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ガイアナは、2015年にエクソンモービルが沿岸海域で大規模な油田を発見して以来、驚異的な経済成長を遂げている南米の小国です¹²。しかし、その一方で、油田収入の分配や管理、政治的不安定さ、隣国との領土紛争など、様々なリスクに直面しています³⁴。以下に、ガイアナの石油業界に関する主なリスク要因をまとめました。

- 油田収入の分配や管理:ガイアナには、油田収入を公正かつ透明に分配し、効果的に管理するための法的・制度的な枠組みが十分に整備されていません³。また、油田開発に関する契約条件や税制も、石油会社に有利なものとなっており、国の利益が損なわれる可能性があります²⁴。油田収入の不適切な分配や管理は、国民の不満や不信感を高め、社会的不平等や腐敗を招く恐れがあります³⁴。
- 政治的不安定さ:ガイアナは、2020年3月に行われた総選挙の結果が紛糾し、5か月にわたって政治的空白状態が続きました³⁴。最終的に、野党のイルファーン・アリ氏が大統領に就任しましたが、与党のデビッド・グランジャー氏は選挙結果に不服を申し立て、国内外の仲裁によってようやく決着がつきました³⁴。このような政治的混乱は、油田開発や収入管理に影響を及ぼす可能性があります³⁴。また、ガイアナは、人種や宗教、政党などによって分断された社会であり、政治的対立が暴力や紛争に発展するリスクもあります³⁴。
- 隣国との領土紛争:ガイアナは、隣国のベネズエラとスリナムとの間で、油田が存在する海域や陸域の領有権をめぐって長年にわたって紛争を抱えています³⁴。特に、ベネズエラは、ガイアナの西側の約3分の2の領土を自国のものと主張しており、2015年に油田が発見されたことを受けて、その主張を強めています³⁴。ベネズエラは、ガイアナの油田開発に対して圧力や妨害をかけることで、国内の政治的・経済的危機から目をそらそうとしているとの見方もあります³⁴。ガイアナとベネズエラの領土紛争は、国際司法裁判所(ICJ)に付託されていますが、ベネズエラはICJの管轄権を認めていません³⁴。

以上のように、ガイアナは、石油業界における南米の新たなプレーヤーとして注目されていますが、その一方で、多くの課題やリスクに直面しています。ガイアナが、油田収入を持続可能な発展に活用し、資源の呪いを克服できるかどうかは、今後の政治的・社会的な動向にかかっています。

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