見出し画像

未来の勝者を見逃すな、低PBR株が逆襲する!🚪

## 要約
本書は、日本の株式市場における最近の低PBR(株価純資産倍率)銘柄の動向と、投資家がその恩恵を受ける方法について述べたものである。PBRとは、株式の市場価格と簿価(企業の純資産価値)を比較した評価指標である。PBRが低いということは、その銘柄が市場から過小評価されていることを意味し、PBRが高いということは、その銘柄が過大評価されていることを意味する。

著者の菊池正俊氏は、みずほ証券のシニア・エグゼクティブ兼チーフ・エクイティ・ストラテジストで、日本の株式市場の専門家として知られている。日経ヴェリタス誌のトップ・ストラテジスト、インスティテューショナル・インベスター誌のベスト・ストラテジスト第2位にランクされている。また、日本における外国人投資家の行動や戦略に関する著書もある。

本書では、東京証券取引所(東証)が2023年3月に上場企業に対して低PBRの改善を要請した理由と、それによって株式市場の潮流が低PBR銘柄(鉄鋼、自動車部品、銀行、商社など)に有利に変化したことを解説している。また、各社の実際の対応や対策、投資家からの評価や感想も分析。そのうえで、資本効率、資本コスト、資本政策の概念に基づき、低PBR銘柄を選別・評価するための効果的な投資手法や基準を提示している。また、日本の低PBR銘柄の状況を世界の他の市場と比較し、「低PBR銘柄の逆襲」が日本経済の停滞を救うと論じている。

## 評価
本書は、日本の株式市場、特に最近勢いを増している低PBR銘柄に関心を持つ投資家にとって、タイムリーで示唆に富む指南書である。著者は、プロのストラテジストとしての豊富な知識と経験を生かし、東証が低PBRの改善を要請した背景、根拠、意味合い、そしてそれが市場のセンチメントやパフォーマンスにどのような影響を与えたかを解説している。また、様々な要因や指標に基づき、低PBR銘柄の見極め方や投資方法について、実践的かつ有益なアドバイスを提供している。また、様々な業界や企業のデータ、チャート、例を用いて、その論拠と提言を裏付けている。

本書の長所は、明快さ、妥当性、深さである。著者は、シンプルでわかりやすい言葉や用語を使い、明快かつ簡潔に書いている。また、低PBR銘柄に関連する特定の側面やトピックに焦点を当てた10の章から構成されている。また、本書のテーマを、少子高齢化、財政赤字、環境問題など、日本が直面している現在および将来の経済・社会問題と関連付けている。さらに、低PBR株とバリュー株の違いや共通点、外国人投資家の役割や影響力、コーポレート・ガバナンスやESG(環境・社会・ガバナンス)要因の影響など、低PBR現象の詳細やニュアンスについても掘り下げている。

本書の弱点は、その狭さ、反復性、楽観主義である。著者は主に日本市場の低PBR銘柄に焦点を当て、米国、欧州、アジアなど他の市場や地域との比較や対比をあまり行っていない。また、異なる章でも同じ指摘や主張を繰り返しており、冗長で退屈な印象を与えるかもしれない。また、低PBR銘柄の将来性や可能性を過度に楽観視しているようで、高成長銘柄との競争、規制の変更、市場のボラティリティなど、低PBR銘柄が直面する可能性のあるリスクや課題には触れていない。

## 個人的意見と推薦
本書を楽しく読み、日本の低成長 PBR 銘柄について多くを学んだ。本書は、日本の株式市場、特に最近注目され、関心を集めている低PBR銘柄を理解し、投資したいと考えている人にとって、非常に有益であり、参考になると思う。また、本書は日本経済・社会の現在および将来の動向や問題点を反映しており、適切かつタイムリーだと思う。低PBR銘柄は、日本市場と経済を活性化し、変革する可能性を秘めており、バリューと成長を求める投資家にとって魅力的な機会を提供するという著者の主な論旨に賛同する。

本書は、日本の株式市場、特に低PBR銘柄に関心のあるすべての人にお勧めしたい。本書は、基本的な情報から高度な情報、分析までを提供しているため、初心者にも上級者にも適していると思う。また、日本の経済や社会、そしてそれらが直面する課題や機会についてもっと知りたい人にとっても、本書は役に立つと思う。日本の低PBR株に関する知識と視野を広げたい人にとって、本書は貴重で楽しい読み物だと思う。

みなさまからいただく「スキ」❤️がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます🙇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?