メジャーな星街すいせい、マイナーな我が推し

2月20日、シンデレラガールズ スターライトステージにおいて、Vtuber「星街すいせい」とのコラボキャンペーンが3月11日から行われることが公式発表された。
内容は、R「星街すいせい」の自動加入、星街すいせいの持ち歌「ソワレ」のカバー曲配信、専用SSRを含むコラボガシャの開催、その他ログインボーナスやルームアイテム/あにぷちの用意、などである。

ところが、SNS上では反応が芳しくないようだ。純粋に歓迎する声より、コラボレーションへの反発の方がやや多い印象を受ける。

今回は、この件で私見を示す。先に断っておくと、私は今回のコラボキャンペーンを好意的に捉えている。その立場で示すお気持ち表明に他ならないので、不快に思われた方は怪文書として容赦なく唾棄していただきたい。

何が気に入らない?

現時点で私が目にしたコラボキャンペーンへの反発をまとめてみると、概ね3つに大別されると見受けた。
・Vtuberそのものへの反発
①「絵を被ってゲームで遊ぶだけで稼ぐ一般人」
②「コラボも所詮は自分を売るためのビジネス」
③「他のアイドルを差し置いてステージに立つな」
④「Vtuberが嫌いなのに土足で踏み荒らしに来た」
・星街すいせいの姿勢と素行への反発
⑤「アイマスをコラボ相手にする必要はあったのか」
⑥「シンデレラガールズになれると勘違いしている」
⑦「努力してアイマスガールズになった声優に失礼」
⑧「交友関係の匂わせや別のコラボで私物化して炎上した輩」
・デレステ運営への反発
⑨「運営の規模が縮小していながら前例のない高待遇」
⑩「Vtuberに貢ぐために課金しているのではない」

それぞれへの私見

まず、④と⑩は個人の趣味嗜好の領域になってしまうので、深く論ずることはできない。Vtuberを嫌うプロデューサーがいれば、Vtuberを好むプロデューサーもいる。前者には誠にお気の毒ではあるが、今回の運営は後者に向けて企画した、それだけだろう。

⑤⑥⑦⑧は、過剰反応ではないだろうか。すいせいはアイマスに憧れ、生来の画力と歌唱力を活かし、自らをプロデュースして実績を積み上げホロライブへの編入を例外的に認められた、実力派だと聞く。Vtuber界のシンデレラのような出自は、コラボキャンペーンの人材に適しているだろう。過去の素行の過ちは、反省して同じ轍を踏まないなら咎め立てる必要はあるまい。
そして、あくまでも今回限りのゲストである。書き下ろしのソロ曲は貰わないし、191人目のアイドルにならず、シンデレラガールズ総選挙の候補者にもならないのだから、充分な線引きだと思う。

①と②は、私の感覚からすると声優と大差ないと思っている。アイドル系コンテンツ、とりわけアイマスはキャラクターと声優を一体的にして売り続けてきた。ライブ、ラジオ、公開イベントにおいて、キャラクターだけでなく声優のパーソナリティも売り物になって久しい。二次元上のキャラクターの立場をきっかけに「中の人」を売り込むのは、Vtuberも声優も同じなのだ。

そして③と⑨。今回の本題はここにある。

今、星街すいせいほどの人気はあるか?

③と⑨には、「まだCVがつかずSSRも少ない自前のアイドルがいるのに、いきなり外様がCVつきSSRで実装されるのは不公平だ」との声もあった。それはひとつの真っ当な意見だろう。

だが、あえて冷酷かつ単刀直入に言おう。
シンデレラガールズが始まってからの12年余りで、未だCVがつかずSSRも少ないアイドルが、星街すいせい以上の注目度を得られるのか?
私の見解は、明らかにNOだ。

デレステの構造上、190人の中にはメジャー勢とマイナー勢の格差がある。ステージに立てるのはメジャー勢だけだ。そして、今現在で知名度や人気がすいせいに並び得るのは、メジャー勢の中のほんのひと握りに限られる。
少なくとも、CVが未だになく、SSRも少なく、総選挙の圏外常連のアイドルは、残念ながらマイナー勢なのだ。彼女らをステージに押し上げたところで、どう贔屓目に見てもすいせい参加のインパクトに勝てるわけがない。
例えば私の推しは矢口美羽、今井加奈、梅木音葉など。ことごとくCV未実装で、しかもデレステのSSR初登場は、音葉が190人中で最後から8番目、美羽に至っては最後から4番目だった。総選挙では泡沫枠だし、ここから人気が上向く要素もない。このマイナーさで、すいせいにどう勝てるのか。

デレステの世界は年功序列ではないのだ。すいせいはメジャー勢の上位に相当するから、マイナー勢を差し置いて優遇された。③と⑨の答えはそこだと思う。


現実と"推す"は矛盾しない

マイナー勢は、星街すいせいに適わない。これが現実だ。だがすいせいが参加したところで、各自は推したいアイドルを今までどおり自由に推せば良いではないか。私は矢口美羽の、今井加奈の、梅木音葉の、その容姿とキャラクターがそもそも好きだから推しているのだ。私は彼女らがマイナー勢だろうが推し続けるし、勝ち馬に乗りたい人ならご自由に推しを変えれば良い。

それに、私はすいせいに対する反感を持っていない。だからすいせいや運営を恨む気はないし、私の推しより優遇されていようと、私はすいせいの参加を歓迎する。コラボキャンペーンはとても楽しみである。

すいせいは、メジャー勢としてデレステのステージに立ってくれて良い。その資格があると思う。私はそれを見上げながら、推しを今までどおりプロデュースしていく。

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