあそうだね…樹君にはちょっと難しいかもしれないけど…どうする?やめとくかい?

樹:…ふんっ…それでオレを挑発したつもりなの?いいよ〜!このゲームでっ!

瑠衣:そう…いいんだね?…じゃあ簡単に操作方法だけ説明するね、まず右のレバーを前後すれば、前進後退、左右に動かせばリフトの高さを調整できる、左のレバーで左右に動かせば、左旋回、右旋回ができる…この3つの動きを組み合わせて、より正確に早く、荷物を指定の場所に移動した方の勝ち…わかったかな?樹君?

樹:わかったっわかった…オジサン…説明長いよ…美緒は今のでわかった?

美緒:…う〜ん…なんとなく?

瑠衣:じゃあ行くよ?用意はいい?

樹:おっけ〜!いつでも始めていいよっ

瑠衣:よしっ!じゃあ…READY?GO!!

樹:え〜と…前進は左のレバーか…あっ…違うっ…こっちか?

美緒:瑠衣っ速いっ!もう荷物置き場まで着いちゃったっ!

瑠衣:ふふっ樹君どうしたの?前進は右のレバーだよ?オレは経験者だからハンデがいるならいってね?

樹:…っ…いらないよっ!そんな余裕かまして…もし、これで負けたら美緒のキスはオレがもらうからねっ!知らないよっ!

瑠衣:そう?…じゃあお先にっ!

美緒:瑠衣…これが本当に男同士の戦いなの?ちょっと…大人気ないような気も…

瑠衣:美緒ちゃん…男には負けられない戦いがあるんだ…美緒ちゃんの唇はオレ以外に奪わせないからっ!本気で行くから観ててね!

美緒:…う、うん…瑠衣の本気…初めてみるかも…

樹:この荷物をつかんで…と…あっ…ちょっと…そこでなんで旋回するんだよ〜💦

瑠衣:目標物を…つかんで…載せて…移動…
つかんで…載せて…移動…

美緒:瑠衣の動き…ロボットみたい…どんどん荷物が積み上がっていく…

樹:はあ…やっと操作方法に慣れてきた!ここから追い上げるからね〜!美緒っ!観ててよっ!

瑠衣:お?すごいすごい!さすが樹君だねっ!じゃあオレも、本気出していきますかっ!おらよっ!っと

美緒:樹君は確実に1個1個素早く運んでる…それに比べて…え?…瑠衣っ!?それはいくらなんでもちょっと…持ち過ぎなんじゃない…?

樹:あはははっ!バカだな〜!そんなにたくさん一度に持ったら、重すぎてスピード出ないよっ!それに旋回したら倒れてきそうだしっ

瑠衣:ふふっ!それはどうかな?

美緒:え?嘘…!前進と後退を繰り返して、高さのある荷物を落とさないように、バランスをとりながらも前に進んでるっ?…瑠衣っ!凄いっ!

樹:ええっ!?ちっ…オレもあと少しなのにっ…

瑠衣:ふぅ〜…置き場に着いたな…荷物が倒れないように慎重に降ろして…そ〜と…ゆっくり…おしっ!置けたっ!後は綺麗に荷物を整えて…よしっ!完成だっ!

美緒:凄〜いっ!この勝負っ!瑠衣の勝ちだね!やったねっ!👏

瑠衣:どうだい?樹君っ!俺のハンドルさばきは?これで一勝一敗っ!引き分けだねっ

樹:…っ…ふんっなかなかやるじゃんっ!見直したよっ!オジサン…じゃなくて…瑠衣っ

美緒:あ?オジサンから瑠衣に呼び方が変わったっ!良かったねっ瑠衣!

瑠衣:うんっ!少しはオレの事、認めてくれたかい?

樹:オジサンって長いし呼びにくかっただけだよっ!あんまり調子に乗らないでよねっ!ふんっ!

瑠衣:ふふっ、はいはいっ…今回はオレが勝ったから、次は樹君が決める番だね?次は何のゲームにするんだい?

樹:…そうだな〜…あっあれは…懐かしいな…よく……と…やってたな…

美緒:ん?樹君…どうしたの?急にぼ〜として…

瑠衣:?へぇ〜…太鼓の達人か…

次はこのゲームにする?

樹:え?…ああ…そうだね…最後の勝負はこれにしよっかな!…あ、でも瑠衣はこのゲームやった事ある?

瑠衣:う〜ん、人がやってるのは見た事あるけど…オレがやるのは初めてかな?それがどうかしたの?

樹:オレは結構やり込んでるからさ〜!あっ!そうだっ!美緒も瑠衣と一緒やらない?

美緒:…え?私?

樹:うんっ!ずっとみてるだけだったしっ!リズムゲーム好きなんでしょ?さっき言ってたから

美緒:うん…でもいいの?2人の勝負なのに…

樹:ハンデだよっハンデっ!瑠衣がいいならいいよっ!2人でやったとしても、当然っオレが勝つけどね〜!ふふふっ

瑠衣:美緒ちゃん良かったら一緒にやろうよっ!

美緒:うん…2人がそれでいいなら…瑠衣…もし足引っ張ったらごめんねっ

瑠衣:大丈夫!大丈夫!オレも初めてだから助かるよ!

樹:そのかわり、オレが先行でもいい?

瑠衣:うんっ!いいよっ!

樹:じゃあ勝敗はオレのスコアを超えられたら、瑠衣達の勝ちねっ!いくよっ!

瑠衣:OK!お手並み拝見させて頂きますっ

美緒:樹君…自信満々だね…私で大丈夫かな…

樹:START!…まずはコンボ狙っていくよ!

瑠衣:美緒ちゃん…コンボって?

美緒:リズムに合わせて叩くタイミングを、ミスなく連続で成功させたら、ボーナスポイントがつくんだよっ

瑠衣:へぇ〜!おお〜!樹君すごいっ!今のところ…ノーミスじゃないかっ!

樹:えっへへ〜!ママと随分通ったからねっ…あ…

美緒:…ん?ママと?

樹:な、なんでもないっ!今ゲーム中だから話しかけないでくれるっ?

美緒:あっごめんなさいっ!

樹:よしっ!最後だっ!フィニッシュコンボ!

…あっ…1箇所叩きぞこなったかぁ〜!まあ、でもいいっかっ!…はいっ!次は瑠衣と美緒の番だよっ!

瑠衣:え?…ああ

美緒:樹君っ!すごいねっ!99コンボっ!ほぼパーフェクトなんだけど…

樹:まあねっ!これで美緒のキスは確定したようなもんだからっ…あとは精一杯頑張ってねっ!

瑠衣:あっそうだったっ!美緒ちゃんのキス…う〜!絶対に負けられないっ!頑張ろうっ!美緒ちゃんっ!

美緒:う、うんっ!あの瑠衣…私に作戦があるんだけど…

瑠衣:え?…作戦?

樹:ほらっ!どうしたの?やらないの?オレが強過ぎて怖気(おじけ)ついちゃったかな〜?ふふふっ

美緒:お待たせっ!樹君っ!いつでもいいよね?瑠衣っ

瑠衣:ああっ!…と…その前に…オレ達がもしこの勝負に勝ったら、ここに来た本当の理由を教えてくれないかな?…樹君…キミ…本当は迷子じゃないよね?

樹:…っ…わかったよ…約束するよっ…まあ、勝てたらだけどね?ふふふっ

瑠衣:約束だよ?じゃあ美緒ちゃんっ用意はいい?

美緒:うんっ!いつでもOKだよ!瑠衣っ!

瑠衣:START!それっ!きたよっ!美緒ちゃんっ!

美緒:了解っ!

瑠衣も次そっちいったよっ!

うんっ!ナイスっ!

樹:………

(回想)

樹母:ほらっ!樹っ!次が来たわよっ(由香と兼役)

樹:わかってるよっと!

あ、ほらっママもっそっち行ったよ!

樹母:それっ!

樹っ!教えてくれてありがとう!うふふっ(由香と兼役)

(回想)

樹:…ママ

美緒:瑠衣っ!あと少しだよっ!頑張ってっ!

瑠衣:OK!よしっ!最後のフィニッシュコンボコンボだっ!美緒ちゃんっ!一緒にいくよっ?

美緒:うんっ!それっ!

瑠衣:よしっ!パーフェクトっ!100コンボだよっ!美緒ちゃんっ!

美緒:瑠衣っ!おめでとうっ!やったねっ!樹君っ!勝ったよ!私達っ!

樹:ちぇっ….負けちゃったか…それにしても…美緒があんなに上手いなんてっ予想外だったな…瑠衣よりトロそうなのにっ!あははっ

美緒:どう?参ったかっ!瑠衣と私が本気を出せばこんなものよっ!な〜んてねっふふふっ

瑠衣:オレもびっくりだよっ!まさか美緒ちゃんが学生の時、このゲームをやり込んでたなんてねっ

樹:…だろうと思ったよっ…初心者の叩き方じゃなかったし…はあ〜騙された

瑠衣:樹君…約束は覚えてるよね?…話してくれないかな?

樹:…ふぅ…仕方ないな…えっと…何から話せばいいかな…その…ずっと待ってたんだ……オレがこのゲームセンターで遊んでる間に…いなくなっちゃったんだ…オレの母さん…

美緒:え?いなくなったって?どういう事?…お母さんが迷子になったって意味じゃないんだよね?

樹:言葉の通りだよ…どこにもいなくなっちゃったんだ…

瑠衣:つまり樹君を…置き去りにしたって事か…

樹:…そういう事…

美緒:…いつから…お母さんいないの?

樹:ちょうど2年前の今日…

美緒:2年前!?それからずっとお母さん帰って来ないの?…ひどいっ…

瑠衣:それで…樹君は、毎年、この日に帰ってくるかもしれない…お母さんを待ってるんだね

樹:うん…バカだよね…待ってても迎えになんか来てくれないのに…オレを…見捨てたんだもんねっ!あははっ…

美緒:瑠衣っ…ぐずっ…樹君が可哀想で…私…

瑠衣:美緒ちゃん…

樹:でも今日は美緒や瑠衣に出会って、一緒にゲームに付き合ってくれて…オレ、凄く楽しかったよっ!美緒からのキスは…ちょっと残念だったけどっ…って…ちょっとっ…美緒っ!?

(樹に抱きつく美緒)

美緒:樹君っ!我慢しないでっ泣きたい時は泣いていいだよっ!ぐずっ!え〜んっ!

樹:美緒…オレより先に泣いてどうするんだよっ!…まったくもう…でも、ありがとう…っ…

瑠衣:樹君っ!オレも楽しかったよっ!…あ、そうだっ!…良かったらさ、今度オレの実家に遊びに来ない?

樹:え?瑠衣の家に?

瑠衣:うん、オレが家を出てから、うちの母さん一人暮らしでさ、兄弟もいなくて寂しがってるんだっ樹君さえ良かったら是非遊びに来て欲しいんだけど

美緒:瑠衣っそれいい考えだねっ!私もまたお母様に会いたいし、そうだっ!今度、私と一緒に行こうよっ!樹君っ!

樹:瑠衣はいいの?オレなんかが…美緒と一緒に行っても…

瑠衣:樹君なら大歓迎だよっ!うちの母さんも賑(にぎ)やかな方が喜ぶしさっ!

美緒:じゃあ約束だよっ!樹君っ!一緒に行こっ!

樹:わかったよ…美緒がそこまで言うなら仕方ないな〜…ふふっ

瑠衣:あの…ずっと気になってたんだけど…美緒ちゃんを美緒って呼び捨てにするのは…ちょっと…なんていうか…美緒お姉ちゃんの方がいいんじゃないかな?

樹:え〜?美緒は美緒だよっ!瑠衣だって瑠衣なんだからさ…それともやっぱりオジサンの方が良かった?あははっ!

美緒:私は別に美緒って呼び捨てでも気にしないけど…なんか弟が出来たみたいで嬉しいからっふふっ

瑠衣:…そ、そう?じゃあ…まあ…いいかっ…いや、オレの事はオッサンではなく…瑠衣でお願いしますっ!

樹:OK!美緒っ瑠衣っ!…じゃあオレはもうそろそろ帰ろうかな…あんまり帰りたくないけど…特にやる事もないし…

美緒:あ、樹君っ!まだ帰りたくないんだったらさ…私達の仕事、手伝ってくれない?

瑠衣:あっ!忘れてたっ!そろそろ戻らないといけないねっ…樹君もどうかな?簡単な仕事だからさっ

樹:別にいいけど…ゲーセン付き合ってくれたし…

美緒:ありがとうっ!樹君っ!じゃあ戻ろっか!瑠衣っ!

瑠衣:うんっ!改めてよろしくねっ!樹君っ!

(デパートの広間)

由香:は〜い!次、お待ちの方どうぞっ!今日はどちらから来られました?…はい?…え?私が…綺麗で…緊張するですって?あらっいやだわっ!そんな本当の事言っても景品しかでないですよっ!おほほほっ!

咲夜:由香さ〜んっ!ムダな事喋ってないでっアンケートアンケート〜!お客様っ次々と待ってらっしゃるから〜!

由香:うっさいわね〜!手が足りないから手伝ってあげてるんでしょ!アンタもいつまでも子供と遊んでないで、こっち手伝いなさいよっ!それにしても…瑠衣と美緒ちゃんはどこいったのよっ!こんなに忙しいのに…もうっ!

美緒:はあっはあっ…ごめんなさいっ!遅くなってっ…相田さんっ…え?…由香さんっ!?手伝ってくれてたんですか?

瑠衣:由香っ!ごめんっ!遅くなっちゃってっ助かるよ〜!

由香:ほんとっ遅いわよっ!2人で一体何してたんだか?あ〜いやらしいっ!

咲夜:美緒ちゃ〜ん!どこいってたの〜待ってたよっ!もう〜…ん?その子は…

美緒:樹君っていうのっ!一緒に手伝ってくれるってっ!ね〜樹君っ?

樹:う、うん…よろしくお願いします

瑠衣:じゃあ、美緒ちゃんと樹君はお客様の案内と景品を配ってくれるかな?

樹:わかったっ!美緒…これを渡せばいいの?

美緒:うんっ!アンケートに答えてくれた人に渡してねっ!

由香:瑠衣〜!受付の応援たのむわよっ!

瑠衣:了解っ!お待たせしましたっ!

(仕事終了)

咲夜:はあ〜疲れた〜それにしても、なんでオレがっ!このオレがっ!こんなウサギの着ぐるみなんか着ないといけないんだよっ!オレのイケメンが活かせないなんて…会社にとってマイナスでしょ!そう思いません?由香さんっ!美緒ちゃんっ!

由香:あ〜うるさいうるさい…疲れてるんだから大きな声出さないでちょーだいっ!

瑠衣:相田君も由香もお疲れ様っ!おかげでアンケートも規定数とれたし無事終わって何よりだよ!

美緒:樹君も手伝ってくれてありがとうねっ!

樹:いや、別に大した事してないし、それにオレも楽しかったよっ!美緒と…その…

美緒:ん?…私と何?

樹:うん…あの…オレがもう少し大きくなったらさ…付き合おうぜっ!美緒っ!

美緒:樹君っ!?

瑠衣:え?

咲夜:はぁ?

由香:あっはははっ!やるわねっ!この子っ!男だわ〜!瑠衣〜…ようやくあなたにも恋のライバル出現ねっ!ふふっ

咲夜:ちょっと待った〜!おいっ!少年っ!美緒ちゃんはオレの彼女になる運命なんだよっ!君にはっまだまだまだまだっ!100万年はや〜いっ!

樹:でもオレと美緒は抱き合った仲なんだぜっ!なあっ美緒っ!

美緒:ええっ!?…まあ…あれは…その…

咲夜:美緒ちゃんっ!…オレという者がありながら…くぅ〜!

瑠衣:樹君…じゃあ…オレとまたゲームで勝負するかい?ふふっ

樹:そうだな〜!今度は勝った方が美緒の恋人になるっ!てのはどう?瑠衣っ!あははっ!

美緒:ちょっと〜!2人ともっ!だからっ勝手に決めないでっていってるでしょっ!もうっ!バカっ!ふふふっ

to be continued


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