うちの学校の王子様。②

"3日以内に呼んでよね"

〇〇:はぁ…どうしよ…

…僕は入江〇〇 高校一年生にして
人生最大の壁にぶつかっている…

…昨日の朝曲がり角でぶつかった人が
うちの学校の王子様的な人 伊藤理々杏
だった…その人がアニメ好きだった…

…そして昨日…何故か話の流れで
学校で名前を呼んで欲しいと…
3日以内にと…ムズ過ぎる…

〇〇:はぁ…（ため息をつく）

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…お昼休みになる…
…屋上前階段にて…

〇〇:ŧ‹”ŧ‹”…〜♪
（音楽を聴きながらお弁当を食べる）

…正直、今日も伊藤理々杏先輩が来る
と思って期待した僕は片耳イヤホンで
弁当を食べていたところに…

…ﾀﾀﾀｯ…（階段をゆっくり上がってくる）

？？:お、本当に居た。

〇〇:あなたは？

掛橋:あぁ…私掛橋沙耶香って言います
理々杏ちゃんのお友達です！

 

〇〇:ぼ、僕一年生の入江〇〇って
言います！

掛橋:ははっ！言ってた通り
〇〇くん固すぎ(笑)
で、今日はなんの曲聞いてんの？

〇〇:今日はこれです。
（スマホの画面を見せる）

掛橋:"君のせい"…あぁ！！
青ブタだね？

〇〇:大正解です！

掛橋:うぃ〜♪

〇〇:そ、それより今日はなぜここに？

掛橋:それはね〜〇〇くんの相談を乗って
あげちゃおうと思ってさ？
〇〇くん"3日以内"に名前呼ばないと
行けないんでしょ？

〇〇:そうなんですよね…

掛橋:まぁ、今はすぐ理々杏ちゃんに
話しかけれるけど最初私も名前呼ぶの
かなり気を使ったもんだよ😁

〇〇:王子様ですからね。

掛橋:まぁね。けど理々杏ちゃんも
しっかり女性だからさ…普通に
接してあげて？

〇〇:け、けど…周りの目が……

掛橋:うわ〜冷めるぅ〜
そんなこと気にしたら負けだよ？
君知らないかもだけどさ、理々杏ちゃん
昨日すっごい嬉しそうな顔してたんだよ？それは誰のせいかな？

〇〇:僕…ですか？

掛橋:そう！"君のせい"だよ？
だから責任取って呼んであげて？
理々杏ちゃんが男子の話するなんて
中々ないんだから。頑張って〇〇くん！

〇〇:は、はい！

掛橋:じゃあ私もお弁当食べようかな。
（〇〇横に座りお弁当を開く）

〇〇:掛橋さん…そのお弁当…って？

掛橋:もちろん！マグロ丼だよ？

〇〇:な、なぜマグロ丼？

掛橋:えへへ〜//

 

〇〇:こ、怖い…

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2日目…

〇〇:あ…

理々杏:…😲
（期待してる顔）

…"通り過ぎる時に呼んだら？"それが
一番現実的じゃない？…

…そうアドバイスをもらったが……

女子1:理々杏様〜！！

伊藤:あ、あぁ…おはよう😊
子猫ちゃん達♪

〇〇:……（目を逸らし通り過ぎる）

伊藤:……😮‍💨

…僕はなんて情けないんだ…

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…3日目…
最終日今日言わないと怒る…
多分僕の学生生活が終わるんだろう…
なのに…

〇〇:も、もうお昼…こ、これじゃ…
言えないまま3日目が終わっちゃう。
（その場で立ち上がる）

…僕は目をつぶり立ち上がり考える…

『周りの目』『気にしたら負け』
『責任を取って』『住む世界』
『伊藤理々杏先輩。』『君のせい』

〇〇:いただきました…。
（目を開けそう言うと）

〇〇:お昼が終わる前に…
（そう言って走り出す）

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…一方 伊藤＆掛橋側…

掛橋:あれ？〇〇くんだ
（そう言ってグラウンドを指さす）

伊藤:え？わ、ほんとだ…
（窓を開けグラウンドを見る）

〇〇:はぁはぁ…
（グラウンドの真ん中に立つ）

〇〇:ｽｳｯ……伊藤理々杏先輩！！
（大きい声で校舎に向かって叫ぶ）

伊藤:え、えぇ？！

掛橋:Wow…青〇タの梓川〇太じゃん。

〇〇:はぁはぁ…

…ｻﾞﾜｻﾞﾜｯ…（学校中がざわめく）

〇〇:返事はまだですかぁー？！
（また大きい声で叫ぶ）

掛橋:あーぁ…どうするの？
理々杏ちゃ…ってもう行ったか(笑)
うちの学校の王子様が。

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…グラウンドにて……

〇〇:はぁはぁ…もう一回呼ぶか…
ｽｯ…伊藤理々杏先輩！！

伊藤:もう…どんだけ僕を呼べば
気が済むんだい？(笑)

 

〇〇:先輩が呼べって言ったんですよ？

伊藤:まぁ…言ったけどさぁ…
こんな形で言うとは…
（苦笑いする）

〇〇:けど、違う世界で生きてる
訳じゃないんだって実感しました！

伊藤:はぇ？まさか…
思春期症候群？(笑)

〇〇:そのまさかですよ？

伊藤:呆れた(笑)
君は本当に呆れたアニメオタクだよ(笑)

〇〇:再現出来ましたね(笑)

伊藤:七〇ヶ浜高校じゃないけどね(笑)

〇〇:ですね(笑)
けどこんなことしたら…先輩のファンに
消されませんかね？(笑)

伊藤:大丈夫そこは僕が〇〇くんを守る
からさ？それに私の事伊藤理々杏先輩
から普通の先輩呼びになってるよ？

〇〇:もういいじゃないですか…？

伊藤:え〜だったら伊藤先輩とかが
良いなぁ〜🥺（目をキラキラさせる）

〇〇:わかりましたよ。
理々杏先輩…//

伊藤:………

〇〇:な、なんか言ってくださいよ(笑)

伊藤:し、下の名前で呼ぶんかい…//

〇〇:まぁ…はい…//

伊藤:〇〇後輩。

〇〇:変です…そこはいつもどうり
"くん"でいいですよ？

伊藤:そかそか(笑)

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…つづく