うちの学校の王子様。⑤
…僕は学校が終わると走って
理々杏先輩の家に向かう……
…ピンポーン………
…ガチャ…
伊藤:え?〇〇くんどうして?
〇〇:まぁ…色々と話したいことが…
伊藤:話?わかった。入って?
……理々杏先輩の家にお邪魔する…
〇〇:あれ?親御さんはいないんですか?
伊藤:親の仕事の関係上ね。
家には大体いつも僕一人だよ?
〇〇:そうですか。
伊藤:こっちが僕の部屋。
僕の部屋で話しよ?
〇〇:わかりました…。
……理々杏先輩の部屋に入る…
伊藤:恥ずかしいなぁ…私の部屋に初めて入った男子が〇〇くんか〜
……"嘘つき"とは言えなかった…
〇〇:……本題なんですけど…
伊藤:うん。
〇〇:なぜ…
僕の彼女を奪ったんですか?
伊藤:へ?何言ってるの?
そんなこと僕に出来るわけないじゃん?
それに女性同士だしさ?
〇〇:はぐらかさないでください…僕は
元カノから聞いてるんですなんで?
僕が悲しむの知っててやってますよね?
僕が理々杏先輩に彼女出来た報告する度
先輩は心の中では笑ってたんですか?
…先輩……貴方は何を考えt((
伊藤:そっちこそ!!
そっちこそ…何考えてんの?
〇〇:は、はぁ?
伊藤:そっちこそ…僕の事その気にさせて
〇〇:ぼ、僕が…その気に…?
伊藤:てか。僕が君のそばに居るのに
なんであんな趣味の悪い女と
付き合うの?
〇〇:趣味の悪いって…
伊藤:告白してくるなら誰でもいいの?
僕の気持ちに気づけよ…なんで…?
どうして?僕が…この僕がッ!
〇〇:…狂ってる……
伊藤:君が僕を狂わせたんだ…
〇〇:あんたの冗談にはもう…
うんざりだ…
伊藤:ハァハァ…君が僕を捨てたらどうなるか
〇〇:捨てる?僕は拾った覚えないです。
伊藤:そうかい。すまない…
僕の勘違いだったね……
〇〇:好きだったのに……
伊藤:は?
〇〇:好きだったんです…僕…
理々杏先輩のことが…好きだった…
伊藤:じ、じゃあなんで他の女子と
付き合ったりするんだよ…もしかして
諦めようと?
〇〇:はい…先輩は僕なんか眼中に無いと
思ってましたから…だから…
伊藤:なにそれ…勝手に決めつけないで…
僕だって普通の…普通の女性なんだよ!
〇〇:……ごめんなさい…
伊藤:出てってくれよ…
〇〇:……
伊藤:出てけよ!!
〇〇:……すみませんでした…。
(そう言って部屋を出て家を出る)
伊藤:僕はもう普通に恋愛出来ないの?
王子様になるつもりじゃなかったのに…
なんで…なんでだよ……うわぁぁん…
(号泣する)
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……翌日…
〇〇:はぁ…
…僕の日常は元に戻った…
廊下からする女子の歓声……
うちの学校の王子様が通っている…
だが一つ僕の日常の中で変化が起きた…
それは…
……ガラガラ…(教室のドアを開ける音)
掛橋:よっ〇〇くん!
〇〇:掛橋さん!
掛橋:お昼行こ?
〇〇:はい!
(勢いよく教室を出る)
……屋上まで道のり…
〇〇:わざわざ毎日迎えに来てくれなく
ても大丈夫ですよ?
掛橋:え?嫌だった?
〇〇:い、いや…めちゃくちゃ嬉しいです
掛橋:えへへ…//
〇〇:けど、迷惑になりませんか?
僕とこうやって絡んでたらそのうち
"付き合ってる"とかの噂流れますよ?
掛橋:私はいいよ?〇〇くんのこと…
好きだし?(歩きながら軽く言う)
〇〇:じ、冗談は…
掛橋:冗談じゃなかったら…ニギッ…
どうする?
…階段で僕の手を握って顔を寄せてくる
時間が止まったようだ…それは…
丁度誰を階段を通ってないからか…
それとも…胸が高鳴っているせいなのか
…キャーキャーッ……
伊藤:ありがとう子猫ちゃんた…ち……
〇〇:……
…傍から見たら僕と掛橋さんの姿は
キスしているようにも見えるのだろうか
そんな姿を理々杏先輩に見られる…
掛橋:行こ?
〇〇:は、はい…
…掛橋さんに手を引かれ屋上前階段に向かう…
伊藤:……認めたくない…
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……つづく
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