最近のUSB-C事情のまとめ!

最近、ワイドモニターを導入しました。
最近のモニターにはUSBハブ機能を持たせたものが出回っています。
さらに、USB-CコネクターやLANも備えるなど充実した内容です。
(いわゆるドッキングステーション兼用)

しかし、単にPCのUSB-Cとつないでも機能しないことがあります。
なぜでしょうか?

複雑に絡み合った諸事情を理解した上で、適切なパーツを組み入れないといけないほどその事情が煩雑だからです。

ここでは、この事情を分かりやすくまとめてみました。




USB-CコネクターとThunderbolt


今までUSBタイプのジャックと言えば、長方形の形状のジャックでした。
スマホが普及し始めた頃から長丸形状?のジャックが増えました。
これがCタイプコネクターと言われるものです。

PCでスマホを充電したりする場合でも、USB-CタイプでなくともUSB-ACタイプのものを使えば充電できます。
そして、その機能は今や外付けSSDや大容量のUSBデバイスでもCタイプコネクターを採用しつつあるので、流れはタイプAからタイプCに移り変わりつつあります。
PCに搭載されているUSBジャックはタイプAとタイプCが混在します。
一般人から見ると、それはタイプAの進化版であり充電も出来る優れ物という印象でしかない。

今、出回っている機能、これからメインとなるであろう機能は、USB-Cケーブル1本でPCとつなげて電源、映像、LAN、USBハブなどを一括でつなげられるというものです。

Thunderbolt

ここで、Thunderboltという一般人からすると聞き慣れないものが登場します。
そして、このThunderboltで採用されているのがUSB-Cコネクター。
このあたりがややこしくしているのでしょう。 

ThunderboltはAppleとインテルが共同開発した技術。
インテルと言えば、WindowsPCではお馴染みのCPUメーカーです。
AppleとWindowsはそもそも規格違いが多かった。

Thunderboltは2011/2月にMacbookで登場し、そのジャック形状はMini DisplayPortでした。

2015/6月、Thunderbolt3からはUSB-Cコネクターを採用するようになった。

ここで、AppleのMacbookで採用されている規格とWindowsで採用されている規格が一致し始めたのです。

Mini DisplayPortということから、映像を伝達するケーブルをイメージします。
それは大きなデータ量を扱うために必須の高速転送技術。
つまり、データの大容量化に伴う転送技術の進化であり、それをAppleでもWindowsでも使えるように部品を構成できるためでもあります。

レベル感で言えば、Thunderboltは最上位規格であり、WindowsPCのUSB-Cはそれより劣るものが多い。
というのも、WindowsPCでUSB-Cが付いていても、電源供給とハイスピードデータ通信機能はされているが映像は転送されないことが多いからです。
外見からは全く分からないCタイプコネクター。

Cタイプケーブル1本で電源、映像、高速通信が出来る規格は、PC(マザーボード)のCタイプコネクターがDP ALTモードに対応しているか (Display Port Alternate mode)が問われます。

「USB Type-Cの機能やオルタネートモードを「わかりやすく」解説してみる」 



最近のノートPC


最近のノートPCはUSB-Cタイプのコネクターで、かつ給電機能が強化されたものが出てきました。
もちろん、モバイル用ですから今後の需要を考えてDP ALTモードが増えてきました。
このタイプで実装されたノートPCであれば、ドッキングステーションをつなげてPCからはUSB-Cケーブル1本で済むでしょう。
脱着が簡単にできるので持ち運びに重宝しそうです。


ASUSのThunderbolt


デスクトップPCの場合、DP ALTモードのUSB-Cコネクターであるかどうかはマザーボードに依存します。
高速データ転送のUSB3.2 Gen2など上位規格のUSB-Cであっても、映像は送れないなどのパターンは多いです。

マザーボードメーカーでトップを走るASUSですが、マザーボードに搭載できるThunderboltEX4を発売しています。
適合できるマザボードであれば、自作PCにThunderbolt4をインストールして完全なるフル装備のUSB-Cコネクターを実装できます。

「ASUS ThunderboltEX 4拡張カード、デュアルThunderbolt? 4 (USB-CR)ポート、DisplayPort? 1.4、PCIeR 3.0 x4インターフェース」 

価格は17000円弱しますが、マルチモニターのためにも助かるアイテムです。
マルチモニターにする場合、通常であれば別途グラフィックボードを追加実装しなければいけないことも多く、グラボは値段が高いです。
ゲーマーならまだしも、高性能にこだわらない程度の追加モニターであれば、トータルコストはThunderboltを導入したほうが良いかもしれません。


まとめ


最近の傾向は、ノートPCとつなぐドッキングステーションが多くで回っています。
自作PCのマザーボードならハイエンドクラスでないとThunderboltのUSB-Cコネクターは実装されていません。
Thunderboltはオプションで追加するパターンが多いでしょう。

まず、ノートPCであれデスクトップPCであれ、USB-Cタイプが実装されていたならDP ALTモードに対応しているか確認が必要です。
実装されていた場合、ドッキングステーションを導入するか、もしくはドッキングステーションの機能を持たせたモニターを導入することになります。
この組み合わせならPCからUSB-Cケーブル1本でつなげることが可能です。

USB-Cケーブル


USB-Cケーブルにも種類がたくさんあり、給電機能、映像送信、高速通信が可能な高価なものが必要です。
ケーブルは、ThunderboltのケーブルとUSB-Cケーブルで全く違うことがあります。
しかし、現行のThunderbolt4のケーブルでは、全ての機能を兼ね備えているので間違いはない代物ですがとにかく高価です。

「USB Type-Cケーブル・アダプタ」 


マルチモニター対策

マルチモニターにする場合、状況次第ではグラフィックボードを追加しないといけなくなります。
安価なものでも2万円程度はしますので、もしもThunderboltを実装できるのであれば、グラフィックボードを使わなくともThunderboltから映像を送ることが出来そうです。
つまり、PCのマザーボードとモニターの仕様次第では安くマルチモニター化することが可能になるでしょう。

PC側のUSB-CコネクターがDP-ALTモード非対応だった場合、ノートPCであれば致命的でPC自体が対応不可です。
自作PCのマザーボードであれば、Thunderboltを追加実装できるかどうかが鍵です。

Cタイプケーブル一本化の必須条件


1.PC側がDP-ALTモード対応のUSB-Cコネクターであること。
2.USB-Cケーブルは、DP-ALTモード対応のハイエンドケーブルであること。
ケーブルの条件は、PC側の条件を上回っていないと100%の能力は得られない。
(※ Thunderbolt用のケーブルであれば間違いはない)
3.USB-Cとつなげるためのドッキングステーションが必要であること(モニター兼用でもいい)。

以上のようになります。

DP-ALTモード使用のUSB-C規格は過渡期です。
USB4なるものも登場しつつあります。
これからPCを買い換える場合、少し先のUSB事情を理解した上で購入を検討すると良いでしょう。

「USB4とは?特徴やThunderboltとの違いを解説」


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