あらあらすじ

主人公は女性。26歳。文具店勤務。

お風呂につかっていると、どこからか男の声で鼻歌が聞こえてくる。どうやら通気孔を伝ってどこかの部屋のお風呂の音が聞こえるらしい。

嫌だなあと思うが、どこの部屋かもわからないし、第一「お風呂で鼻歌はやめてください」とも言えない。我慢するしかない。

ところが徐々に、その男性の選ぶ歌と自分の好みが近い、というかほぼ同じことに気づく。

そのバンドいいよね、そしてそのバンドならメジャーなあの曲じゃなくてそれだよね、とか。その曲は2番がいいんだよね、2番の歌詞歌えてるってことはそれわかってんだよね、とか。

たまに小さな声で合わせて歌ってみたりもする。

しだいに鼻歌が楽しみになってくる。その男性のことも気になりだす。

ところがある日を境に鼻歌が聞こえなくなる。

お風呂の時間をいろいろ変えて入ってみても聞こえない。

そういえばこの前引っ越しのトラックが停まってた。住人らしい人もちらっといたけどあれが彼だったのかな。

恋なんだかどうだかわからない鼻歌だけの一方的な思いが終わる。

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