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団塊の世代の課題と今後の生き方

団塊の世代とは、

戦後の1947年から1949年にかけて生まれた人々を指します。この世代は、人口が急増したため「団塊」と呼ばれるようになりました。

この世代が生まれた時期は、戦後の混乱期でした。日本は物資不足や貧困などの問題に直面しており、さらに朝鮮戦争やベトナム戦争などでアメリカとの関係も深刻な状況にありました。そんな中、団塊の世代は、苦しい生活の中で育ち、戦後の日本を再建するために必死に働きました。

団塊の世代の功績

そして、1960年代に入ると、日本は高度経済成長期に突入しました。団塊の世代は、経済成長を支えるために、製造業や建設業、金融業などの分野で活躍し、大企業や中小企業を設立するなど、数多くの功績を残しました。彼らの努力によって、日本は先進国の一員として発展していきました。

また、団塊の世代は、戦後の混乱期から高度経済成長期にかけて、社会の安定や福祉の向上にも大きく貢献しています。例えば、戦後の混乱期には、不良物資やブラックマーケットが横行し、物資不足や貧困が蔓延していました。しかし、団塊の世代は、社会の秩序を守り、物資やサービスを提供することで、社会の安定化に貢献しました。また、高度経済成長期には、医療や福祉などの分野でも進歩があり、団塊の世代は、これらの分野にも大きく貢献しました。

団塊の世代は、多くの苦難を乗り越え、日本を発展させた功績は計り知れません。彼らが作り上げた社会構造は、今もなお、私たちの生活を支え、日本が世界で誇る先進国として発展する基盤を築いています。しかしながら、今の日本が直面している問題のいくつかは、団塊の世代が原因の一つであると言われています。以下には、その4つの問題点について触れてみます。


①環境問題

まず、高度経済成長期においては、団塊の世代が主役となって、大量生産・大量消費の時代を築き上げました。この時期には、物質的な豊かさが追求され、経済成長を重視する傾向が強かったため、環境汚染や資源の乱用など、今日的な持続可能性の観点から見れば問題があったとされています。


②経済格差

また、団塊の世代は、産業の発展に伴い、労働者階級として働いた人たちが多いため、今日の格差拡大の一因としても挙げられます。高度経済成長期には、企業の利益が大幅に増加し、経済格差が広がった一方で、団塊の世代は安定した職業や福利厚生を享受し、その利益を受け継いできたという側面もあります。


③教育格差

さらに、教育格差についても、団塊の世代は、戦後の教育改革により、受験教育が定着し、大学進学率が上昇した一方で、団塊の世代が就職する頃には、高等教育に対する需要がピークを迎え、競争が激化したことで、大学進学が当たり前とされる社会になってしまったという側面もあります。これが、教育格差を生み出す一因となったとされています。


④労働環境

また、団塊の世代は、長時間労働や過剰なストレスにさらされ、ストレスが原因の病気や労働災害が増加したことも指摘されています。


以上のように、現代日本が抱える問題の多くは、団塊の世代の時代には存在しなかったものもありますが、団塊の世代が原因の一つとして指摘されるのは、その社会構造や価値観が現代社会に引き継がれていること、また、それらが一部の問題を生み出していることが背景にあります。

団塊の世代は今でも政治・経済・文化・教育などの様々な分野で大きな影響力を持ち続けていることは事実です。しかし、彼らが一因となった問題を解決するためには、若い世代と協力することが重要です。今こそ、団塊の世代と若い世代が力を合わせ、問題解決に取り組むべき時だと考えます。


これからの生き方

団塊の世代の人々は、過去に日本の経済成長などで多くの功績を残しましたが、同時に現在の日本の問題の一因にもなっています。その事実を受け止めることが大切で、過去の間違いは取り消すことができません。

現在でも影響力がある団塊の世代に対して、一部からは「若者に席を譲れ」という声や、「老害」という批判的な言葉も浴びせられています。このような状況で、団塊の世代の人々の中には、自分たちの「今後の立ち回り方に戸惑っている」という人も少なくありません。

これらの状況を受け入れた上で、今後どうしたらいいのでしょうか?以下では、今後の立ち回り方について、考えていきたいと思います。


❶ 夢や志を持つ

人生において、目標を持ち、自分の意志で行動し、人生を切り開くことはとても大切です。
年齢を重ねるにつれて、夢や志を持つことが難しくなるかもしれません。しかし、団塊の世代の人々は、これまで長年にわたって働き続け、多くの経験を積んできました。それらの経験を活かし、新しい夢や志を持つことは可能です。
しかし、ただ目標を設定するだけではありません。自分自身を成長させるために、常に挑戦し続けることが大切です。
例えば、新しいスキルを学ぶ、新しい趣味を始める、新しい人と出会うなど、様々なことにチャレンジすることができます。
夢や志を持ち、自分自身を成長させることで、自分自身だけでなく、周りの人々にも影響を与えることができます。そして、自分自身の生き方を通じて、人生の意味を見つけることができます。
団塊の世代の人たちは、これからも夢や志を持ち続け、自分自身を成長させ、社会に貢献していくことができると信じています。


❷ 学び続ける

団塊の世代の人々が学び続けることは非常に重要です。時代は常に変化しており、新しい技術や知識が日々生まれています。
学び続けることで、自分自身を成長させることができますし、新しい分野にチャレンジしたり、自分の興味のある分野を深掘ったりすることで、人生をより豊かにすることができます。
また、学び続けることで、人生において新たな夢や目標を見つけることもできます。何歳になっても、挑戦することができるチャンスはあるので、団塊の世代の人々は、若い世代に負けないように、新しいことに挑戦する姿勢を持つことが大切です。
学び続けることは、人生をより充実させ、社会に貢献し、新たな夢や目標を見つけるための重要な要素であると言えます。


❸ 「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にする

団塊の世代の人々は、これまでの経験や知識を活かして、経済の発展に多大な貢献をしてきました。しかし、多くの人々があくまで生計を立てるために働いてきたため、「好きなことを仕事にする」という概念をあまり持ち合わせていない可能性があります。

しかし、自分の得意なことや好きなことを活かして、地域や社会に貢献することは、自分自身にも生きがいをもたらし、社会にとっても価値のある貢献ができると考えます。

例えば、趣味で料理が得意な人が自分の得意なことを活かして、料理教室を開いたり、地元のお祭りで出店をすることで、地域の人々に美味しい食べ物を提供し、地域に貢献することができます。
同様に、音楽が好きだった人が自分の得意なことである音楽を活かして、地元の老人ホームや病院での慰問活動を行うことで、人々に感動と笑顔を提供することができます。

これらの例を通じて、好きなことや得意なことを仕事にすることができるだけでなく、社会貢献にも繋がることを、団塊の世代の人々が気付くことができれば、これまでとは違う新しい生き方を選択することができます。
これまでの生き方を変えることは、簡単なことではありませんが、思考の転換をすることで、新しい可能性や生き方が見えてくるかもしれません。


まとめ

2025年問題が目前に迫っている中で、各業種で人手不足が深刻な問題となっています。そのため多くの企業が若手人材の採用に力を入れています。しかし、一方で、若者の日本離れが進んでいることが指摘されています。

また、長期低迷期を経験し、今後の生き方に対して不安を抱えている人もいるかもしれません。世界で初めての少子高齢化問題に直面している日本では、団塊の世代がますます重要な役割を担うことになります。

そのためには、団塊の世代にとっての資源である「世代マンパワー」を活かし、自分たち自身で主体となって行動することが求められています。自分自身の生き方を見つめ直すことも大切です。自分の好きなことや得意なことを仕事にし、自己実現を図ることが重要です。これまでの経験や知恵を活かし、新たな価値を生み出すことで、未来に向けて希望を持ち、前向きに挑戦することが大切です。

団塊の世代がやる気を十分に発揮し、自分たちの未来を切り開くために、一歩踏み出してみませんか。人材不足や日本離れ、少子高齢化問題など、多くの社会的課題がある中で、団塊の世代が自分たちにできることを見つめ、行動することが必要です。未来の日本を担うために、今こそ団塊の世代が力を合わせて、立ち上がる時です。

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