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うちの学校の王子様。終

……季節は秋…迷いも晴れ…
愛しい人との下校中……。

伊藤:〇〇…あ、あのさ…

〇〇:は、はい!なんでしょう!

…この時から嫌な予感がしていた…

伊藤:僕達…一旦距離置かない?

〇〇:へ?

伊藤:いやさ…これから僕受験じゃん?
勉強とかで〇〇と頻繁に会えないからさ
受験終わりまで距離置かないとダメだと思ってさ?

〇〇:た、たしかに?
変に都合合わせようとしたりして
勉強の邪魔はしたくないですし…
それもいいかもです!

伊藤:ごめんね…?

〇〇:良いんですよ!
受験終わりまでの辛抱です!

伊藤:ふふっ…ありがと!

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……数日後…

〇〇:"距離置かない?"距離を置くって…
どういうことだ…?

…何故か僕は"距離を置かない"と言う
言葉に引っかかっていた…
脳内で検索してみる…

keyword。
『距離を置く』『恋人』『受験』
『高校生』『先輩後輩』

〇〇:わ、わかんない…

…何度考えてもモヤモヤが晴れる様な
言葉の意味が思いつかない…なので…

〇〇:●ahoo知恵袋かぁ…

…世界の皆さんの知恵を借りる事にした

〇〇:えーっと…
『一つ年上の彼女に一旦距離を置こうと
言われました…これはどんな意味ですか
この先どうなって行きますか?』

…この日は回答が来ず眠りについた…
…翌日朝起きて携帯を開くと…

〇〇:あ!なんか来てる!

…回答を見てみると…
『それは典型的な自然消滅の合図ですね
この先質問者さんと質問者さんの彼女さんはどんどん疎遠になって行くと思います。』

〇〇:え……嘘だ…

…嫌だと思いながらも…
伊藤理々杏さんが望むならと…
僕はその日から廊下で会っても…

伊藤:あ!おはよ〜〇〇くん!

〇〇:お、おはようございます…

伊藤:え?どうしたの?
…ガシッ……(〇〇の手を掴む)

〇〇:ご、ごめんなさいっ…
(理々杏の手を振り解き走り去る)

伊藤:どうしたんだろ…
あんな悲しい顔して……

……僕は極力理々杏さんを避ける…
…受験期も終わった頃…
僕は理々杏さんに呼び出された…

〇〇:ど、どうしましたか?

伊藤:"どうした?"はこっちのセリフ!

〇〇:ぼ、僕…理々杏先輩から
"距離取ろう"って言われて…
なんか気になって調べたら…

伊藤:調べたら?

〇〇:典型的な別れるパターンって…

伊藤:はぁ…(呆れてる)

〇〇:その…

伊藤:それで僕を避けてたの?

〇〇:はい…(俯く)

伊藤:ふふっ…可愛いなぁ…//
ヨシヨシ…(〇〇の頭を撫でる)

〇〇:ふぇ?!

伊藤:なぁ…卒業式の時さ
僕の名前大きい声で呼んで。
もう一度告白してよ(笑)

〇〇:へ?

伊藤:〇〇のこと。
信じてるから…じゃあ帰ろっか!😄

〇〇:は、はい!

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……卒業式…

今日はいつもの時間より早く起きていた

……ピピピピッ……カチッ…
(タイマーを止める)

…支度していたので…
少し思い足取りで学校に向かう…

〇〇:ふぅ…

…ポチッ……〜♪。
(イヤホンをつけて音楽を流す)

〇〇:懐かしい…
(道を見て呟く)

…かけた曲は理々杏と出会った時に
聞いてた曲だった……

〇〇:"アタシだけの人"…か。

…学校に到着……

校長:本日はご卒業おめでとうございます

…土生校長の挨拶を終え……
在校生代表の言葉に…演台にたったのは

〇〇:えー…卒業生の皆様……
ご卒業おめでとうございます……

……数分後…

〇〇:これで終わります…。

伊藤:え?
心)正直、ここで言われるかと…)

掛橋:どうしたの?

伊藤:あ、いや…なんでもないよ?(笑)
心)こ、告白されないとか……嘘…)

…その後も何事もなく卒業式を終えた…
しかし学校のどこにも〇〇はいない…
不安にかられながらも帰路につく……
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…帰り道の途中の曲がり角にて…

伊藤:あ…〇〇くん。

〇〇:理々杏先輩、待ってました。
話したいので…着いてきてください。

伊藤:う、うん……
心)え…嘘。別れるの?嫌だよ…嫌だ)


…〇〇に連れられ…近くの公園に来る…


〇〇:伊藤理々杏さん…

伊藤:は、はい…

〇〇:すみませんでした!
(頭を下げる〇〇)

伊藤:ん?えっ?な、なんで?

〇〇:だ、だって…
学校で告白出来なかったから…

伊藤:あ、あぁ…

〇〇:正直在校生からの話で告白する
つもりだったんですけど…流石に
卒業生を祝福する場では、と思って。

伊藤:そ、そっか…

〇〇:それに…僕の気持ちを伝えたいのは
伊藤理々杏さんです…理々杏さんにだけ
伝えたい思いなので…

伊藤:グラウンドで叫んだくせに?(笑)

〇〇:す、すみません…(笑)
けど…僕はそう思って…ここに来ました

伊藤:うん

〇〇:伊藤理々杏さん…
ずっと僕の傍にいてください!
改めて僕と付き合ってください!
お願いします!(頭を下げ手を伸ばす)

……ニギッ…

伊藤:私でよければ…ずっと傍に
いさせてください……グスッ

〇〇:な、なんで
理々杏先輩が泣くんですか?(笑)

伊藤:だ、だってぇ…うわぁぁん😭😭
(号泣する)

…ギュッ…(理々杏を抱きしめる〇〇)

伊藤:っ……//

〇〇:理々杏先輩は…僕だけの人ですか?

伊藤:もちろん…//
〇〇くんは"アタシだけのヒト"?

〇〇:もちろん!僕は…その…
理々杏先輩にとっての…
"アタシだけのヒト"です!
(照れながら言う)

伊藤:ふふっ…嬉しい…//

…二人を包むように春風が吹く…
そう遠くない未来に二人が幸せ家庭を
築いているのが…見えるのだった…
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……終わり



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