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「学び」と「遊び」の2日間
自然環境リテラシー学 川コース 第4回
10月1〜2日 実施
今回のリテラシー学では、第2回でもお世話になった「キャンプinn海山」さんを拠点として、銚子川と便石山を満喫しつつ、「みえヤングサポーター育成事業」の一環として、様々なことを学ぶことができました。
しかし、前回と大きく異なることがひとつだけ。それは、川での安全管理について実例を基に学ぶ時間があったということでした。詳しくは順を追って書いていきたいと思います。
川コース第4回の実施日がプランBの尾鷲回が終わってすぐということもあり、前日までだいぶバタバタしながらの準備となりました。
川に入るのなら網を持って行こうと思って買いに出かけ、アパートに帰って一息ついたら買い忘れていたものに気づき、またアパートを出て買い物をする…。自分自身の忘れっぽい性格をここまで痛感するのは初めてだったのかもしれません。
更に、第4回が終われば次の日から大学後期の始まり。第4回前夜までは、「楽しみ」という気持ちと「後期の準備をしなくては…」という気持ちがせめぎ合う、なんとも言えない思いでした。
しかし、折角のリテラシー学。この2日間を楽しみ尽くそうと思い、一度後期のことを忘れ、「思う存分楽しむこと」だけを心に持って電車に乗り込みました。
自然を学ぶ
長い移動時間を越え、キャンプinn海山さんの最寄駅である相賀駅に着くと、キャンプ場の管理人さんである「校長先生」こと田上さん達が温かく出迎えてくれ、早速荷物を積み込んでキャンプ場へ移動しました。
前日からキャンプ場に入っていた坂本教授が、台風の雨による影響で銚子川の透明度がより一層高いということをおっしゃっていたため、期待を胸にキャンプ場へ向かいました。その道中で銚子川を目の当たりにして、思わず息を呑みました。
以前来たときにその透明度に驚かされたものの、今回の銚子川は一味も二味も違う姿をしていました。
秋の爽やかな青空の中、太陽の光を水面に反射させ、悠々と流れるその姿は、まるでダイアモンドのようでした。
キャンプ場に着くと、すぐ傍を流れる銚子川の音が耳に入ってきて、とても心が洗われる気持ちがしました(やっぱりいいところですねぇ…)。
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透明すぎて水がないのではと錯覚してしまう
「危険」を知り、命を守る
キャンプinn海山についてからひと段落した後、田上さんによる実際にあった事故の話を踏まえた安全に対する講話がありました。
その講話の中で、まず初めに印象に残ったことが、アウトドアの中にある2つの事柄についてでした。
アウトドアは、自然の中で思う存分体を動かす、又はのんびりとした時間を過ごすという、いわゆる「楽しいもの」という側面が強いと思います。しかし、そこには勿論命を落としかねない「リスク」が潜んでいます。毎年、アウトドアシーズンになると、悲しい事故のニュースが後を絶ちません。ただ、危険だからといって家に篭っていれば、自然の素晴らしさに気づくことすらできません。「楽しい」と「リスク」の2つを感じ、活動する。このことの重要性に改めて気付かされました。
続いて、田上さんは実際にあった事故を基に銚子川の危険なポイントについてお話してくださいました。
どの事故も痛ましいもので、その時の様子を想像するだけでもゾッとしてしまうようなものでした。
その中でも特に印象に残ったものが、キャンプinn海山さんに訪れていた家族に起こった事故でした。
その事故は、キャンプinn海山さんの傍を流れる銚子川にある堰堤で起こったもので、小学校1年生の子供が水流に足を取られ、テトラポッドの隙間に滑り込んでしまい、出てくることができずに亡くなってしまったというものでした。
この事故が起こったポイントが、堰堤の形が「く」の字になっているところで、このポイントだけ水流がかなり強くなってしまうという特徴があるそうです。
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全体の講話の後、実際に事故の起こったポイントを歩いてみることができたので、田上さんのガイドの下、水の流れが急になっている所を歩いてみました。その流れの強さは堰堤の他の場所とは比べ物にならないほど強く、大人でも足を取られかねない程でした。
事故が起こった日は、川の水がいつもより増えている状況だったそうです。いつも通りの日でもここまで強いとなると、増水している時は…。このポイントが見かけ以上に危険であるということを、身をもって体験しました。
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身を低くしないと転倒しかねない
そして、この後テトラポッドの上も歩くタイミングがあったのですが、そこの見えないテトラの隙間が点在し、そこ隙間が水流によって見えづらくなっているところもかなり沢山あり、まるで命綱なしで綱渡りをしているような気分になりました。
子供を連れているときのみならず、大人同士で遊んでいる時でも、テトラポッド付近には近寄らない。これを徹底するべきだということを学びました。
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水流の影響で底も見えず、落ちてしまったら最後
その他、浮石になっているために転びやすいところや、コケが生えていて滑りやすいところ、鉄筋が剥き出しになってしまって怪我をしかねないところなどを実際に歩いて確認し、最後に紙に絵を描きつつまとめてみました。いざ自分でまとめてみると、一見するだけでは気づかないような危険が相当数潜んでいるということに気付きました。
また絵を描いて表現してみることで、危険な場所を自分から探し、よく考えるということが出来たということも新たな発見でした。今回の経験を活かし、危険探しのみならず、さまざまな場面で絵を描きつつ気づいたことをまとめていくような習慣をつけていきたいです(絵がもう少し上手だったらよかったのですが…)。
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さらに、田上さんは以前お世話になった際にもおっしゃっていたことに加えて、危険なマナー違反の話をしてくださいました。
そのマナー違反とは、「ビンの投げ捨て」と「川原での火の利用」でした。
一見「環境保全」に関するマナー違反のように思えます。しかし、実は人を傷つけかねないとても危険なマナー違反でした。
「ビンの投げ捨て」は、ビンが割れることで尖った破片が散乱し、足や手を切ってしまうという事故の原因になってしまいます。また、「川原での火の利用」は、火の周りにあった石が冷え切らずに放置され、その石を踏んだ人が大火傷をするという事故の原因となってしまいます。
自然の中で楽しく、そして安全に活動する為にも、危険な場所を知ることに加えて、マナーをしっかり守る事が重要であるということを、多くの人にも知ってもらいたいと思います。
田上さんのお話の後は、心肺蘇生法の講習が行われました。何度か高校時代に講習を受けていたため、私もおそらくできるだろうと思っていました。しかしそれは単なる驕り。実際に受けてみると、「コロナの影響があるため、人工呼吸はしない」であったり、手順が違っていたりと、私が覚えていたこととは異なるところが多々あり、自信満々だった私が恥ずかしくなってしまいました…。ただ、今回の講習でしっかりと学び、実践もしたのでもう大丈夫です(多分…)。加えて、心肺蘇生法について、定期的に手順や押さえておくべきポイントを確認しておきたいと思います。
ただ一つ言えるのが、この心肺蘇生法をやらなくてはいけない場面が来ないのが1番であるということです。心肺蘇生法をやるということは、命がかなりの危険に晒されているということ。そんな場面が来ない様にするためにも、安全管理をしっかりとできる様な知識と技術をつけていきたいと、改めて思いました。
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いざという時のためにしっかりと学ぶ
みんな大好き晩御飯!
全体の活動を終えた後は、お待ちかねの晩御飯の時間でした。
今回は前回の反省を活かし、ご飯を炊く時に自分の勘を信じないで他の人に合わせるという手段を取りました。更に、全体に配布されたサツマイモを小さく切ったものを併せて炊いてみるということにも挑戦。結果としては大成功で、店で売っても文句のないような逸品ができあがりました。
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上手く作れて思わず笑みが溢れる
自然の中で晩御飯をワイワイ食べる時間。とても楽しいひとときを過ごす事ができたと思います。
晩御飯の後は、先輩方と夜空を観察しに行きました。新月の雲一つない空に、山の中の澄んだ空気。その中で見る星空はこの上なく綺麗で、いつまでも見ていられるような美しさでした。
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天気も良く、月もなかったのでとてもよく見えた
夜空を思う存分に楽しんだ後は、自分のテントに戻り、寝る支度をしました。二日目は一日目とうって変わってアクティビティを楽しむ一日。ワクワクする気持ちを抑えつつ、ゆっくりと床に就きました。
自然を楽しむ
二日目の朝は、気持ちの良い寒さと、銚子川水流の音と共に迎えました。
まだほとんどの人が起きていない静かな空間。昨日の夜のような賑やかな空間とのギャップを楽しみつつ、リテラシー学二日目がスタートしました。
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秋が近いということもあり、ちょっぴり寒い
二日目の予定は、便石山への登山と銚子川でのアクティビティ。体を思いっきり使うもので一杯の一日です。
本格的な登山
朝食とテントの撤収を終えてブリーフィングを行った後、早速便石山への登山が始まりました。目的地は、山頂付近にある「象の背」と呼ばれるポイントです。
余談ですが、初めて「便石山」という文字を見た時、全く読めませんでした(地名や山の名前って、難しい読み方のものが多くないですか…?)。
そんな事はさておき、便石山登山のスタートです。登山を始めてすぐに、周りの景色に圧倒されました。
木々の間から光が差し込み、苔が岩を包み込んでいるその様子は、さながら「もののけ姫」で登場する森のようでした。そして、その中を小さな川が流れていて、立っているだけで心が洗われるような空間になっていました。
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ジブリの世界に迷い込んだような気分になる
更に進むと、一ヶ所だけ光が強く差し込み、なぜかとても神々しく見えるポイントがありました。そこで少し休息を取ったのですが、謎のパワーを授かる事ができたような気がします。
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何か特別なパワーを貰えそう…
景色が綺麗だなぁ…と思っていると、ちょっとした通りに出ました。そこに現れたのは急な角度の階段。その時はちょっとボロっちい階段としか思っていませんでした。しかし、後々になって、この階段が試練へ続く入り口だったのではと思いました…。
なぜそう感じるに至ったか。それは、登山道の険しさにあります。階段を登る前は、程々に整備された石畳があったり、フェンスがあったりと、とても歩きやすい道が多くありました。しかし、階段を登ると、今までとはうって変わって険しい登山道。道は獣道と化し、大きな石がゴロゴロと転がっていて、両手を使わないと転げ落ちてしまうほどの斜面が現れました。
想像を超える険しさ。高校時代に野球をやっていたものの、引退してからは運動なんてご無沙汰な体にとって、かなりキツイ山道でした(太ももの筋内がぁ…)。しかし、ここまでの山道を歩いた事がなかったので、疲れよりも楽しさで一杯の登り道でした。
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ちゃんとした階段があるところはボーナスステージと化した
険しい山道を少しずつ登る事1時間程、とうとう「象の背」に到着しました。「象の背」は、読んで字の如く、象の背中のように見える巨大な岩の事です。
正直、「象の背中みたいと言っても実際そうでもないんだろうなぁ…」と思う私がいました。このnoteを読んでくれている人の中に、「象の背」を見た事がない人がいるかもしれません。その人たちの中にも、同じ事を思っているのではと思います。ですが、ここでハッキリ言います。
本当に象の背中でした。
そこに本物の象がはまっているのでは?と疑いたくなるほど象の背中でした(疑ってごめんなさい…)。
さらに、なんといってもそこから見える景色は天下一品。どこまでも見渡せる展望台のような場所でした。
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ちょっとした窪みが、象の耳みたいで可愛らしい
是非とも景色を見てみたい!とは思ったものの、なんと私は高所恐怖症。象の背の先端まで行って景色を拝むのは怖くて無理でした。なので、他の人にお願いして写真だけ撮ってもらい、その写真を見ることにしました。
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この景色、自分の目で見たかった…
象の背は有名ということもあり、私たちが着いた後にも多くの人が訪れ写真を取っていました。みんなスルスルと先端まで行って写真を撮っているのを見ているだけで、恐怖心を抱いていたのはここだけの話。私には先端まで行くなんて、到底出来そうにありません…。
象の背を楽しんだ後は、元来た道を下って帰路につきました。そこで思った事は、上りより下の方が辛いということ。山頂から少し下っただけで、ふくらはぎが悲鳴を上げ、とんでもないほどに膝が笑っていました。普段あまり使わない筋肉を今回の登山で使いまくったので、キャンプinn海山さんに着いた頃には下半身がヘトヘトでした。脚周りの筋トレ、始めようかなぁ…。
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脚が何気に疲れまくる
また、下の時は上りの時と比べてメンバーの口数が極端に少なくなっているのが少し面白かったです。そして、ゴールが近づいてくると少しずつ口数ぎ増えてくるというのも、これまた面白い一面でした。
Let’s enjoy 銚子川!
便石山の登山を終え、昼食を食べた後は銚子川でのアクティビティが始まりました。今回の目玉はなんと言っても「テントサウナ」。テントでサウナを体験できるとは…。最早テントを使えばなんでも出来てしまうのではないかと思ってしまいます。
テントサウナが設営されているところは、キャンプinn海山さんから少し川を登ったところだったので、そこまではカナディアンカヌーを漕いで向かいました。
カナディアンカヌーの難しいところは、一方向だけ漕いでいると向きが傾いてしまう事。カヤックと違い、カナディアンカヌーはシングルパドルを使うため、向き調整が至難の業です。私は上手く向きを調節できなかったので、同じカヌーに乗っていたメンバーにかなり頼りました。前回やったときと比べて成長していなかったのがちょっとショックです…。
私の技術的なことは置いておいて、今回の銚子川は以前よりもかなり透明だったので、まるでカヌーが浮いているような一面を見る事ができました。これ、テレビでしか見た事なかったので、大分テンションが上がりました。
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カヌーが宙に浮いている…?
テントサウナがある場所の側に到着し、その後は自由時間になりました。メンバーの人たちは、サウナに入ったり、川に潜ったり、ターザンロープで川にダイブしたり…各々で銚子川をたっぷりと満喫していました。そんな様子を見ていると、「みんな若くて元気だねぇ…」としみじみ。そして、メンバーの元気を少しずつ分けて欲しいと思ってみたり…。ちなみに私はというと、ずっと魚を採っては観察したりしていました。
テントサウナに窓がついていたため、たまに覗き込んだりしていたのですが、まるで何かの修行をしているかのようでした。
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テントの秘める可能性の高さが感じられる
自由時間の後は、川でのレスキュー方法の確認と説明がありました。
銚子川は流れが緩やかな所が多い上に、今回は訓練ということもあって全体的にリラックスした雰囲気でできていたと思います。しかし、いざという時はそこまで冷静でいられない可能性もあります。万が一の時に、落ち着いて行動できるようにするためにも、今回のように定期的に確認をする事は大切だと思いました。
全日程が終わって、いよいよ帰る時間。もう少し銚子川で遊んでいたかったという気持ちをグッと堪え、帰路につきました。
帰りの電車の中ででこの二日間のことをあれこれ思い返しながら、「今回も楽しかったなぁ」とぽつり。今回のリテラシーも、遊びから学びまで多くの事柄を経験する事ができました。
そんな中、今まで忘れていた事が一つ。大学の後期が明日からだったんだ…。準備もしてないし、アパート帰ってから洗濯もしなきゃいけないし…。後期初日から講義に遅刻したらどうしよう…と頭を悩ませながら、アパートへ帰りました。
最後に。夏の銚子川もよかったのですが、寒くなってきてからの銚子川もまた雰囲気が変わってとても良かったです(かなりオススメ)。今年度のリテラシーで銚子川やキャンプinn海山さんに訪れる事はありませんが、プライベートでまたこっそり行ってみたいなぁ…と思う今日この頃です。
○今回お世話になった施設
・キャンプinn海山 さん
〒519-3408
三重県北牟婁郡紀北町便ノ山271番地
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