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Tawagotwa Netie

(これは妄想および、フィクションの類いです。実在する諸々とは一切関係ありません。)

6月が終わる。
この半年間は2014年に匹敵するhard laborだったのかと思う。
元旦、リアス式海岸の某所に居たから、緊急地震速報に際して、前年他界した親父に「そっちに行くかもだわ」と空を見上げて豪快な空振り三振をキメた。(親父の他界に際しての云々は別のnoteを参照願いたい)
そのあと、1月○日、所掌する設備の緊急安全動作を行って激務トリガーが発動したように思う。
年度変わりには担当所掌の変更により、あわただしく桜の花びらを会所の淀みで見送った。
春闘ではその交渉中にリモート回線が突然落ちて、その数分の間に、妥結前の状況がネットニュースを賑わした(組合無視の一方的な賃金規定の変更通告:○%ダウンは報じられず)。
葉桜の頃には、新たな所掌の深刻な事態が発生したが、お家芸(親会社による報道支配)で隠し通したことを幸いと呼べるのか、心が乱れた。
残業時間は睡眠時間を超過し、体調は乱れた。体重は10キロ落ちた。心療内科で処方される薬の種類は増えた。副作用で悪夢を見る日々が続いた。不整脈と、口内炎にも似た炎症と出血は今も続いている。痛みが和らいだときに気を緩めたらいつでも卒倒できるとも思う。
先述の賃金規定変更通告の報復だろうか、親会社が円安の中でも某国の某を買収しようとする動きがマスコミにリークされて頓挫したことに反応する余裕すらなかった。ただただ、社畜の使命に引きずられ続けた。
数千○円の損失の責任は私が負うことになり、つまり、それは、私が後進に道を譲ることで懲戒として手打ちになるらしい。そして、昇進レースから脱落した上司は、その諸々を私にぶつけ、私の身辺(家族も含めて)では不思議なことが起こるようになった。かつて組織の企てた不正に異を唱えた某氏が急逝したことや、若き新鋭の同志が民間施設の某所で「事件性の無い最期」を遂げたことが脳裏をよぎる。
親会社の要職との面談がセッティングされて「前向きな」転身の素晴らしさを訥々と、入れ替わり立ち替わり連日夜通しで説明され続けた(録画の強制視聴)。睡眠不足からの判断力の低下は事務的なミスを誘発するとともに、現業での心身の危険との遭遇機会も増加させた。取引先は大企業ばかりではない。労基の立ち入りに端を発する幾つかの不渡りの噂には耳を塞いだし、心を凍らせることで、こぼれ落ちる涙を氷柱に変えた。

どうして私は、いま、生かされているのだろう。所属組織は、この先、私をどうするのだろう。私の家族はどうなるのだろう。

「内側からみた○○○○」
かつて、そのような本を読んだことがある。
かつて、ある遺書を読んだことがある。
かつて、心許せる同僚が他界したことがある。
一般社会からは観測不能なこの状態は、誰かに伝わるのだろうか。

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