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バイオハザード:デスアイランド 第一話

2015年 サンフランシスコ

「アントニオ・テイラー博士?」
「国家機密漏洩の容疑者よ。S W A Tが踏み込んだけど、
武装した集団に先回りされて、テイラー博士を拉致された」

レオンはバイクに跨り、携帯で話しながら拉致された
動画の様子を見つめていた。
彼はため息交じりに「マズいな」と呟いた。

「米国の最高機密に関与してた彼を、外国の組織も狙ってる。
一刻も早く彼を奪還して」
「そう急かすなよ」と彼は言ったが、彼女は淡々と話を続けた。
「解析によると、彼を乗せた車が1~2分で通る」
レオンの目の前をその車が通過したので、彼は会話を遮って、
「今、通過した」と報告した。

バイクのエンジン音を吹かして、彼はそのまま車の後を追った。
高速道路のような道を、彼はスピードを増して追いかけて、
車の近くまで行くと、左手で腰に装備している銃に手をかけた。

そして車の真後ろまで行くと、車に照準を合わせて銃を構えた。
撃つ寸前に、後方からバイクが現れて、レオンのバイクに横から
ぶつけてきた。

フルフェイスのヘルメットをつけていたが、体つきから女だと
分かった。バイクでの押し合いにはレオンが勝り、彼はバイクに
向けて銃を構えたが、一発、二発とその弾丸は空を斬り、
後方からバイクを吹かして、前輪タイヤを上げるとそのまま
レオンの体にタイヤを当ててきた。

予想よりも手強い相手だと察したのか、レオンは銃を腰しまって、
前方に回り込んだ相手は、車を積んだトラックの車をレオンに
ぶつけようとして車を放った。

トンネルの中で、一台、二台、三台と、新車は次々とレオンに
向かって襲い掛かったが、彼はそれを避けつつも追跡を続けた。

トンネルを抜けるとレオンはスピードを増して追い越し、
再び左手で銃を手にした。
バイクを後方から捉えていた事もあり、彼の弾丸は相手のバイクの
前輪タイヤに二発の銃弾を撃ち込むと、タイヤは破裂したが、
そのまま前輪を上げたまま、前方を走る車を積んでいたトラックの
荷台に、登るようにバイクを走らせて、レオンに向けてバイクが
飛んできたが、相手はそのバイクには乗っていなかった。

刹那の間を置いて、後ろからレオンに飛び掛かり、
背後から腕を回して彼の首を絞め続けた。
なかなか落とせないレオンに対して、
彼女は普通のトラックの横まで行くと、
地面を蹴って走るように、素早い動きでトラックを蹴りつけて
走り込み、レオンの前方に回り込んだ。

彼女はレオンのバイクの前に回り込むと同時に、
ハイヒールの靴にある溝を利用してブレーキを踏みつけた。
後輪は地面から飛び上がるように浮くと、レオンのバイクは
そのまま前方に転倒し、彼は地面に落ちた時に、自ら回転を
加えてダメージを殺してすぐに銃を構えたが、彼女の姿は
後ろにも前にもいなかった。

彼女はバイクが転倒した時、その身軽な動きで他の車の荷台に
乗り込んで、赤毛の髪をなびかせながら、遠くからレオンを
見つめるように、後方を見つめていた。

後に残されていたのは彼の壊れたバイクだけだった。

任務に失敗したレオンは「泣けるぜ」と一言だけ口にした。


冒頭で出るタイトルも映画を意識しているような感じに
仕上がっていて、監督が変わったのかと思い調べてみた所、
私が見たバイオハザード:ヴェンデッタとは監督が変わっており、
2022年に1話から4話までの、1話約30分のドラマ形式での
バイオハザード:インフィニット ダークネスというのが
出ていたようでそれから監督が変わり、
今作はインフィニット ダークネスの監督が引き続き務めたようで、
見落としていました。

やはり監督が変わると、仕上がり具合にも大きな影響を
与えるので、すぐに気づきましたが、これまでよりも
世界を意識しているのか、ハリウッド映画等ではよくある
形式を取り、タイトル画面でもそれを大いに感じました。

レオンが最初の登場人物として描かれており、
次は全く別の場所から始まっていたので、
ここで一旦区切りをつけました。

レオンのアクションシーンはいつも多いので、
会話は殆ど無かったので、その描写を書かせて
頂きました。
セリフがあれば、セリフを優先して、
描写がセリフだけでは足りない場合につき、
少しフォローしていきたいと思います。


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