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ロザリオの神秘

栄えの神秘 水曜・日曜

第一の黙想

"さて、安息日が終わって週の初めの日の明け方、マグダラのマリアともう一人のマリアが墓を見に行った。
すると見よ、大きな地震が起こった。主の使いが天から降りて来て石をわきに転がし、その上に座ったからである。
その姿は稲妻のようで、衣は雪のように白かった。
その恐ろしさに番兵たちは震え上がり、死人のようになった。
御使いは女たちに言った。「あなたがたは、恐れることはありません。十字架につけられたイエスを捜しているのは分かっています。
ここにはおられません。前から言っておられたとおり、よみがえられたのです。さあ、納められていた場所を見なさい。
そして、急いで行って弟子たちに伝えなさい。『イエスは死人の中からよみがえられました。そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれます。そこでお会いできます』と。いいですか、私は確かにあなたがたに伝えました。」
彼女たちは恐ろしくはあったが大いに喜んで、急いで墓から立ち去り、弟子たちに知らせようと走って行った。
すると見よ、イエスが「おはよう」と言って彼女たちの前に現れた。彼女たちは近寄ってその足を抱き、イエスを拝した。
イエスは言われた。「恐れることはありません。行って、わたしの兄弟たちに、ガリラヤに行くように言いなさい。そこでわたしに会えます。」"
マタイの福音書 28章1~10節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二の黙想

"それからイエスは、弟子たちをベタニアの近くまで連れて行き、手を上げて祝福された。
そして、祝福しながら彼らから離れて行き、天に上げられた。
彼らはイエスを礼拝した後、大きな喜びとともにエルサレムに帰り、
いつも宮にいて神をほめたたえていた。"
ルカの福音書 24章50~53節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第三の黙想

"五旬節の日になって、皆が同じ場所に集まっていた。
すると天から突然、激しい風が吹いて来たような響きが起こり、彼らが座っていた家全体に響き渡った。
また、炎のような舌が分かれて現れ、一人ひとりの上にとどまった。
すると皆が聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、他国のいろいろなことばで話し始めた。
さて、エルサレムには、敬虔なユダヤ人たちが、天下のあらゆる国々から来て住んでいたが、
この物音がしたため、大勢の人々が集まって来た。彼らは、それぞれ自分の国のことばで弟子たちが話すのを聞いて、呆気にとられてしまった。
彼らは驚き、不思議に思って言った。「見なさい。話しているこの人たちはみな、ガリラヤの人ではないか。
それなのに、私たちそれぞれが生まれた国のことばで話を聞くとは、いったいどうしたことか。
私たちは、パルティア人、メディア人、エラム人、またメソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントスとアジア、
フリュギアとパンフィリア、エジプト、クレネに近いリビア地方などに住む者、また滞在中のローマ人で、
ユダヤ人もいれば改宗者もいる。またクレタ人とアラビア人もいる。それなのに、あの人たちが、私たちのことばで神の大きなみわざを語るのを聞くとは。」
人々はみな驚き当惑して、「いったい、これはどうしたことか」と言い合った。
だが、「彼らは新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、嘲る者たちもいた。"
使徒の働き 2章1~13節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第四の黙想

"また、大きなしるしが天に現れた。一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、頭に十二の星の冠をかぶっていた。
女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。
また、別のしるしが天に現れた。見よ、炎のように赤い大きな竜。それは、七つの頭と十本の角を持ち、その頭に七つの王冠をかぶっていた。
その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた。その子は神のみもとに、その御座に引き上げられた。
女は荒野に逃れた。そこには、千二百六十日の間、人々が彼女を養うようにと、神によって備えられた場所があった。
さて、天に戦いが起こって、ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちも戦ったが、
勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
こうして、その大きな竜、すなわち、古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。また、彼の使いたちも彼とともに投げ落とされた。
私は、大きな声が天でこう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と王国と、神のキリストの権威が現れた。私たちの兄弟たちの告発者、昼も夜も私たちの神の御前で訴える者が、投げ落とされたからである。
兄弟たちは、子羊の血と、自分たちの証しのことばのゆえに竜に打ち勝った。彼らは死に至るまでも自分のいのちを惜しまなかった。
それゆえ、天とそこに住む者たちよ、喜べ。しかし、地と海はわざわいだ。悪魔が自分の時が短いことを知って激しく憤り、おまえたちのところへ下ったからだ。」
竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。
しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒野にある自分の場所に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前から逃れて養われるためであった。
すると蛇はその口から、女のうしろへ水を川のように吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
しかし、地は女を助け、その口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。
そして、竜は海辺の砂の上に立った。"
ヨハネの黙示録 12章1~18節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第五の黙想

"また、スミルナにある教会の御使いに書き送れ。『初めであり終わりである方、死んでよみがえられた方が、こう言われる──。
わたしは、あなたの苦難と貧しさを知っている。だが、あなたは富んでいるのだ。ユダヤ人だと自称しているが実はそうでない者たち、サタンの会衆である者たちから、ののしられていることも、わたしは知っている。
あなたが受けようとしている苦しみを、何も恐れることはない。見よ。悪魔は試すために、あなたがたのうちのだれかを牢に投げ込もうとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあう。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与える。
耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。勝利を得る者は、決して第二の死によって害を受けることはない。』"
ヨハネの黙示録 2章8~11節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

"御使いはまた、水晶のように輝く、いのちの水の川を私に見せた。川は神と子羊の御座から出て、
都の大通りの中央を流れていた。こちら側にも、あちら側にも、十二の実をならせるいのちの木があって、毎月一つの実を結んでいた。その木の葉は諸国の民を癒やした。
もはや、のろわれるものは何もない。神と子羊の御座が都の中にあり、神のしもべたちは神に仕え、
御顔を仰ぎ見る。また、彼らの額には神の御名が記されている。
もはや夜がない。神である主が彼らを照らされるので、ともしびの光も太陽の光もいらない。彼らは世々限りなく王として治める。"
ヨハネの黙示録 22章1~5節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

光の神秘・木曜

第一の黙想

"そのころ、イエスはガリラヤのナザレからやって来て、ヨルダン川でヨハネからバプテスマを受けられた。
イエスは、水の中から上がるとすぐに、天が裂けて御霊が鳩のようにご自分に降って来るのをご覧になった。
すると天から声がした。「あなたはわたしの愛する子。わたしはあなたを喜ぶ。」"
マルコの福音書 1章9~11節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二の黙想

"それから三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があり、そこにイエスの母がいた。
イエスも弟子たちも、その婚礼に招かれていた。
ぶどう酒がなくなると、母はイエスに向かって「ぶどう酒がありません」と言った。
すると、イエスは母に言われた。「女の方、あなたはわたしと何の関係がありますか。わたしの時はまだ来ていません。」
母は給仕の者たちに言った。「あの方が言われることは、何でもしてください。」
そこには、ユダヤ人のきよめのしきたりによって、石の水がめが六つ置いてあった。それぞれ、二あるいは三メトレテス入りのものであった。
イエスは給仕の者たちに言われた。「水がめを水でいっぱいにしなさい。」彼らは水がめを縁までいっぱいにした。
イエスは彼らに言われた。「さあ、それを汲んで、宴会の世話役のところに持って行きなさい。」彼らは持って行った。
宴会の世話役は、すでにぶどう酒になっていたその水を味見した。汲んだ給仕の者たちはそれがどこから来たのかを知っていたが、世話役は知らなかった。それで、花婿を呼んで、
こう言った。「みな、初めに良いぶどう酒を出して、酔いが回ったころに悪いのを出すものだが、あなたは良いぶどう酒を今まで取っておきました。」
イエスはこれを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。
その後イエスは、母と弟たち、そして弟子たちとともにカペナウムに下って行き、長い日数ではなかったが、そこに滞在された。"
ヨハネの福音書 2章1~12節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第三の黙想

"ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べ伝えて言われた。
「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」"
マルコの福音書 1章14~15節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第四の黙想

"これらのことを教えてから八日ほどして、イエスはペテロとヨハネとヤコブを連れて、祈るために山に登られた。
祈っておられると、その御顔の様子が変わり、その衣は白く光り輝いた。
そして、見よ、二人の人がイエスと語り合っていた。それはモーセとエリヤで、
栄光のうちに現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について、話していたのであった。
ペテロと仲間たちは眠くてたまらなかったが、はっきり目が覚めると、イエスの栄光と、イエスと一緒に立っている二人の人が見えた。
この二人がイエスと別れようとしたとき、ペテロがイエスに言った。「先生。私たちがここにいることはすばらしいことです。幕屋を三つ造りましょう。一つはあなたのために、一つはモーセのために、一つはエリヤのために。」ペテロは自分の言っていることが分かっていなかった。
ペテロがこう言っているうちに、雲がわき起こって彼らをおおった。彼らが雲の中に入ると、弟子たちは恐ろしくなった。
すると雲の中から言う声がした。「これはわたしの選んだ子。彼の言うことを聞け。」
この声がしたとき、そこに見えたのはイエスだけであった。弟子たちは沈黙を守り、当時は自分たちの見たことをいっさい、だれにも話さなかった。"
ルカの福音書 9章28~36節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第五の黙想

"さて、一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、神をほめたたえてこれを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしのからだです。」
また、杯を取り、感謝の祈りをささげた後、彼らにお与えになった。彼らはみなその杯から飲んだ。
イエスは彼らに言われた。「これは、多くの人のために流される、わたしの契約の血です。
まことに、あなたがたに言います。神の国で新しく飲むその日まで、わたしがぶどうの実からできた物を飲むことは、もはや決してありません。」
そして、賛美の歌を歌ってから、皆でオリーブ山へ出かけた。"
マルコの福音書 14章22~26節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

苦しみの神秘・火曜、金曜

第一の黙想

"それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという場所に来て、
彼らに「わたしがあそこに行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。
そして、ペテロとゼベダイの子二人を一緒に連れて行かれたが、イエスは悲しみもだえ始められた。
そのとき、イエスは彼らに言われた。
「わたしは悲しみのあまり死ぬほどです。ここにいて、わたしと一緒に目を覚ましていなさい。」
それからイエスは少し進んで行って、ひれ伏して祈られた。
「わが父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。
しかし、わたしが望むようにではなく、あなたが望まれるままに、なさってください。」
それから、イエスは弟子たちのところに戻って来て、彼らが眠っているのを見、ペテロに言われた。
「あなたがたはこのように、一時間でも、わたしとともに目を覚ましていられなかったのですか。
誘惑に陥らないように、目を覚まして祈っていなさい。霊は燃えていても肉は弱いのです。」
イエスは再び二度目に離れて行って、
「わが父よ。わたしが飲まなければこの杯が過ぎ去らないのであれば、あなたのみこころがなりますように」と祈られた。
イエスが再び戻ってご覧になると、弟子たちは眠っていた。
まぶたが重くなっていたのである。
イエスは、彼らを残して再び離れて行き、もう一度同じことばで三度目の祈りをされた。
それから、イエスは弟子たちのところに来て言われた。
「まだ眠って休んでいるのですか。見なさい。時が来ました。人の子は罪人たちの手に渡されます。
立ちなさい。さあ、行こう。見なさい。わたしを裏切る者が近くに来ています。」"
マタイの福音書 26章36~46節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二の黙想

"ところで、ピラトは祭りのたびに、人々の願う囚人一人を釈放していた。
そこに、バラバという者がいて、暴動で人殺しをした暴徒たちとともに牢につながれていた。
群衆が上って来て、いつものようにしてもらうことを、ピラトに要求し始めた。
そこでピラトは彼らに答えた。「おまえたちはユダヤ人の王を釈放してほしいのか。」
ピラトは、祭司長たちがねたみからイエスを引き渡したことを、知っていたのである。
しかし、祭司長たちは、むしろ、バラバを釈放してもらうように群衆を扇動した。
そこで、ピラトは再び答えた。「では、おまえたちがユダヤ人の王と呼ぶあの人を、私にどうしてほしいのか。」
すると彼らはまたも叫んだ。「十字架につけろ。」
ピラトは彼らに言った。「あの人がどんな悪いことをしたのか。」しかし、彼らはますます激しく叫び続けた。「十字架につけろ。」
それで、ピラトは群衆を満足させようと思い、バラバを釈放し、イエスはむちで打ってから、十字架につけるために引き渡した。"
マルコの福音書 15章6~15節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第三の黙想

"それから、総督の兵士たちはイエスを総督官邸の中に連れて行き、イエスの周りに全部隊を集めた。
そしてイエスが着ていた物を脱がせて、緋色のマントを着せた。
それから彼らは茨で冠を編んでイエスの頭に置き、右手に葦の棒を持たせた。そしてイエスの前にひざまずき、「ユダヤ人の王様、万歳」と言って、からかった。
またイエスに唾をかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたいた。
こうしてイエスをからかってから、マントを脱がせて元の衣を着せ、十字架につけるために連れ出した。"
マタイの福音書 27章27~31節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第四の黙想

"イエスは自分で十字架を負って、「どくろの場所」と呼ばれるところに出て行かれた。そこは、ヘブル語ではゴルゴタと呼ばれている。"
ヨハネの福音書 19章17節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

"民衆や、イエスのことを嘆き悲しむ女たちが大きな一群をなして、イエスの後について行った。"
ルカの福音書 23章27節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第五の黙想

"イエスは自分で十字架を負って、「どくろの場所」と呼ばれるところに出て行かれた。そこは、ヘブル語ではゴルゴタと呼ばれている。
彼らはその場所でイエスを十字架につけた。また、イエスを真ん中にして、こちら側とあちら側に、ほかの二人の者を一緒に十字架につけた。
ピラトは罪状書きも書いて、十字架の上に掲げた。それには「ユダヤ人の王、ナザレ人イエス」と書かれていた。
イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がこの罪状書きを読んだ。それはヘブル語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。
そこで、ユダヤ人の祭司長たちはピラトに、「ユダヤ人の王と書かないで、この者はユダヤ人の王と自称したと書いてください」と言った。
ピラトは答えた。「私が書いたものは、書いたままにしておけ。」
さて、兵士たちはイエスを十字架につけると、その衣を取って四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。また下着も取ったが、それは上から全部一つに織った、縫い目のないものであった。
そのため、彼らは互いに言った。「これは裂かないで、だれの物になるか、くじを引こう。」これは、「彼らは私の衣服を分け合い、私の衣をくじ引きにします」とある聖書が成就するためであった。それで、兵士たちはそのように行った。
イエスの十字架のそばには、イエスの母とその姉妹、そしてクロパの妻マリアとマグダラのマリアが立っていた。
イエスは、母とそばに立っている愛する弟子を見て、母に「女の方、ご覧なさい。あなたの息子です」と言われた。
それから、その弟子に「ご覧なさい。あなたの母です」と言われた。その時から、この弟子は彼女を自分のところに引き取った。
それから、イエスはすべてのことが完了したのを知ると、聖書が成就するために、「わたしは渇く」と言われた。
酸いぶどう酒がいっぱい入った器がそこに置いてあったので、兵士たちは、酸いぶどう酒を含んだ海綿をヒソプの枝に付けて、イエスの口もとに差し出した。
イエスは酸いぶどう酒を受けると、「完了した」と言われた。そして、頭を垂れて霊をお渡しになった。"
ヨハネの福音書 19章17~30節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

喜びの神秘・月曜、土曜

第一の黙想

"さて、その六か月目に、御使いガブリエルが神から遣わされて、ガリラヤのナザレという町の一人の処女のところに来た。
この処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリアといった。
御使いは入って来ると、マリアに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」
しかし、マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。
すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。
見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。
その子は大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また神である主は、彼にその父ダビデの王位をお与えになります。
彼はとこしえにヤコブの家を治め、その支配に終わりはありません。」
マリアは御使いに言った。「どうしてそのようなことが起こるのでしょう。私は男の人を知りませんのに。」
御使いは彼女に答えた。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます。
見なさい。あなたの親類のエリサベツ、あの人もあの年になって男の子を宿しています。不妊と言われていた人なのに、今はもう六か月です。
神にとって不可能なことは何もありません。」
マリアは言った。「ご覧ください。私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。」すると、御使いは彼女から去って行った。"
ルカの福音書 1章26~38節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二の黙想

"それから、マリアは立って、山地にあるユダの町に急いで行った。
そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。
エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは聖霊に満たされた。
そして大声で叫んだ。「あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。
私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。
あなたのあいさつの声が私の耳に入った、ちょうどそのとき、私の胎内で子どもが喜んで躍りました。
主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」
マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、
私の霊は私の救い主である神をたたえます。
この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。
力ある方が、私に大きなことをしてくださったからです。その御名は聖なるもの、
主のあわれみは、代々にわたって主を恐れる者に及びます。
主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました。
権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました。
飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせずに追い返されました。
主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。
私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに。」
マリアは、三か月ほどエリサベツのもとにとどまって、家に帰った。"
ルカの福音書 1章39~56節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第三の黙想

"そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストゥスから出た。
これは、キリニウスがシリアの総督であったときの、最初の住民登録であった。
人々はみな登録のために、それぞれ自分の町に帰って行った。
ヨセフも、ダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
身重になっていた、いいなずけの妻マリアとともに登録するためであった。
ところが、彼らがそこにいる間に、マリアは月が満ちて、
男子の初子を産んだ。そして、その子を布にくるんで飼葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。
さて、その地方で、羊飼いたちが野宿をしながら、羊の群れの夜番をしていた。
すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。
御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。
今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。
あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それが、あなたがたのためのしるしです。」
すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れて、神を賛美した。
「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」
御使いたちが彼らから離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは話し合った。「さあ、ベツレヘムまで行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見届けて来よう。」
そして急いで行って、マリアとヨセフと、飼葉桶に寝ているみどりごを捜し当てた。
それを目にして羊飼いたちは、この幼子について自分たちに告げられたことを知らせた。
聞いた人たちはみな、羊飼いたちが話したことに驚いた。
しかしマリアは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。
羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
八日が満ちて幼子に割礼を施す日となり、幼子の名はイエスとつけられた。胎内に宿る前に御使いがつけた名である。"
ルカの福音書 2章1~21節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第四の黙想

"そして、モーセの律法による彼らのきよめの期間が満ちたとき、両親は幼子をエルサレムに連れて行った。
それは、主の律法に「最初に胎を開く男子はみな、主のために聖別された者と呼ばれる」と書いてあるとおり、幼子を主に献げるためであった。
また、主の律法に「山鳩一つがい、あるいは家鳩のひな二羽」と言われていることにしたがって、いけにえを献げるためであった。
そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルが慰められるのを待ち望んでいた。また、聖霊が彼の上におられた。
そして、主のキリストを見るまでは決して死を見ることはないと、聖霊によって告げられていた。
シメオンが御霊に導かれて宮に入ると、律法の慣習を守るために、両親が幼子イエスを連れて入って来た。
シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。
「主よ。今こそあなたは、おことばどおり、しもべを安らかに去らせてくださいます。
私の目があなたの御救いを見たからです。
あなたが万民の前に備えられた救いを。
異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの栄光を。」
父と母は、幼子について語られる様々なことに驚いた。
シメオンは両親を祝福し、母マリアに言った。「ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れたり立ち上がったりするために定められ、また、人々の反対にあうしるしとして定められています。
あなた自身の心さえも、剣が刺し貫くことになります。それは多くの人の心のうちの思いが、あらわになるためです。」
また、アシェル族のペヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。この人は非常に年をとっていた。処女の時代の後、七年間夫とともに暮らしたが、
やもめとなり、八十四歳になっていた。彼女は宮を離れず、断食と祈りをもって、夜も昼も神に仕えていた。
ちょうどそのとき彼女も近寄って来て、神に感謝をささげ、エルサレムの贖いを待ち望んでいたすべての人に、この幼子のことを語った。"
ルカの福音書 2章22~38節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第五の黙想

"さて、イエスの両親は、過越の祭りに毎年エルサレムに行っていた。
イエスが十二歳になられたときも、両親は祭りの慣習にしたがって都へ上った。
そして祭りの期間を過ごしてから帰路についたが、少年イエスはエルサレムにとどまっておられた。両親はそれに気づかずに、
イエスが一行の中にいるものと思って、一日の道のりを進んだ。後になって親族や知人の中を捜し回ったが、
見つからなかったので、イエスを捜しながらエルサレムまで引き返した。
そして三日後になって、イエスが宮で教師たちの真ん中に座って、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。
聞いていた人たちはみな、イエスの知恵と答えに驚いていた。
両親は彼を見て驚き、母は言った。「どうしてこんなことをしたのですか。見なさい。お父さんも私も、心配してあなたを捜していたのです。」
すると、イエスは両親に言われた。「どうしてわたしを捜されたのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当然であることを、ご存じなかったのですか。」
しかし両親には、イエスの語られたことばが理解できなかった。
それからイエスは一緒に下って行き、ナザレに帰って両親に仕えられた。母はこれらのことをみな、心に留めておいた。
イエスは神と人とにいつくしまれ、知恵が増し加わり、背たけも伸びていった。"
ルカの福音書 2章41~52節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会



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