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エクスプロイト戦略が生み出すEVの大きさ



はじめに

まず大前提として筆者は誰かにポーカーのあれこれを教えるほどの実績も知識もない。このnoteは自分の中で気になっているが検証方法や結果、またその実用性に自信がない話題に関してこのnoteを読んだ方々からの指摘をいただくことで自分のポーカーへの理解を深めたり修正したいという思いのもと執筆している。よってこのnoteを読んでいく中で疑問点や いやいやそれはおかしいんじゃないの という点があればぜひコメントやリプライをいただきたい。

今回の議題

自分がアグレッサーのときのリバーでよく採用するエクスプロイト的な戦略は以下の二つの戦略である。

1. 相手のキャップされたレンジに対してベットサイズをあげて挟み込む
2. 相手のoverfold,overcallに応じて自分のバリューブラフ比をズラす

これら2つの戦略は相手の均衡からのズレの想定が正しければ我々に利益をもたらしてくれるはずであり、さらにこれらを併用することによってさらなる利益にも期待ができる。今回の記事は ぶっちゃけこの二つの戦略ってどんくらい
の規模の利益をもたらすの? という疑問を解消したい。またもし自分の想像以上に利益が見込めるのであればより積極的に実践に移すモチベーションになるのではと思い執筆に至った。

キャップされたレンジへの挟み込み

具体的なスポット1(SRP, DRY,AKhigh)

まずはSRPのBTNvsBB A92r 7 K というBTN側にかなりナッツアドバンテージがあるようなボードについて
Flop xb33%c Turn xb75%c River x??
の状況を見ていく。BB側のTurnでのxrがバリュー過多かつナッツ級でレイズしすぎというよくあるリークの組み込みとリバーでのドンクの排除をノードロックによって行っている。(Turnの75%というサイズに違和感がある方が多いかと思うが自分なりになんとなくTurnのブラフxr不足を際立たせそうな気がするサイズ感にしてみた)
まずは以下のように100%sizebet(Pot size bet) or XとしてみたところEVは10.98であった。

100%orX

次に200%orX, 392%orXとサイズをあげていくとサイズの上昇とともにこちらのEVは上がっていき392%orXではEV11.77となっている。

200%orX
392%orX

具体的なスポット2(SRP, DRY,Qhigh)

次にSRPのBTNvsBB Q92r 5 7 というボードについて引き続き
Flop xb33%c Turn xb75%c River x??
の状況を見ていく。同様にBB側のTurnでのxrがバリュー過多かつナッツ級でレイズしすぎというよくあるリークの組み込みとリバーでのドンクの排除をノードロックによって行っている。
まず、リバーのBTN側の戦略を100% or xとした場合のEVは以下の図の通り10.69となっており、サイズをあげると200%orXでは10.82と上昇したが, 392%orXでは逆にEVが下がって10.63となった。

100%orX
200%orX
Allin(392%)orX

具体的スポット3(SRP,WET,Qhigh)

スポット2とTurnまで同様であるがリバーカードを8cに変えたことでOESD,FDが完成し、ナッツアドバンテージがなくなった状況を想定する。Potsizebet or XではEV 11.31であるが200%orX, 392%orXとサイズをあげていくとEVは下がっていった。

100%orX
200%orX
392%orX

Overfold, Overcallに対するvb比の調整

具体的なスポット1(SRP, DRY,AKhigh)

同じくFlop xb33%c Turn xb75%c River x??
ノードロック有。まずは先ほども載せた100%orXの様子である。

100%orX

以下は5%Overfoldな相手と5%Overcallな相手に対する変化である。
EVはそれぞれ11.66, 11.32となった

5% Overfold
5% Overcall

具体的なスポット2(SRP, DRY,Qhigh)

スポット1と同じようになるだろうと思うがポジコンとして一応検証してみた。

100%orX
5% Overfold
5% Overcall

まとめ

ここにきてnoteでの表の使い方が分からずExcelのスクショという絶望的な絵面。

キャップレンジの挟み込み


キャップされたレンジに対する挟み込みのEVの変化はボードにかなり依存する(特にナッツアドバンテージが重要そう?)がSRPで適切なボードだと大体このくらいベットサイズを変化させてEVはこのくらい増えるのかという規模感がわかった。大きい変化ではあるが個人的にはこんなもんかという感じではあった。ただ相手のレンジキャップは実践ではかなり起こっているので正しいベットレンジを身につけておけばかなり使えそうである。


Overfold/call

Overfold/callに対するEVの変化はこのようになった。どちらもBB側の均衡のcall頻度は45%程度だったのでレンジの10%くらいミスっている想定でこんなもんである。こちらは正しく相手のズレを見極められればvb比の調整こそ簡単なもののそこを間違えると簡単にナチュラルエクスプロイトされてしまうという側面を持ち合わせている。相手のショーダウンハンドをGTOと見比べてどちらにずれていそうか考えたとしても相手がどこか他のストリートでのミスによってレンジが変わっているなんてことはザラにあるわけなのでなかなか難しそうである。ここはリバーのMDAを上手く活用すれば確実に利益的にできそうにも思える。





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