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経木を作ることに決めた話(2)

経木の製造現場を見に行きたい

こんにちは。
福島県只見町で経木を作っている目黒です。
前回は経木を知らなかったぼくが経木に興味を持ち、リサーチを始めた話を書きました。
経木を知れば知るほど製造現場を見てみたいと思うようになったぼくは、ある方と連絡をとることになります。
それではお話の続きをどうぞ。

まずは工場見学を申し込む

2019年11月、ぼくは宮城県三陸町にある経木工場があることを知ります。 南三陸町の杉で経木を作り、地域に生業を創出しようと取り組む「Kinohaプロジェクト」が運営する工場でした。
東日本大震災後の復興プロジェクトとして立ち上がった工場で、さらに経木への新規参入組ということもあり、参考になることがあるのではと考えたのです。早速Facebookを通じて問い合わせをしました。

ご対応いただいたのが宮田さん。
工場見学を申し込んだところ年内いっぱいは忙しいとのことで、年明けにまた連絡することにしました。

年が明け、2020年1月に改めてご連絡すると、たまたま会津へいらっしゃる用事があるとのこと。会津でお会いすることになりました。
ご挨拶の場所として指定されたのは会津坂下町の「IIE(イー)」の事務所でした。IIEは会津木綿の織元で、おしゃれにデザインされたアパレル商品などは会津木綿の新しい価値を提案しています。代表の谷津くんは知り合いなのですが、なんと谷津くんと宮田さんは学生時代の友人同士なのだそうです。
なんという偶然、世の中狭いものですね。

お会いした宮田さんから経木の事業を始められた経緯や経木に対する思いなどを伺い、ぼくも経木を知ってから可能性を感じてリサーチしていることなどを話し、お互いに共感しながらとても充実したひとときを過ごしました。
しかし時すでに遅し。実は宮田さんは諸般の事情により経木製造を終了してしまっていたのです。

ああ、工場見学は叶わないのだな。。。また振り出しに戻るのか。。。南三陸町へも行ってみたかった。 残念に思っていたぼくに、宮田さんが思いがけぬひとことを発しました。

「引き継いでやっていただけるのなら機械を差し上げますが、経木やりませんか?」


まさかのご提案!

なんと、機械を譲っていただけることになったのです!

経木を作る機械はとても古く、新品の機械を作っているメーカーはもはやありません。経木製造をやりたくとも機械が手に入らないことにはどうにもならないのです。
機械を譲っていただける、急に道が開けた思いでした。
何度も繰り返し見た動画のあの機械が手に入るなんて本当に思いも寄らない展開です。

機械は千葉県多古町にある農家の納屋にしまってあるとのこと。早速1月末に下見に行きました。機械の大きさや量を見て運搬の計画を立てるためです。 機械は全部で3台分ありました。そして1台がとにかく重い。鉄の塊で100kg以上はありそうです。ハイエースなんかじゃとても運べない。クレーン付きトラックをチャーターして運ぶことにしました。

千葉県多古町にて。全体に錆び付いていて古い機械です。

そして2月。いよいよ機械を運び出し、機械が只見に到着しました。
しかし、ここでまたひとつ問題が浮上します。

運んで来たのはよかったけれど、バラバラの機械をどう組み立てて動かせば良いのだろう。

こうして、試行錯誤と途方に暮れるを繰り返す数ヶ月間が始まったのです。
この続きは次回の講釈で。


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