※ネタバレ注意※K2 第481話『怠け病』/原画展だやったーー!!
K2 481話『怠け病』
緒形くんのターン
海ちゃんの高校生活を挟んで今回は帝都セブンの未来をめぐるエピソードの続き。今回の主役は緒形くんだ。
研修医最終年度を迎える緒形くん。秋田県の形成外科のホープとして期待されながら、研修後の彼の第一志望は変わらず末次医院だった。
オペ室も持たない町医者で緒形くんを預かるのはもったいない…と彼の将来を思って逡巡する末次先生。
そんな折、緒形くんは地元に伝わる「なまはげ」神事の保存会に参加していた。そこで地元の友人・清司の気になる噂を聞く。仕事を辞めて以来、面接にもうまく行かずブラブラと暮らし、まるで怠け病だというのだ。
清司宅を訪ねた緒形くんは彼の生活習慣と僅かなヒントから、清司が怠け病などではなく内頚動脈狭窄症を発症していることに気がつく。
帝都大で学んできたことを地元に持ち帰り、地元の友人を助けられることはこの上ない喜びだと語る緒形くんの姿を頼もしく思いながら、末次先生の悩みはまた深まって行くのだった。
精度の高い秋田
高品総合病院の椎名先生の脳内で秋田のなまはげ扱いされていた緒形くん、本当になまはげになっていた。
なまはげは伝承の途中で鬼と習合したが、本来は来訪神なのだという。来訪神って何かしら?と思ったら、
↑なのだそうだ。
前回、あずきさん宅の前に忽然と現れた謎マッチョのことを思い出してちょっと笑ってしまった。
秋田は真船先生のパートナーの地元とあり、相変わらず秋田ネタの精度が高い。
清司宅で出されたソフトパックのりんごジュースはJA秋田が販売している実在の地元の名物のようだ。
ついでに2023年にイブニング展が開催された横手市は県内のりんご7割を生産する特産地らしい。
イブニング展を見に行ったとき、地域のお宅に必ず設置されていた風除室(玄関前ポーチを囲んだ小さな温室のような部分)も清司宅にもしっかり設置されている。
手元に置くか送り出すか
緒形くんが理想とする「外で学んだ知識を地元に持ち帰り、活かす」はK2の町医者の一つの理想の系譜に沿うものだと思う。富永先生が筆頭だし、「俺はこの町のスーパードクターだ」の谷岡先生もその流れの中にある。
だが、緒形くんの周りのオーベンたちの内心は複雑だ。Uターン就職は嬉しいが、彼を小さな医院に、ひいては小さな街に閉じ込めていいのか? もっと広い世界に羽ばたかせるべきではないか? と惜しんでいる。きっとキューザック博士と話が合うことだろうし、村ではなく総合病院で学んで来いと一也くん&宮坂さんを送り出した一人先生の内心も通じるものがあるのかも。
そういえば、そうして広い世界に羽ばたいていったパターンが譲介くんだった。保護者に同調しやすい彼のこと、半ば闇医者(神代家のほう)ルートに乗りかけていたところを引っぺがされて世界最高峰の医療財団に放り込まれたのだった。
前回、今回と「9月」であると明記されてるのがなんだか気になってる。9月といえばアメリカでは新学期が始まるシーズンだ。
そろそろ譲介くんの近況が語られるターンが来るのかもしれない。
それにしても一也くん世代のみんなは本当に大事に育てられていてホッとする。
これは一人先生ファンの繰り言だけど、K2冒頭でT村から神代一人さんが発見されたとき、人間KAZUYAさんの苦悩をつぶさに見てきたSDK世代がやるべきだったのは、厚生労働省に横車を押させて医師免許を取得させることでもなく、「Kを名乗る価値があるか」をジャッジすることでもなく、6年間自分たちがサポートするから医大に行って正規の資格とってこい!ということだったんじゃないかな……と思う。
誰もKAZUYAのこと教えようともしてくれないし。一人のことも育ててあげてほしかったな。
なんなら今からでも遅くないのでは。
原画展だやったーーーーー!!!!
やったーーーー!!!
原画展だやったーーーーー!!!!!!!
やりやりやりやりやりー!!!!!!!!!
原画展ですよ!
うれしい!うれしすぎる!!
嬉しすぎて今から会期終了のことを考えて泣きそう!!!
本当に楽しみです。横手の漫画美術館で見たK2第一話の生原稿の美しさは鬼気迫るほどで、今でも思い出すと胸がつまる。もう一度見られるなんて夢みたい。
マルイのポップアップストアでの複製原画展示でも絵の力に圧倒されて泣いてしまったし、岐路や目指す場所の生原画を見たらどうなるか分からない……
原画展のメインビジュアルの一人先生が微笑んでいるのも嬉しいですね。穏やかな表情珍しくて…「ドクターK」のペルソナを被っている姿ではなく、一人先生の素の顔を見せてもらえたようで胸がいっぱいです。
しかも白百合をさしている。一人先生には白百合が似合うと常々思っていたので、これまた夢みたい。
12月までがんばるぞ!
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