マガジンのカバー画像

本を求めてさまよい歩く

5
他愛もなくくだらなく、ちっぽけで何の脈絡もないかもしれない、本を選ぶとき、手に取る瞬間の頭の中。 そこに比重を置いたブックガイド的な何かになる予定です。 手持ちの本については、…
運営しているクリエイター

#読書

沈んだときの出会い

このところ、なんとなく元気が出ない。 雨が多いせいでじめっとしているせいなのか何なのか、気持ちがすっきりとしない。 そんなわけで、ふらっと本屋へ足を運んでもどこか心ここにあらずという感じになってしまう。 でもやっぱり本屋へ行く。 本屋へ行くとなんとなく、エネルギーをチャージできるような気がするせいかもしれない。 こういうときに手に取る本は、たまに大当たりがある。 以前買った『悲しみの秘義』(若松英輔、文春文庫、文藝春秋)が、まさにそうだった。 手に取ったときの状態は今と同

大地は繋がっているしあらすじは自作しがち

最近、というわけではないけれどYoutubeを見るようになった。昨年に比べてだいぶ、Youtubeに費やす時間が増えている気がする。 Youtubeは功罪いずれもあるので、あまりのめり込みすぎるのはよくないなあと思いつつ利用しているのだが、おすすめで上がっているものについ惹かれてポチッと見ちゃう。 私の最近のお気に入りは杏さんの動画だ。 杏さんというのは、俳優でモデルの杏さんのことである。 初めて見た杏さんの動画は、杏さんがご自宅でクリスマス料理を作るというものだった。

スローモーションで哲学の胸に飛び込む

人はどんなことを考えた結果、本屋で本を手に取るのだろう。 そう考えたのがきっかけで、記事を書き始めた。 「まえがき」を除いて実質的に、今回が2回目になる。 前回は、第一回目だしノリと勢いが大事だ! と気合いが入って、カロリーが高いものになった。(読んでくださった皆さま、リアクションをくださった皆さま、ありがとうございます。) 若干暴走気味だったのではないか、というひとり反省会の結果を生かして、今回はもう少し落ち着いた調子進めたい。 さて私は例のごとく、本屋に向かった。 折角

イマジナリーYouがときめきの導火線に火をつけた話

「まえがき」でも書いたが、私は、人がどう考えた末に本を手に取るのかということに興味がある。 他愛もなくくだらなく、ちっぽけで何の脈絡もないかもしれない、本選びの最中の頭の中、それが見てみたい。 そこでこのnoteにまずは本屋での自分の頭の中を書くことにした。自らの頭の中を明らかにしつつ、さらには本を読みたい方のブックガイド的な何か、読書の参考とかきっかけになれば良いなと思っている。 さて、私は昼食を買いに行くついで、ふらりと古書店に立ち寄った。 行きつけの本屋は店自体が小さ

まえがき

私はわりと頻繁に本屋へ行く。 本屋で、レジに並ぶ人をふと見たとき、あるいは本を抱えたまま棚のあいだをうろうろする人を見たとき、強い衝動に駆られることがある。 あの人の頭をこじ開けたい。脳の中を見せてもらいたい。 こう書くととても物騒だが、もちろんそのままの意味ではない。 あと、断わっておくが、人様の持っている本を見て「こういう本を読むんだぁ」とぷーくすしているわけではない。 ただ純粋に、なぜその本を選んだのか知りたいのだ。 くれぐれも誤解しないでいただきたいのですが、人様