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東証の「PBR1倍割れ改善要請」

東証の「PBR1倍割れ改善要請」が俄然注目を集めている。しかし、東証はPBR1倍割れ企業が全体の半分程度と多いとは指摘しているものの、PBR1倍割れ企業に対して何とかしろとは言っていない。「株価や資本コストを意識して経営をしてほしい」と要請しているに過ぎないのだが、早とちりしたマスコミが誤解して今のような報道が主流となっている。
議論の出発点は2018年に始まった東証の市場区分改革である。東証は大証やジャスダックなどを統合した歴史があるので整理の必要があった。そこで2022年にできたのがプライム市場他である。ところが、東証1部のほとんどがプライム市場に移行したので「改革の意味がない」と東証は厳しい批判にさらされた。日本株の魅力が乏しいのは東証のせいではなく、上場企業の責任であるはずだ。そこで東証は逆襲に転じ?、経営者に対して前述の要請をした。最近の株高も加わり、急速に経営者が株価を意識するようになった。日本では「他者がやれば自分もやる」そして「熱しやすく冷めやすい」とも言う。多くの会社はPBR1倍に達すると安心してしまうことが懸念されるが、株価上昇はマラソンなのでスタミナ切れにならないように頑張ってほしい。


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