【小説】カブトムシの世話
「なにそれ」
岡田は怪訝そうに俺の持っている物体を見ながら言った。
「カブトムシの幼虫だ」
15匹と大量の腐葉土が入っている大きな虫かごは重く、腕が疲れてきたので床に置きながら俺は一息ついた。
「俺の母さんが職場でもらってきたんだよ、同僚で飼っている人がいるんだと。おすそ分けだな」
「その同僚、哀川翔?」
そのツッコミはあまり大学生っぽくはない。
「大学3年生の男でカブトムシ飼ってるのお前だけだよ、もっと大学生っぽいことしろよ、春樹」
今さっき大学生っぽくないツッコミをした奴