見出し画像

見て見ぬふり

ジャニーズ事務所の会見の様子が、朝から何度も繰り返されています。
ジャニー氏による性加害問題があったと公表し、社長が東山さんに代わった事務所の対応について、ああでもない、こうでもないと辛辣なコメントを投げつけるTV関係者達。
記者会見で舌鋒鋭く東山さんに切り込んだ記者は、今までだってジャニー氏に関する黒い噂を聞いたことがあったはず。記者という立場なら、被害者の声を聞き、問題を公表し、世間に訴えることだって可能だったでしょう。しかし、自分の立場、世間のニーズ、時代の流れ等が作る空気によって、『ただの噂だと思っていた』と真実にフィルターをかけた意見に逃げていたはずです。ジャニーズで活躍するアイドル達も同じようなコメントを発表しています。まさに、見て見ぬふりです。
実は、このような見て見ぬふりは、日頃良く感じています。
例えば障碍者雇用の安すぎる給料です。
一般的な障碍者雇用で得られる賃金は年齢に係わらず20万円前後です。その後昇給のペースも鈍く、全く昇給しない企業も珍しくありません。もちろん、様々な障碍がある我々が、社会の第一線で働いているビジネスパーソンと同額の給料が貰えるなんて思っていません。
しかし、健常者と全く同じ仕事量・仕事内容でも障碍者雇用というだけで、一方的に低賃金で我慢させられるのです。
それでも会社からすれば、(温情で障碍者を雇ってあげている)という思いが強く、(合理的配慮をしてあげているのだから、つべこべ言わず使われていればいいのだよ。嫌なら辞めていい)と圧がかかり、(これだから障碍者は!)となってしまうのです。
ちなみに、障碍者はお金がかかります。病院、薬、福祉用具など人によって必要な内容は異なりますが、それなりに苦労している人が多いです。
それでも、(障碍者なのだから仕方ない)と、見て見ぬふりをされてしまいます。

社会では『弱者認定』されてしまった人が『高給取り』にのし上がるのは、非常に難しいです。
面接で、これまでの職歴について詳しく聞かれます。幅広い職務経験や、そうして培った経験、考え方、大切にしていることなどを確認され評価されたとしても、現状できる仕事や必要な配慮を確認した時点で『弱者認定』されてしまいます。一度、あなたの身体に合わせた条件ですと、この給与しか出せませんが、構いませんか?と、ある企業の採用担当者から聞かれた事があります。提示された金額は12万円/月で、パート職員枠でした。もちろん、丁重にお断りしました。月に12万円の給料で暮らせる大人がいると、あの採用担当者は本気で思っているのでしょうか!障碍者でも大人です。社会人です。権利も主張しますが、義務も果たします。

どうか無責任な、見て見ぬふりだけはしないで貰いたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?