見出し画像

星を産んだ蝶〔自由詩〕

あの日
あなたは
小さく細い指で
握りしめたその手
で私の頬に触れて大
きな欠伸をしたんです

その濡れた碧の瞳の中に
母になった私の顔が映って
可愛くて愛らしくてたまらず
くちびる寄せてその桃色の頬に
そっとそっとキスをした夏の夕べ

神様はどうしてこんなにも優しくて
影の宿るわたしなんかにこんな天使を
この身に委ねて与えて下さったのでしょ

神様はどうしてこんなにも無常で冷たくて
この天使を闇に葬れと謳われるのでしょうか
私にできることはただ二つの事を実行すること

一つはあなたを産んで育てること
そしてもう一つは、あなたの前から





           

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


 なんでどうして、こんな悲しい詩をと思われるかもしれませんが、
もしかしたら自分という人間のどこかにこんな気持ちを持った人格もいるのかもしれないと…

 どこかの誰かではなく、境のない誰かの気持ちもきっと自分の中には少なからず存在していて…

 穢れのない天使のような心でいたい自分とは反対に、どす黒くて汚れた真っ暗闇の中で“どうか許してください”と懇願する地獄の悪人が、神様の垂らす「蜘蛛の糸」を探しているような…
そんな救いようのない罪深い自分もいたりするのかもと、そんなことを想像して書きました。

 今の自分には到底できないであろうことですが、そんなままならない気持ちも想像して創造することで、星矢君のママが蜘蛛の糸を辿って上へ上へと昇って、いつか生まれ変わって、今度こそ本当の姿で母となる日を、そうだと嬉しいのになって思った、木曜日の午後です。

 星矢君の母に何があったかはあなたのご想像の世界で・・・

来てくださり、ここまで読んでくださった優しいあなたへ。

きっと続くde show…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?