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影を映す月のもと

淡い地球の影に隠されようと

月はいつもと変わらず

にっこりと笑みを湛える

太陽の通り道と月の通り道が

クロスするドラゴンの尻尾は

南の結び目ノードで過去を見つめる

食された月を前に

老婦人は静かに祈りを捧げる

満ちる月には明るい花束を

過去の世の災い信ずる迷事に

光を投じて鎖を解く

月は地球を飛び越え

その延長線の先にある

あたたかな太陽の光を頼りに

今、あらたな世界の天秤に

降り注ぐ祝福の雨を満たす



☽☆☼


3月25日 16時頃 月は天秤座で満月を迎えます。

今回の満月は「半影月食」という特別な満月です。

半影なので、蝕が起きて欠けたようには見えませんが、少し色が暗くなるといった感じで、見た目には薄い影がかかった月になります。

星読みでは、ノード軸と呼ばれるものがあります。これは、太陽の軌道(黄道)と月の軌道(白道)の交わる点を、地球を挟んで真っすぐに繋いだ線の事です。

月が昇っていく交点をドラゴンヘッド☊(ノースノード)
月が降りていく交点をドラゴンテイル☋(サウスノード)
と言います。


星読みテラスさんより


今回の満月は、サウスノード、すなわちドラゴンテイルの方に月がいますので次のような場合になります。

hirotsuzu.comさんより


ノード軸に月が重なるとき月食が起こります。
同様に、太陽と月が合(重なる)の新月時に、ノード軸に交わると日食が起こるという仕組みになります。つまりこのノード軸が地球からみる太陽と月の天体ショーを操る"不思議な魔法の杖"になるのです。

昔から、古代の日本人は月食を「蝕」と呼び、食の起きる満月時は、何か不吉なことが起こるなんてよく言われたものです。蝕の月は直に見てはいけないとか、写真をとってはいけないとか…。

平安末期の歌人であり僧侶であった西行法師の歌集にも、

『いむといひて 影あらたぬ今宵しも われて月みる 名や立ちぬらむ』

(月蝕は忌々しいものだと言って、世間の人々は月の光を見ようともしないけれど、私は月を見ようと思う。悪いうわさが立たねば良いが…)

西行法師 『山家集』より

覚悟がないと美しい満月を見ることもままならない時代があったのですね。

ですが、それも根拠のない迷信。風の時代を生きる私たちは、そんな過去の迷信も軽く受け流して、天体ショーを身近に楽しめる時代を生きています。


今回の満月詩は、そんな太陽と月の軌道の不思議を、ドラゴンの尻尾つまりドラゴンテイルでの月にそっと忍ばせて、星読みでいう「過去からのカルマの払拭」をテーマに創作しました。月ということで「女性性」がいいなと思い、長い年月をこの地球で生きてきた老婦人が、今を生きる人々に「過去からの鎖を解いて自由に軽くなりなさい」とメッセージを投げかけているイメージを受け取りましたのでそれを今回の詩にしたというわけです。


そんな半影満月の詩に花を添えてくれた、トップの画像は詩や短編をお書きになるイラストレーターの2ミリさんにお借りいたしました。春らしくて愛らしいイラストが心を和ませてくれますね🍀ありがとうございました。


~満ちてゆく 月のしずくは 龍の加護ほしくず🐉~

ナウシカ ᵃʳⁱᵍᵃᵗᵒ~(˘͈ᵕ ˘͈♡)ஐ:*


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